目次
細いと釣れる?太くても釣れる?
編集部O
突然ですが高田さん。
世の中には「細糸派・太糸派」で「釣れる・釣れない」といった様々な議論がされていますよね。
ラインの太さと釣果は関係があると思いますか?
世の中には「細糸派・太糸派」で「釣れる・釣れない」といった様々な議論がされていますよね。
ラインの太さと釣果は関係があると思いますか?
高田
関係あると思います!が、なかなか一言で答えるのは難しい質問ですね。
今回は、ラインの太さで釣果はどこまで変わるのか? をテーマにじっくりと考察していきたいと思います。
今回は、ラインの太さで釣果はどこまで変わるのか? をテーマにじっくりと考察していきたいと思います。
そもそも魚にはラインが見えてるのか

編集部O
そもそもバスはラインが見えているんでしょうか?
よく3lbラインでも、ギルについばまれた。魚は確実に見えている!
なんて話しもありますよね。
よく3lbラインでも、ギルについばまれた。魚は確実に見えている!
なんて話しもありますよね。
高田
基本的にラインは魚に見えているのはほぼ間違いないと思います。
バスがルアーを追いかけてきたのにラインが視界に入った瞬間見切られる……
という経験をしたことのあるアングラーも少なくないのではないでしょうか。
バスがルアーを追いかけてきたのにラインが視界に入った瞬間見切られる……
という経験をしたことのあるアングラーも少なくないのではないでしょうか。

高田
基本的なことですが太い方が見えやすく、細い糸ほど見えにくい……というのは物理的なことで間違いないでしょう。
上の写真はフロロカーボンの4号と2号の比較したものですが、人間から見ても細い方が明らかに見にくいですよね。
ですが、状況によって見えやすい・見えにくい・または見えない時もあると思います。
上の写真はフロロカーボンの4号と2号の比較したものですが、人間から見ても細い方が明らかに見にくいですよね。
ですが、状況によって見えやすい・見えにくい・または見えない時もあると思います。
編集部O
よく、水槽下実験で細糸だと魚はラインを見えずにぶつかることもあるといった話しも聞きますが……
高田
実際、自然界と水槽の状況が違いますし、自然界にも様々な状況(水質など)がありますから、細糸は見えてない!とは断言できませんが、
個人的には0.8号(約3lb)くらいから魚から見づらくなると感じています。
個人的には0.8号(約3lb)くらいから魚から見づらくなると感じています。
糸が太くても食ってくる理由・太くなくてはいけない理由
PEラインの50lb直結でも食うときもある

編集部O
ラインは見られている。そして太いと物理的にも見えやすい。
これは分かるんですが、太糸でも全然釣れますよね?
私は5色巻きPEラインの50lb(3号)の直結。しかもクリアウォーターで釣れた経験があります。
太くて見やすい素材の糸にも関わらず釣れたのはなぜでしょうか?
これは分かるんですが、太糸でも全然釣れますよね?
私は5色巻きPEラインの50lb(3号)の直結。しかもクリアウォーターで釣れた経験があります。
太くて見やすい素材の糸にも関わらず釣れたのはなぜでしょうか?
高田
太くても釣れるときは釣れますね。
僕のバスの太糸記録はPE5号+ナイロンリーダー130lbです。ヒラマサタックルで釣りました(笑)
糸の太さに関係なく釣れるのには一定の条件が必要だと思います。
僕のバスの太糸記録はPE5号+ナイロンリーダー130lbです。ヒラマサタックルで釣りました(笑)
糸の太さに関係なく釣れるのには一定の条件が必要だと思います。
糸が見えてようが見えてまいが関係なく食う瞬間

高田
活性が非常に高い魚、スレていない魚などは糸が見えていても口を使います。
捕食に夢中で糸が気にならない魚が一定数います。ある意味ルアーやラインなどを全く選ばない簡単な魚ですね。
また早巻きやスピードフォールなどのリアクションで食わせるときは糸が太くても反射的に口を使うことも多々あります。
捕食に夢中で糸が気にならない魚が一定数います。ある意味ルアーやラインなどを全く選ばない簡単な魚ですね。
また早巻きやスピードフォールなどのリアクションで食わせるときは糸が太くても反射的に口を使うことも多々あります。
太くても隠すことができている時

編集部O
スレていないピュアな魚・高活性・リアクションの釣り以外で、太くても釣れる条件というのはあるんでしょうか?
高田
ラインを障害物で隠したり、水面上に出しておいたりしてバスから見えない場所に”隠してやる”といくら太くても見えていないため、太さなど関係なく口を使わせる事も可能です。
太いPEラインを使うバス釣り、例えばパンチングやフロッグ、トップウォーターなどはこれに当たります。
またフロロカーボンラインを完全に沈めてあげればこれもラインはバスから見えなくなるでしょう。
太いPEラインを使うバス釣り、例えばパンチングやフロッグ、トップウォーターなどはこれに当たります。
またフロロカーボンラインを完全に沈めてあげればこれもラインはバスから見えなくなるでしょう。
カバーなどではそもそも細ラインを使えない

高田
また、糸を隠すことのできるシチュエーション=カバー周りの釣りでは障害物にまかれる可能性が高いため、そもそも細い糸を使うことができません。
切られてしまっては元も子もないですからね。つまりカバー周りの釣りは太糸一択となるわけです。
切られてしまっては元も子もないですからね。つまりカバー周りの釣りは太糸一択となるわけです。
編集部O
一般のアングラーに限らず、プロでも太糸推薦派の方はいますよね。
とある大御所の方も「ベイトリールには最低25lbを巻け!」といったような事をおっしゃられてた気がします。
とある大御所の方も「ベイトリールには最低25lbを巻け!」といったような事をおっしゃられてた気がします。
高田
ブラックバスは基本的に障害物を好む魚です。
太糸を推薦するプロアングラーは太いラインで障害物をキチンと攻めろ!というメッセージを示しているのかもしれませんね。
太糸を推薦するプロアングラーは太いラインで障害物をキチンと攻めろ!というメッセージを示しているのかもしれませんね。
ルアーの種類によっては太糸でも食う

編集部O
ビッグベイトなどは、えてして太糸を使いますが、カバーに絡めないスイミングなどでも食ってきますよね。それはなぜでしょうか?
高田
ラインの太さの「食う・食わない」は「ルアーとのパワーバランス」も関係してきます。同じ5号の糸を結んだとして、ビッグベイトと小さいワームではラインの存在感に大きな差が出てきます。
ビッグベイトやクランクなどの存在感や波動の強いルアーだと太い糸でも問題なく食ってくることが殆どです。
ビッグベイトやクランクなどの存在感や波動の強いルアーだと太い糸でも問題なく食ってくることが殆どです。
編集部O
なるほど!ルアーの方が先に目立って、ラインには目がいかないっという感じなんですね!
フォールスピードが抑えられる

編集部O
カバーの釣り以外にも太いラインを意図して使う事ってあるんでしょうか?
高田
太くなればなるほど水に対する糸の抵抗が増しますので、
ラバージグなどをゆっくり落としたいときは糸を太くすることによってスピードを調整したりしますね。
ラバージグなどをゆっくり落としたいときは糸を太くすることによってスピードを調整したりしますね。
糸が細いほうが食う理由・細くななくてはいけない理由
編集部O
ここまでの話しですと糸は太くても全く問題ない気がしますね。
わざわざ切られるリスクのある細糸を使う意味ってあるんでしょうか?
わざわざ切られるリスクのある細糸を使う意味ってあるんでしょうか?
高田
そこがバス釣りの難しく面白いところです。
糸を細くすることで嘘のように爆釣することも多々あります。
糸を細くすることで嘘のように爆釣することも多々あります。
ルアーを長時間見せる釣りは圧倒的に差が出る

高田
ワームの釣り、特にオープンウォーターでの釣りはラインの太さが露骨に釣果に直結します。
4lbから3lbにラインを落とすだけで、バイト数が1.5倍くらいになったこともありました。
4lbから3lbにラインを落とすだけで、バイト数が1.5倍くらいになったこともありました。
編集部O
あ、私もバスではありませんが、管理釣り場のトラウトで似たような経験がありました。
高田
ラインを隠せない、ルアーのサイズが小さいというシチュエーションであれば細糸のメリットは大いにあります。
単純に細いからバスから見えにくい、という効果は期待できるでしょう。
単純に細いからバスから見えにくい、という効果は期待できるでしょう。
クリアウォーターのサイトフィッシングや超ハイプレは細糸が有利

高田
水がキレイで、魚も浮いていてIQも高い……なんて状況のバスにはやはり細糸が有利です。
トーナメントプロが2lbや3lbを使うのをよく見ますが、
やはりそれはハイプレッシャーの周りのアングラーのレベルも高い中で口を使わせるために必要だからでしょう。
トーナメントプロが2lbや3lbを使うのをよく見ますが、
やはりそれはハイプレッシャーの周りのアングラーのレベルも高い中で口を使わせるために必要だからでしょう。
糸による水切り音を抑えられる

高田
魚がラインを嫌がる点として視覚的存在感の他に、水を裂く音や波動があります。
太い糸の水を切る音はアングラーの想像以上に魚に影響を与えます。
糸が細くなることで水切り音を抑えたり、糸が動く波動を小さくできるメリットがあります。
スプーキーなバスを相手にする上で重要な要素です。
太い糸の水を切る音はアングラーの想像以上に魚に影響を与えます。
糸が細くなることで水切り音を抑えたり、糸が動く波動を小さくできるメリットがあります。
スプーキーなバスを相手にする上で重要な要素です。
そもそも太いラインが使えないシチュエーションがある

高田
強風が吹き付けるような場面であったり、流れが強いエリアでは太い糸だと流されてしまい釣りにならないことがあります。
そういうときには細い糸を使わざるをえません。
そういうときには細い糸を使わざるをえません。

高田
ポイントが遠く遠投しなければ行けない時も細糸が有利です。
そもそも魚に届かなければ魚は釣れない…のでそのようなシチュエーションではポイントに届くだけの細い糸を使います。
そもそも魚に届かなければ魚は釣れない…のでそのようなシチュエーションではポイントに届くだけの細い糸を使います。
編集部O
バスから見えづらいだけでなく、アングラーにとっての扱い易さなど、細糸ならではのメリットも無視は出来ませんね。
結局の所、細糸と太糸どっちがいいの?

編集部O
これまで両者のメリット・デメリットを見てきましたが、結局のところ細糸と太糸の“どちらががよい”のですか?
高田
“どちらがよい”ではなく何事も一長一短があります。
私はズバリ“食わせられる中で可能な限り太い糸”を使います。
私はズバリ“食わせられる中で可能な限り太い糸”を使います。
ラインブレイクを避けることが前提

高田
バスフィッシングはルアーをバスに食いつかせて、その上で釣り上げなければいけません。
ファイトの途中で切れてしまっては魚を逃してしまいます。食わせるのは細ければ細いほど有利ですが、ファイトは太ければ太いほど有利です。
切られない太さを使うのが絶対条件です。
3lbを使うときは切られないコースや状況を選びます。
仮に3lbでも20lbでも食うような状況ならリスクの低い20lbを選びますね。
ファイトの途中で切れてしまっては魚を逃してしまいます。食わせるのは細ければ細いほど有利ですが、ファイトは太ければ太いほど有利です。
切られない太さを使うのが絶対条件です。
3lbを使うときは切られないコースや状況を選びます。
仮に3lbでも20lbでも食うような状況ならリスクの低い20lbを選びますね。
編集部O
バランスを考えて太さを選ぶ事が大事だということですね。
私もプロが使ってるから◯lbではなく、フィールドの状況や自分の立ち位置(陸っぱりORボート)諸々を考慮し
ラインブレイクをしない範囲で太さを選んでいきたいと思います!
私もプロが使ってるから◯lbではなく、フィールドの状況や自分の立ち位置(陸っぱりORボート)諸々を考慮し
ラインブレイクをしない範囲で太さを選んでいきたいと思います!
ライタープロフィール
Always had high hopes.
2019:5100g
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH
— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。
国内での釣行はバスフィッシングがメイン。特に琵琶湖のモンスターバスフィッシングが得意分野です。