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魚の締め方。釣った魚を持ち帰るベストな手順と必要な道具とは?

釣った魚を美味しく食べるなら、釣り場で適切な方法で魚を“締める”ことが重要。今回はもっともスタンダードな方法である、脳締め・神経締め・血抜きの手順にそって、そのやり方と必要な道具についても解説します。

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目次

釣った魚を“より美味しく”。魚を締めてみよう

魚

『自分で釣った魚は美味しい!』と、釣り人なら無条件に感じることはしばしばあると思いますが、魚を釣れば釣るほど『より美味しく食べてみたい!』と考えるのも、釣り人の性ではないでしょうか?

今回は釣った魚をより美味しくいただくための、魚の締め方をご紹介してみましょう。

小林
僕自身は魚を締めることに専門的な知識があるわけではありません。今まで釣った魚で試してきた経験を元に、皆さんにお伝えできればと思っております。

魚を“締める”ことの効果は?

魚 サク

魚を締めることで期待できる効果は、旨味をキープし、鮮度を保ち、臭みを抑えること。

締めずにクーラーの中で生きたまま持ち帰ろうとすると、ストレスが溜まり、やがてうまみ成分が分解されてしまいます。せっかくの美味しい魚料理が台無し……なんてことにもなり兼ねません。

小林
できれば、旨味の逃げた、鮮度の低い、臭みの強い魚は食べたくないですよね笑 魚を適切に処理することで、より美味しく食べることができるのです。

魚を締めるのに必要な道具

魚 絞める道具

魚を締めるために主に必要となる道具たち。これらのアイテムを持っていれば、間違いなく良い締め方ができるでしょう。

フィッシュピック

フィッシュピック

こちらはフィッシュピックと言われる、脳締め用のアイテムです。

魚の脳を締めて脳死状態にすることで、魚の持っている旨味成分が分泌してくると言われています。

釣りたての魚が「コリコリしていて新鮮なのは分かるけど、魚の味がしない」なんて時は、もしかしたら脳締めが理由なのかもしれません。

ベルモント フィッシュピック 一撃

ピック収納時サイズ:約Φ16×135mm ピック本体サイズ:約Φ4.5×128mm 有効ピック長:約109mm

神経締めワイヤー

神経締めワイヤー

次に必要なのが神経締め用のワイヤー。

脳締めしてできた穴からこのワイヤーを入れ、背骨の上に通っている神経束(脊髄)を壊すための道具です。神経締めは、死後硬直を遅らせることで、より鮮度を保てるようになると言われています。

フィッシングナイフ

フィッシングナイフ

あとはご存知フィッシングナイフ。こちらは血抜き用ですね。

血抜きに関しては大半の釣り人が一番気を使っている部分だと思います。多くの説明は要らないと思いますが、魚に限らず生き物の臭みの原因となる理由のひとつはです。

その血を綺麗に取り除いてやることで、臭みの少ない身に仕上がるのです。

折り畳みバケツ

折り畳みバケツ

血を綺麗に流し出すためにも、折りたたみバケツは忘れずに携帯しておきましょう。

血は空気に触れるとすぐに固まってしまうため、バケツに水と魚を入れておき、血を流し出してやるのが最も効率的です。

魚を締める手順

1.フィッシュピックで脳天締めをおこなう

フィッシュピックで脳天締め

先ずはフィッシュピックで脳締めします。魚によって脳のある場所が微妙に異なるため、一概に「ここを狙うと良い」とは言いきれませんが、おおよそ眉間の上あたりに脳があることをイメージして刺すようにしてみましょう。

脳締めができた時の合図は、目が動いたり、グルンと上を向いたりします。刺した後には上下左右グリグリと回して、確実に脳を締めるようにします。

小林
魚によっては眉間あたりが硬いこともあるので、横から刺してみるとスムーズに入ってくれます。
魚 脳

僕もどこに脳があるのかハッキリと分かっていなかったので、先日釣れたカンパチの子供(シオの)頭を割って確認してみました。

想像通りの目のやや斜め上にありましたが、思ったよりも小さく、キチンと狙いを定めなければいけませんね。

2.ワイヤーで神経締めをおこなう

ワイヤーで神経締め

脳締めをした穴から背骨の上に向って神経締めワイヤーを入れます。

この時に力任せに無理矢理入れようとすると、神経にうまく入らず、間違って身に入ってしまいます。

力を抜いて自然にワイヤーが入っていく場所を探すようにするのがコツです(←ここ重要!)。滞りなく入ったら、それが神経のある場所です。

ワイヤーで神経締め

こちらは間違って身に入ってしまったケース。神経を直撃すると魚はビクビクと動きます。逆に動かなければできていないと思ったほうが良いでしょう。

3.ナイフで動脈を切り、血抜きをおこなう

血抜き

最後に、エラの裏にある動脈を狙ってナイフで切ります。このとき、きちんと切れていれば大量に血が流れてきます。それを目印とすると良いですね。

ここで注意したいのは魚の心臓の位置。動脈近くに心臓がありますので、動脈と一緒に心臓を切ってしまうと魚が死んでしまいます。

小林
心臓を動かしながら(活かしながら)血を抜くことをイメージしましょう。間違って心臓を刺してしまったと感じた場合には、尻尾も切って両側から血を抜いてあげると良いですね。
血抜き

腹を割って確認してみると……このようにエラ付近に心臓があるのです。これを刺すと魚は死んでしまうため、動脈のみを刺して血を抜くように気をつけましょう。

小林
一連の流れを、文字と写真だけではイメージしにくいと言う方のために。下記の動画はその様子をまとめたものです。参考までに。
by TSURIHACK TV

クーラーボックスもお忘れなく

クーラーボックス 魚

ここまでできていれば、締める作業は完璧と言ってもいいでしょう。ここで忘れちゃいけないのがクーラーボックスの存在。

せっかくキレイに締めた魚なので、鮮度氷や保冷剤を入れたクーラーボックスで鮮度を保って持ち帰りましょう。

今回ご紹介した締め方は、慣れるまでは多少回数を重ね、ある程度失敗をすることで正解が見えてくる気がしています。かくいう僕もじつは何度も失敗をしています。

小林
慣れてしまえば、特別難しい作業でもありません。「せっかく釣った魚は美味しく食べたい!」と考えている方、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
 
撮影・文:DAISUKE KOBAYASHI

ライタープロフィール


小林大介
愛知県出身徳島県在住。映像クリエイター、フォトグラファーとして地方の限界集落で活動中。山の猟師でもあり、デジタルとアナログの両極端な生活を楽しんでいます。

海に川、ルアー、エサ釣りと限らず、楽しく美味しい釣りはなんでもトライするのが信条です。

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