ムギイカとは
ムギイカとは、スルメイカの新子、または若イカのことをいいます。日本ではイカはよく食べられており、そのイカの中でも最も漁獲高が多いのがスルメイカです。スルメイカは成長するとスルメにできるくらい歯ごたえのある固い身になりますが、ムギイカは身が軟らかく、なかなか美味ということで人気です。
ムギイカ(スルメイカ)の生息域・分布
成長するとスルメイカとなるムギイカ。生息域は千島近海から朝鮮半島、東シナ海まで広範囲に及びます。北海道から南は九州までの沿岸域に分布し、イカ釣りで最初にかかるのはこのイカと言っても過言ではありません。あまりに良く釣れるので、スルメイカのことを「真イカ」と呼ぶ地域もあります。
ムギイカの由来
ムギイカの由来は、伊豆地方や相模湾などで若いスルメイカやスルメイカの新子が獲れる時期と麦の収穫期が同じであることから来ています。スルメイカは地方によって様々な呼び方があり、前述の「真イカ」の他、九州では「マツイカ」「ガンゼキ」と呼ばれ、イカ釣り漁のメインターゲットとなっています。
ムギイカの時期(シーズン)と旬
ムギイカの時期はその年によって若干相違があるものの、関東では5月から6月にシーズンを迎えます。関西の大阪湾でも、5月の連休明けくらいから釣れ始め、梅雨明け前後まで釣れることが多いです。最近は海水温が高いためか、ムギイカをベイトとする青物の接岸が早く、ムギイカの大きな群れが少なくなっていると言われています。
ムギイカ釣りタックルと仕掛け
ムギイカは一般的に船(オフショア)から狙う場合が多く、その場合はスッテやイカメタルゲームのような釣り方になります。ムギイカでもスルメイカの新子サイズは、大阪湾では波止からも狙えます。その場合は磯竿に串針や夜光テンヤにキビナゴを付けたエサ釣り、または小さなエギを使ったライトエギングで狙います。
タックル
ムギイカ狙いのタックルは、オフショアからの場合は穂先の軟らかい6フィート前後のロッドが使いやすいです。リールはタナ取り重視の場合は小型両軸、またはベイトリールがいいでしょう。
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仕掛け
ムギイカ狙いのタックルは、オフショアからの場合は市販のスッテ仕掛け、又はプラヅノ仕掛けがいいでしょう。その先に錘、又は鉛スッテを付けます。ショアからの場合も市販の仕掛けを用いたほうが無難です。また小さなエギングで狙う場合、1.5号から2号程度の小型のエギを使ってもいいですし、エギスッテでも構いません。
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ムギイカ釣りのコツ
ムギイカは成長過程にある若いスルメイカなので獰猛かつ好奇心旺盛です。よって興味を引くように派手なアクションをするといいでしょう。シャクリはメリハリを付けてキビキビと行い、スッテやプラヅノを揺らして誘います。エギングにおいても同様です。ウキ釣りの場合でも時々誘いをかけた方がいいです。
シャープに誘いを入れる
ムギイカに効くのはキビキビしたアクションの誘いと、その後に抱きつく間を与えるゆっくりとしたフォールです。フォールの時間や姿勢は特に重要です。シャープに誘いを入れるとスッテやプラヅノが水中でキラキラと輝き、また不規則なスライドアクションが弱った魚を演出して、イカにスイッチを入れることに結びつきます。
スロー巻きで誘う
シャープな誘いは、イカの活性が高い時に有効です。活性がそれほど高くない場合は、イカの泳層より少し深い層まで沈め、ゆっくりと巻き上げるのが有効です。鯛ラバと同じようにゆっくりと巻き上げることで誘いになり、1匹でもイカが乗ると、そのイカが暴れて仕掛けが不規則に動き、その他のイカが仕掛けに乗ってきます。
シェイキングで誘う
シャープな誘い、スロー巻きの合間にシェイキングを入れるのも有効です。シェイキングによって生じる水の波動がイカの側線を刺激し、スッテやプラヅノのライブベイト感を演出します。特に底付近にいるイカの活性を上げたい時に、試してみるといいでしょう。シェイキングの後のフォールでイカが乗ってくることがありますよ。
スッテやプラヅノの数を増やしてみる
ムギイカの泳層は時々刻々変化します。釣りをしていて乗りが悪くなった、釣れなくなったという場合は、仕掛けがムギイカの泳層と一致していない場合があります。泳層が頻繁に変わる場合は、仕掛けの取り扱いが難しくならない限度で、スッテやプラヅノの数を増やしてみるというのも一つの方法です。
絶品!ムギイカ料理
ムギイカは数釣りが狙えるとともに、身の固いスルメイカの新子、または若い個体ということで身に適度の歯ごたえと甘みがあります。イカの胴に出汁で炊き込んだご飯を詰めるイカ飯、煮物や一夜干しといった方法で美味しく召し上がるのがお勧めです。大漁で食べきれないときは、ご近所にお裾分けしても喜ばれるでしょう。
イカ飯
イカの水揚げの多い北海道の駅弁人気No1はイカ飯です。釣ったムギイカを現場で沖漬けにしておき、タレとともに冷凍しておくといつでもイカ飯が作れます。イカの胴にもち米を6、7割詰めておき、楊枝で止め、タレと水をイカが浸るくらいにして炊飯器で炊き込みます。出来たてを食べるとイカの食感と甘みが絶妙ですよ。
煮物
ムギイカは煮物にしても美味しいです。胴の部分に具材を入れて煮込んでも、輪切りにして季節の野菜と合わせて煮込んでも美味しくいただけます。わが家では、釣れたムギイカは里芋と合わせて、醤油とみりんで味付けした出汁で煮込むことが多いです。なかなか美味しいですよ。
一夜干し
一度に食べきれないぐらい大漁だった場合は、一夜干しにしておくとお酒の肴として楽しめます。釣れたイカのワタや墨袋を傷つけないように丁寧に取り除いて身を開き、目と嘴を除去して塩水につけておきます。その後に防護ネット内にロープを張って一夜干しにします。完成品は冷凍にしておくといいでしょう。
ムギイカを釣りに行こう!
私たちの食卓に深く関係するイカ、特にスルメイカは最も身近なイカでほぼ年中手に入ります。その新子または若い個体であるムギイカは釣りに行かないとなかなか手に入らないターゲットです。いろいろな釣り方で釣れますし、いろいろな食べ方ができる人気者です。貴方も独特の風味と甘みを堪能してみませんか。
Wheat Squids are popular angling targets to eat with beer for Japanese.
ムギイカは日本人におなじみのビールの肴となるターゲット