トラギスとは
トラギスは成魚でも20センチほどの小さな魚で、赤みのある体色と、青や金の顔の模様のコントラストが美しい色鮮やかな魚です。その見た目から西日本では「トラハゼ」とも呼ばれています。肉食で浅い海に住むため、防波堤や浜などで別の魚を狙って釣りをしていると釣れてしまう餌取りとして知られ、4月~12月によく釣れる魚です。
生息域・分布と釣れる時期
新潟県以南の日本海側と、千葉県以南の太平洋側の沿岸域、また、伊豆諸島や瀬戸内海にも分布しています。浅い海の砂底・砂泥底に生息しますが、真冬の寒い時期になると深場へ移動するものもいるため、良く釣れるのは春から初冬にかけてです。
トラギスの特徴
赤みを帯びた円筒上のからだに濃い横縞の模様があるのがトラギスの特徴です。顔にある5、6本の模様が青いものと黄色のものの2種類がおり、後者はクラカケトラギスという種類になります。また、エラの部分には棘があります。毒はありませんが、針を外す時などは棘に刺さらないよう注意してください。
生態・性質
トラギスは貪欲な肉食魚で、普通は海底に棲息している甲殻類やゴカイ類を食べますが、体の大きなものになると小魚を狙うこともあります。メスは2~6月頃にオスの縄張りの中で産卵をしますが、なかには10~11月に産卵する個体も見られます。
トラギスの釣り方
トラギスは狙って釣る魚ではなく、キス釣りや船からのカワハギ釣りの定番外道として知られます。しかし、トラギスが釣れる海域は、ポイントの狙いが正しいか否かといった指標になることも。餌を取られてしまうのはよろしいことではありませんが、トラギス自体も美味な魚です。本命の魚と合わせて狙ってみましょう。
船釣り
船からカワハギを狙っていると必ずと言っていいほど釣れる魚です。カワハギ釣りで使用するタックルを使い、小型の片テンビンと2、3本の針を仕掛けて餌をつけます。大きな針より小さめの針を選ぶとトラギスは釣れやすくなりますが、本命のターゲットを釣るための針サイズとの兼ね合いで、適したサイズを選んでください。
岸釣り
キス同様、サーフ(砂浜)から投げ釣りで狙えます。仕掛け投入後、1~3分程待ってもアタリが無いようなら少し仕掛けを巻き、また待つという繰り返しという釣り方になります。アタリが無い場合はポイントを少しずつずらしながらトラギスのいるポイントを見つけていきましょう。
トラギス釣りの仕掛け
専用タックルや専用の仕掛けは必要ありませんので、本命の魚を狙う道具を使用しますが、針は小さいもののほうが、トラギスを釣りやすくなります。釣る場所ごとのおすすめのタックルや付けるエサなど、船釣りと岸釣りに分けてそれぞれ紹介します。
船釣り
船釣りではカワハギ釣りと同様のタックル、仕掛けで狙えます。竿は1.7~2.0メートルのもので軽く、適度な硬さのものを選びます。リールも小型のベイトリールが巻き上げのパワーがあるのでおすすめです。
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エサ
カワハギを狙う際の餌であるアサリを使用しましょう。また、オキアミやイソメでも狙えます。アサリは柔らかいままのほうが食いつきがいい場合もありますが、塩を使って締めると硬くなって扱いやすい上に、海中でもズレにくくなります。針に付けるときは水管など硬い部分を通してから、腸の部分に針先を縫うように付けます。
岸釣り
岸釣りでは、シロギスを狙うタックル、仕掛けで狙います。2~4メートルほどの投げ竿で、竿先の柔らかいものを選びます。リールは飛距離の望めるスピニングリールがおすすめです。
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エサ
ゴカイやイソメを使います。これらのエサは釣り具店で1パック約500円程で販売されています。動きがよく匂いも強いアオイソメは魚へのアピール力が高いのでオススメです。トラギスを狙う場合は短く1~2センチに切って仕掛けるといいでしょう。
トラギスの泳がせ釣り
トラギスは泳がせ釣りの餌としてもよく使用されます。岸釣りから大物を狙う際に試してみてはいかがでしょうか?泳がせ釣りで釣れる魚は大きく、1メートル越えも夢ではないかもしれません。泳がせ釣りというと、アジなどを使って青物やスズキを釣るのが定番ですが、トラギスを使うとどのような魚が狙えるのでしょうか。
サーフの泳がせ釣りで狙える魚
トラギスの遊泳層と同じヒラメやマゴチが狙えます。ヒラメの中には“ザブトン”と呼ばれる大型のものもおり、最大で1メートル、重さが5キロにも達します。仕掛けにはチヌ針などの「親針」とイカリ型の「孫針」を用意します。トラギスの棘に気をつけながら親針を鼻先に刺し、背中に孫針をセットして置き竿にします。
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トラギスは食べても美味しい
トラギスはカラフルな見た目からあまり美味しくないと思われがちですが、上品な白身魚です。特別なクセもなく柔らかいので、大きめのものは刺身にして美味しく召し上がれます。また、小さなものは丸ごと唐揚げにしたり、天ぷらにしたりしてもGoodです。ほくほくの身と衣のサクサクが病み付きになります。
天ぷら
ぶつ切りか、もしくは尾びれをつなげたままアジフライのような松葉型におろして天ぷらにします。大きめのトラギスは中骨が硬いので骨抜きで抜いておくといいでしょう。油は180度程度の高温にして揚げます。口の中で解けるような柔らかい食感を、塩や天つゆ、お好みで味付けしてお楽しみください。
唐揚げ
小さいものも良く釣れるトラギスは、まるまる1匹を唐揚げにしても美味しいです。内臓、ウロコ、エラを取り除き塩を振ります。あとは片栗粉をまぶして、高温で揚げましょう。姿揚げ以外に、3枚におろして塩コショウで味付けをし、唐揚げにするのもお勧めです。カリカリの表面と、身の柔らかさのギャップをお楽しみください。
刺身
釣れたトラギスの型がよければ、是非、刺身でも味わいたい魚です。個性的でカラフルなその見た目からは想像し難い上品さがあります。骨がしっかりとしていますので、中骨部分を切り落とし、残ったものは1本ずつ抜いて処理をしましょう。まったく臭みがなく、非常に柔らかい身で、もちもちとした食感もあります。
トラギスで大物を狙おう!
エサ取りとしてよく釣り上げられるトラギスですが、ただリリースせず泳がせ釣りをすれば、取られたエサ以上の収穫が見込めるかもしれません。また、トラギスそのものをお持ち帰りして調理しても、非常に美味しい一品に。是非、いつもの釣りに“トラギス”という楽しみをひとつ、プラスしてみてください!
Rosy grub were caught as bycatch… But, It’s not this time!
外道だったトラギスくん、かかっておいで!