『赤魚(あかうお)』は、スーパー鮮魚売り場の定番商品
鮮魚冷凍コーナーの人気商品“赤魚”の正体とは……
スーパーで良く目にする『赤魚』の正体ってご存知でしょうか?
赤魚はほどよく脂が乗り、ふっくらとした白身の魚で味や身離れが良く、値段も手ごろで冷凍商品として人気の高い魚です。
名前の通り、真っ赤な色合いで目につきやすい商品ですが、原材料表示を見ると「赤魚/産地:ノルウェー/加工国:中華人民共和国」などと表記されていて、まさに正体不明ですよね……。
本記事では、安くて美味しいスーパーの定番商品『赤魚』の正体や美味しいレシピ、そして釣り方まで怪魚ハンター山根がご紹介いたします!
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活動中。
赤魚の読み方は「あかうお」
赤魚は「あかぎょ」ではなく、「あかうお」と読みます。
実はこの赤魚という名前、メバルの仲間で真っ赤な色をした魚全般に当てられている総称なんです。
つまり、赤魚という種類の魚はいないんですね。
赤魚の正体は“アコウダイ”の仲間
スーパーで販売されている赤魚は外国からの輸入物ばかりですが、日本にも赤魚と呼べる魚は何種類も生息しています。
釣り人の間で、もっとも一般的に知られている赤魚と言えばアコウダイでしょう。
別名「メヌケ」とも呼ばれる深海魚で、外国産赤魚が出回る以前は、庶民的な大衆魚だったようです。
しかしながら、繁殖までに時間がかかることはメバルの仲間に共通する特徴で、日本の赤魚は資源量が減少したことによって市場価値が上がり、今では海から料亭へ直行するような高級魚になっています。
赤魚の種類や産地はさまざま
赤魚と呼べる種類の魚は実に多く、日本に生息するものでも『アコウダイ』『ホウズキ』『オオサガ』『サンコウメヌケ』などが知られ、大きい物では1尾5万円以上で取引される場合もあります。
一般的にスーパーに並ぶ赤魚は、アメリカ/カナダ産やノルウェー産、ロシア産の物が多く、種類としては「アラスカメヌケ」や「モトアカウオ」、「タイセイヨウアカウオ」です。
ちなみに英語では、Rose fish(バラ色の魚)やRed perch(赤い魚)などと呼ばれ、現地でも美味しい魚として認知されています。
煮つけ・粕漬け・炊き込みご飯|赤魚のオススメレシピをご紹介
赤魚はクセのない白身魚
赤魚の身は柔らかすぎず硬すぎず、脂っこくないけどパサパサでもない。とにかく万人受けの良いふっくらとした白身が特徴的です。
クセの無い白身魚ですので、和食から洋食まで様々な調理法で楽しめます。
極洋 料理皆伝 赤魚フィーレ(骨なし) 400g(4枚)
・内容量:約400g(4枚)
・原材料:赤魚/酸化防止剤(V.C)
・冷凍
ご飯のお供にするなら赤魚の煮つけ
僕が一番好きな赤魚の食べ方は煮つけです! やっぱりメバルの仲間の煮つけは最高ですよね!
僕たち釣り人にとってメバルやカサゴは身近な存在で食べ慣れていますが、スーパーには滅多に並びません。
いくらか海まで距離がある所に住んでいるので、無性にメバルの煮つけが食べたくなると、スーパーへ赤魚を買いに行っていますw
焼くだけで超簡単な赤魚の粕漬け
スーパーの冷蔵ケースに並べられていることが多い赤魚の粕漬けもオススメです!
赤魚の粕漬けはフライパンで焼くだけなので、超お手軽です。
フライパン用魚焼きホイルを使って弱火〜中火でジックリ焼き上げましょう。
赤魚の旨味たっぷりな炊き込みご飯
我が家では、ちょっとでも良い事があると炊き込みご飯を作るのですが、赤魚を使った鯛めし風炊き込みご飯がメチャ旨なんです!
赤魚の切り身2~3枚に薄く塩を振り、魚焼きホイルで皮に少し色が着く程度に焼き上げます。
米3合に対して、以下の材料と焼いた赤魚を入れて炊き上げます。
■赤魚の炊き込みご飯レシピ
- ●醤油:小さじ1
- ●めんつゆ:大さじ2
- ●酒:大さじ1
- ●みりん:小さじ1
- ●千切り生姜:少々
●キノコや大根などお好みで
美味しい食べ方をお伝えしたところで、赤魚の中でもアコウダイという魚についてもう少し詳しくご紹介していきますね!
赤魚(アコウダイ)は日本でも釣ることができる
アコウダイについて
アコウダイは、カサゴ目メバル(フサカサゴ)科メバル属に分類されるカサゴやメバルの仲間です。
最大全長は50cm前後で、産卵期は冬から早春。産卵できるまで10年以上掛かるとも言われています。
赤魚・アコウダイは深海魚
アコウダイは、東京湾から相模湾、駿河湾に多いとされていますが、関東北部から九州にかけて広く分布します。
水深400~800m前後で起伏の激しい岩礁帯に生息し、ある程度の群れで活動していると考えられています。
アコウダイの釣り方と道具をご紹介
深海魚用の釣り具を用意しよう
使用するオモリが500号以上であればオモリ負荷250~300号の深海専用竿、300号程度のオモリの場合はオモリ負荷150~200号のライト深海竿が適当です。
長さは1.8~2.1m程度が扱いやすく、置き竿で根掛かりした捨て糸を切れるくらいのバットパワーと丈夫さが必要です。少々重たくてもグラス性が安心ですね。
使用するリールは、道糸PE6~12号を1000~1200m巻けるだけの大型電動リールが必要です。
使用するオモリの大きさや水深、潮流によりライトタックルで楽しめる場合もありますが、所によっては大掛かりな装備が必要になるのが深海釣りです。
タックルについては必ず船宿に確認するようにしましょう。
シマノ 19 ビーストマスター 9000
最大ドラグ力: 25kg
自重: 1485g
ドラグ力:最大25kg
糸巻量:PE(タナトル) 6号-1100m、8号-900m、10号-650m、12号-550m
ダイワ マッドバイパー 深海 MH-195
継数:1本
仕舞:169cm
自重:760g
オモリ負荷:250-700号
適合ハリス:MAX30号
狙う水深は400~800m
アコウダイを狙う場合は、水深500m前後の起伏の激しい岩礁帯が主戦場となります。仕掛けを下ろすのに5〜10分、回収に10〜20分です。
とにかく時間の掛かる釣りなので、1回の釣行で投入できるのは5~6回程度。ちなみに500m以上も糸を出す釣りのため、道糸のヨレを防ぐリングは必需品ですよ。
10本針で効率良く狙います
投入できる回数が少ないため、アコウダイなど深海魚を狙う場合は釣り針を多くして効率よく釣っていきます。
ムツ針の18~22号の10本針が目安です。餌は、サバの切り身やイカの短冊を使います。
一度投入すると多くの場合、仕掛けが絡んでしまうため、投入回数分の仕掛けを用意した方が安心!
このように、赤魚を釣りで狙うとなるとどうしても敷居の高い魚と言えますね。
赤魚を釣るのはちょっと無理……という方も、ぜひこの機会にスーパーの赤魚を食べてみてはいかがでしょうか。