琵琶湖のバス釣り事情

琵琶湖は天国?それとも地獄? 関東出身の琵琶湖バス釣りガイドが語る母なる湖の“魅力”と“今”

2022/11/04 更新

琵琶湖は釣れない。釣れなくなってきている。そんな声が囁かれている中で、ビッグバスの爆釣報告も後を絶えません。今、琵琶湖は釣れる湖なのか?今回は、関東の様々なフィールドと琵琶湖を見てきた筆者だからこそ話せる「琵琶湖の真の姿」を、THE関東バサー(非琵琶湖バサー)の編集部0との対談形式でお伝えしたいと思います。

目次

記事内画像撮影:古瀬泰陽

〜マザーレイク琵琶湖の姿〜

琵琶湖の美しい湖面

琵琶湖。日本のバサーであれば、知らない者はいないであろうバス釣りのメッカ。

2009年には世界記録となる73.5cm、10.12kgのブラックバスが釣り上げられたのは有名ですが

それ以前より、琵琶湖は多くの釣り人の憧れだったのではないでしょうか。

かく言う筆者もその魅力に取り憑かれたその一人。20年に東京から滋賀へ移り住み、琵琶湖でのガイドを開始しました。

古瀬
今回は、関東の様々なフィールドと琵琶湖を見てきた筆者だからこそ話せる「今の琵琶湖の姿」を、THE関東バサー(非琵琶湖バサー)の編集部0との対談形式でお伝えしたいと思います。

Q.琵琶湖へ移り住んだワケ

編集部O
さんずさん(古瀬の相性)は東京都のご出身で、以前は河口湖でプロガイドをされていたそうですが、なぜ拠点を琵琶湖へと移されたのでしょうか?
古瀬
いつか自分の会社を持ちたいと思い続けてきたのですが、その時は真剣に打ち込める事が釣りしかなくて、バスフィッシングを本業にするイメージしかありませんでした。

一般企業で正社員を務めながら副業という形で釣りを仕事にするために私が選んだのが、当時ホームにしていた河口湖でのガイド業。

しかし無名で駆け出しの人間にお客さんが着く事はほとんどなく、趣味の延長程度の釣りをしていました。そんな時に初めて琵琶湖に遠征する機会があり、全てにおいてカルチャーショックを受けました。

単純な湖の大きさや釣果にはもちろん、釣り人の多さ、釣り具屋さんの多さや、その釣り具屋さんのバスコーナーの規模にも。琵琶湖遠征の初日に、確固たるマーケットの可能性を感じ、いつか琵琶湖に移住すると決めました。

編集部O
確かに、側から見ていても琵琶湖はバス文化の発信基地って感じがしますよね。自分も現地に行った時に、他とは違う熱量といいますか、活気みたいのを感じました。
古瀬
自分の目標を見つけてからは、東京から週一で琵琶湖に通ったり、仕事では移住に向けての貯金など、ひたすら準備に費やしました。

その生活の中で、いろんな出会いがあったり、スポンサーであるメジャークラフトさんからお声掛け頂いたり、少しずつ知名度も上げて頂く事が出来ました。

Q.琵琶湖に浮かぶ日々で気づいた事

バスボートから見る琵琶湖のマズメ

編集部O
“東京から琵琶湖通いの日々”をご経験されたとの事ですが、実際に毎日琵琶湖に浮かぶようになって、バスフィッシングに対する新たな“気づき”みたいなものってありましたか?
古瀬
以前はあまり情報も収集せず思うがままの釣りをしていました。

それが原因なのか、難しく考えてばかりで深みにハマる事も多かったです。

それに比べて、最近はほぼ毎日琵琶湖を見て、バスを釣ってみて、基本がいかに大切か気付かされましたね。

その基本というのはバスにとっての基本であって、人間の目線や心理が入り混じる事で、難しくなっていったり深みにハマってしまうと気が付きました。

以前思っていたよりも遥かにバス等はシンプルな生活をしてて、シンプルだからこと太刀打ちが出来ない状況もありました。

バスが口を使いたくない時は何があろうと何をしようと無理!みたいな(笑)。

具体的な点ですと以前と比べて、見切り方と見切るスピードが大きく変わりましたね。

Q.関東フィールドとの差

河口湖のビッグバス

編集部O
関東甲信越にも、バス釣りのメッカがあります。

ナチュラルレイクなら富士五湖や芦ノ湖、大規模フィールドなら北浦・霞ヶ浦。

そういう言う点では、共通点があるようにも思えますが、それらのフィールドと琵琶湖との大きな違いを3つあげるとしたら何でしょうか?

古瀬
もちろん関東にも様々なフィールドがあって、ビッグフィッシュがよく出る湖もあります。

私が以前ホームにしていた河口湖も60オーバーがよく上がりますが、琵琶湖と比較するとウエイトの乗り方が違います。

太く重い魚が琵琶湖には多いですね。

編集部O
確かに、釣果写真だけを見ても、琵琶湖のバスって関東はで中々見られないコンディションのものが多い気がします。それが堪らなくカッコよくて、同時に羨ましいです(笑)
古瀬
釣り方としても、関東フィールドはほとんどの場所がローカルな釣り方が強いイメージです。例えば河口湖ならi字系の放置やドリフトなど。

それに対し琵琶湖は、もちろんローカルな釣り方も存在しますが、古来のバスフィッシングで十分釣れる日が多くあります

それから琵琶湖の特徴として、関東フィールドに限った話ではありませんが湖毎にシチュエーションが様々で、例えばウィードレイクなのは河口湖。マッディーウォーターなのが霞水系。垂直岩盤の釣りをするなら亀山ダムなどのリザーバーと言った感じですが

琵琶湖には全てあるんです。

ジンクリアからマッディー。ウィードエリア。ロックエリア。岩盤。護岸などなど。

釣れるバスのウエイト、釣れ方、フィールドの特色が大きな違いだと思います。

Q.今、琵琶湖は釣れる湖なのか

アラバマで釣れた琵琶湖バス

編集部O
話しを聞けば聞くほど琵琶湖に行きたくなってしますんですが……

実は私も過去に2回ほど釣りに行っており、2回とも見事に撃沈しております。

もちろん、“調査不足・悪い日に当たった・腕の問題”という事も考えられますが、私同様に“アウェーの洗礼”を受けたバサーも多いのではないかと思います。

実際に一年間トータルの釣果で見た時に、琵琶湖は釣れる湖と言えるのでしょうか?

古瀬
正直、琵琶湖はとてもよく釣れるフィールドだと思います。

サイズはもちろん世界記録が出ている湖であり、最近も70オーバーの話題が上がりました。

数釣りにおいても、一人で100本超えが可能な日もあります。

私のボートの魚探はライブスコープで、魚がいるかどうか一目で確認できるのですが、琵琶湖南湖ではバスが映らない場所の方が少なく感じる程です。

ただし、やはり相手はバス。いれば釣れる訳ではありません。

時期やシチュエーションに合った釣りをしなければ、ノーフィッシュも大いにあり得ます

琵琶湖にはバスの餌となる生物も非常に多く、バスにとって食事には全く困らない環境が整っていて、

食事する時、そうでない時の差が激しいのも特徴

それは「スレている」訳ではなく、あくまでもタイミングのようなもので、

全く無反応だったのに、翌日には同じ場所同じルアーで50cmクラスが連発!なんて事もよくある話ですね。

編集部O
豊かな環境だから(豊富にベイトがいるから)こそバスのON・OFFがハッキリとしているんですね。

そういえば琵琶湖に遠征に行った友人から「3日中、中1日だけ爆釣だった」なんて話を聞きました。

もし遠征する時は、ある程度日数を設けた方が良さそうですね。

Q.陸っぱりではどうか

編集部O
基本、私が見ている琵琶湖の釣果情報って、陸っぱりで活動されているユーチューバーさんの動画なんですが、多くの方が釣れないと嘆いています。

陸っぱりという視点に立って考えた時の“釣れ度”で言えば、どの程度差がありそうですか?

古瀬
私は琵琶湖でのオカッパリをしていないので経験に基づいた話ではなく、ボート視点からの想像になってしまいますが、

琵琶湖に限らずオカッパリは難しいと思っています。

行動範囲は絶対的に狭くなってしまうので、アプローチが不可能なケースも必ずありますからね。

琵琶湖においても同じで、例えば南湖下物の浚渫に届かせる事は出来ません。

しかしショアラインのストラクチャーも存在するので、地形をしっかり把握する事どこに何が沈んでいるか把握する事が大切だと思います。

日頃のオカッパリに活かしたいからショアライン限定ガイドで、というリクエストのお客さんも少なくありませんよ。

編集部O
なるほど〜!釣りものは変わりますが、シーバス釣りメッカである東京湾も、ボートと陸っぱりでは、狙えるポイント(釣果も含めて)が、天と地ほどの差がありますしね。そういう面ではちょっと似てる所があるかもしれませんね。

Q.過去と比べ、釣りの難易度は上がっている?

タイニークラッシュと琵琶湖バス

編集部O
ビッグベイト、マグナムクランクやスプーン、パンチング、かつての私が抱いていた“ダイナミックな琵琶湖”のイメージです。

ですが、現状は「釣れなくなってきた」と言う声も聞きますし、高比重ノーシンカーワームのボトム攻め、ミドスト、ダウンショットのドテラ流しなど、フィネスな釣りが流行っているように感じます。

ダイナミックな釣りがハマる状況やポイントが少なくなっているのでは?と思うのですが、このイメージは正しいですか?

古瀬
昔東京から琵琶湖に通っていた時と比べると、釣りが難しくなってきている印象はあります

ベイトフィッシュの変化においても、以前までは南湖のメインベイトと言えばギルだったのですが、最近ではワカサギや子バスがよく捕食されるように変化してきています。ただこれはウィードの生え方同様、周期的に変化するかもしれません。

また数年後には元のような捕食形態に戻っている可能性もあります

バスを釣るためにはベイトに合わせる事がとても重要なので、ワカサギがよく捕食される環境下でミドストやダウンショットが有効になるためスピニングが活躍する事もあり、最近ではスピニングでの釣果が目立ちます

しかし、バスの餌がワカサギだけになった!という極端な話ではなく、シーズンによってはハスが捕食される事も多く、その状況下ではビッグスプーンやビッグベイトが有効になります。

そこにそれぞれの群れがハマる事で、ビッグスプーンで50オーバーのラッシュも実際にありました。ダイナミックな釣りが絶対的なタイミングは今も存在します

不安要素としては、水質に関して。たまにTVのニュース等でも聞きますが「琵琶湖の深呼吸が無い」と言う事。

実際にサイトで見える範囲が狭まっているので、水質の悪化を私も感じていました。

ここのところ2年ほど、雪の少ない冬が続いたそうでそれが原因との事ですが、今年は通常通りの降雪量なので水質改善を期待しています。

次項:琵琶湖の“爆”は琵琶湖ならでは?

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