〜マザーレイク琵琶湖の姿〜
琵琶湖。日本のバサーであれば、知らない者はいないであろうバス釣りのメッカ。
2009年には世界記録となる73.5cm、10.12kgのブラックバスが釣り上げられたのは有名ですが
それ以前より、琵琶湖は多くの釣り人の憧れだったのではないでしょうか。
かく言う筆者もその魅力に取り憑かれたその一人。20年に東京から滋賀へ移り住み、琵琶湖でのガイドを開始しました。
Q.琵琶湖へ移り住んだワケ
一般企業で正社員を務めながら副業という形で釣りを仕事にするために私が選んだのが、当時ホームにしていた河口湖でのガイド業。
しかし無名で駆け出しの人間にお客さんが着く事はほとんどなく、趣味の延長程度の釣りをしていました。そんな時に初めて琵琶湖に遠征する機会があり、全てにおいてカルチャーショックを受けました。
単純な湖の大きさや釣果にはもちろん、釣り人の多さ、釣り具屋さんの多さや、その釣り具屋さんのバスコーナーの規模にも。琵琶湖遠征の初日に、確固たるマーケットの可能性を感じ、いつか琵琶湖に移住すると決めました。
その生活の中で、いろんな出会いがあったり、スポンサーであるメジャークラフトさんからお声掛け頂いたり、少しずつ知名度も上げて頂く事が出来ました。
Q.琵琶湖に浮かぶ日々で気づいた事
それが原因なのか、難しく考えてばかりで深みにハマる事も多かったです。
それに比べて、最近はほぼ毎日琵琶湖を見て、バスを釣ってみて、基本がいかに大切か気付かされましたね。
その基本というのはバスにとっての基本であって、人間の目線や心理が入り混じる事で、難しくなっていったり深みにハマってしまうと気が付きました。
以前思っていたよりも遥かにバス等はシンプルな生活をしてて、シンプルだからこと太刀打ちが出来ない状況もありました。
バスが口を使いたくない時は何があろうと何をしようと無理!みたいな(笑)。
具体的な点ですと以前と比べて、見切り方と見切るスピードが大きく変わりましたね。
Q.関東フィールドとの差
ナチュラルレイクなら富士五湖や芦ノ湖、大規模フィールドなら北浦・霞ヶ浦。
そういう言う点では、共通点があるようにも思えますが、それらのフィールドと琵琶湖との大きな違いを3つあげるとしたら何でしょうか?
私が以前ホームにしていた河口湖も60オーバーがよく上がりますが、琵琶湖と比較するとウエイトの乗り方が違います。
太く重い魚が琵琶湖には多いですね。
それに対し琵琶湖は、もちろんローカルな釣り方も存在しますが、古来のバスフィッシングで十分釣れる日が多くあります。
それから琵琶湖の特徴として、関東フィールドに限った話ではありませんが湖毎にシチュエーションが様々で、例えばウィードレイクなのは河口湖。マッディーウォーターなのが霞水系。垂直岩盤の釣りをするなら亀山ダムなどのリザーバーと言った感じですが
琵琶湖には全てあるんです。
ジンクリアからマッディー。ウィードエリア。ロックエリア。岩盤。護岸などなど。
釣れるバスのウエイト、釣れ方、フィールドの特色が大きな違いだと思います。
Q.今、琵琶湖は釣れる湖なのか
実は私も過去に2回ほど釣りに行っており、2回とも見事に撃沈しております。
もちろん、“調査不足・悪い日に当たった・腕の問題”という事も考えられますが、私同様に“アウェーの洗礼”を受けたバサーも多いのではないかと思います。
実際に一年間トータルの釣果で見た時に、琵琶湖は釣れる湖と言えるのでしょうか?
サイズはもちろん世界記録が出ている湖であり、最近も70オーバーの話題が上がりました。
数釣りにおいても、一人で100本超えが可能な日もあります。
私のボートの魚探はライブスコープで、魚がいるかどうか一目で確認できるのですが、琵琶湖南湖ではバスが映らない場所の方が少なく感じる程です。
ただし、やはり相手はバス。いれば釣れる訳ではありません。
時期やシチュエーションに合った釣りをしなければ、ノーフィッシュも大いにあり得ます。
琵琶湖にはバスの餌となる生物も非常に多く、バスにとって食事には全く困らない環境が整っていて、
食事する時、そうでない時の差が激しいのも特徴。
それは「スレている」訳ではなく、あくまでもタイミングのようなもので、
全く無反応だったのに、翌日には同じ場所同じルアーで50cmクラスが連発!なんて事もよくある話ですね。
そういえば琵琶湖に遠征に行った友人から「3日中、中1日だけ爆釣だった」なんて話を聞きました。
もし遠征する時は、ある程度日数を設けた方が良さそうですね。
Q.陸っぱりではどうか
陸っぱりという視点に立って考えた時の“釣れ度”で言えば、どの程度差がありそうですか?
琵琶湖に限らずオカッパリは難しいと思っています。
行動範囲は絶対的に狭くなってしまうので、アプローチが不可能なケースも必ずありますからね。
琵琶湖においても同じで、例えば南湖下物の浚渫に届かせる事は出来ません。
しかしショアラインのストラクチャーも存在するので、地形をしっかり把握する事、どこに何が沈んでいるか把握する事が大切だと思います。
日頃のオカッパリに活かしたいからショアライン限定ガイドで、というリクエストのお客さんも少なくありませんよ。
Q.過去と比べ、釣りの難易度は上がっている?
ですが、現状は「釣れなくなってきた」と言う声も聞きますし、高比重ノーシンカーワームのボトム攻め、ミドスト、ダウンショットのドテラ流しなど、フィネスな釣りが流行っているように感じます。
ダイナミックな釣りがハマる状況やポイントが少なくなっているのでは?と思うのですが、このイメージは正しいですか?
ベイトフィッシュの変化においても、以前までは南湖のメインベイトと言えばギルだったのですが、最近ではワカサギや子バスがよく捕食されるように変化してきています。ただこれはウィードの生え方同様、周期的に変化するかもしれません。
また数年後には元のような捕食形態に戻っている可能性もあります。
バスを釣るためにはベイトに合わせる事がとても重要なので、ワカサギがよく捕食される環境下でミドストやダウンショットが有効になるためスピニングが活躍する事もあり、最近ではスピニングでの釣果が目立ちます。
しかし、バスの餌がワカサギだけになった!という極端な話ではなく、シーズンによってはハスが捕食される事も多く、その状況下ではビッグスプーンやビッグベイトが有効になります。
そこにそれぞれの群れがハマる事で、ビッグスプーンで50オーバーのラッシュも実際にありました。ダイナミックな釣りが絶対的なタイミングは今も存在します。
不安要素としては、水質に関して。たまにTVのニュース等でも聞きますが「琵琶湖の深呼吸が無い」と言う事。
実際にサイトで見える範囲が狭まっているので、水質の悪化を私も感じていました。
ここのところ2年ほど、雪の少ない冬が続いたそうでそれが原因との事ですが、今年は通常通りの降雪量なので水質改善を期待しています。