ロッドの細部をチェック
まずはロッドの曲がりをご覧ください。
よく動くティップと張りのあるベリー以下を備えた、THE・アジングロッドという調子です。
振った時は「ちょっと硬いな」と感じましたが、曲げ込んでみると胴までしっかり曲がっています。
ドラグ設定を考慮すると実釣時にここまで曲げこむことは無いでしょうが、ハイエンド系アジングロッドにありがちな「曲げられない・折れる」みたいな不安感は払拭してくれました。
次はティップ部分。
番手の通り、ソリッドティップ仕様です。3番ガイド(トップを含めると4番目)の位置でソリッドが継がれています。
低価格帯のロッドだと継ぎ目が露骨なこともありますが、ガイド部分で継がれているので継ぎ目が目立ちません。個人的に、見映えが良いのでGOODです!
ガイドには1本足のATガイドが用いられています。フレームはチタン、リングはSiC-Sです。
リールシートはダウンロック式のVSSシートを採用しています。
筆者はVSSシートがもっとも好きなので、これは嬉しいポイント。(手持ちのロッドは大半がVSSシート)
適度な太さがあり、手の平に当たる部分の凹凸が少なく、違和感なく脱力して持つことができます。あまり好き嫌いが別れないシートなので万人ウケするのではないでしょうか。
そして、上位機種の宵姫華と同じく、超小型のエンドグリップが装着されています。
コスメは超シンプル。桜が舞っています。
リールを付けた時の重心位置
自重が軽いのはもちろん、軽いリールを合わせても重心がリールシート付近になるため、体感もかなり軽いです。
持った時に穂先が浮くような形になるので、自然とロッドを上段に構えられます。
キャストフィールは良好
ショートロッドではありますが、かなりよく飛ぶ部類のロッドだと思います。
上の画像からもわかる通り、キャスト時にもしっかりと胴部分が曲がっています。それに加えてキャスト後のブレの収束も早いため、ラインのガイド抜けも良好です。
飛びにくいフロロカーボンライン(2.5lb)を使ってみても、しっかりと1g前後の軽量ジグヘッドが飛んでくれました。
ダブルハンドでもシングルハンドでも、バックハンドでも十分な飛距離が得られます。
軽量ジグヘッドの操作感が秀逸
1g前後のジグヘッドは、このロッドの真価が発揮される部分でしょう。
フロロ・エステルを使えば0.4g、PEを使えば0.6g程度から、フォール中もティップにしっかりと荷重が乗ってくれるので操作感がかなり明確です。
強風下でのボートアジングでも使ってみましたが、フロロラインを使えば1gのジグヘッドをしっかり感じで操作することができました。
また、水深12mの沖堤防で3gのジグヘッドを試してみたところ問題なく使えたので、ジグ単ならほぼ全域のウエイトをカバーできるでしょう。
ただし、「アンダー1gのジグヘッドの使用感を追求したい」ということであれば、「S53FL-solid」の方が適しているかもしれません。
ジグヘッド以外にも、いま流行中のマイクロジグも試してみました。
正直、マイクロジグはあまり使ったことがないのですが、1g/1.5gの操作感はかなり明確です。
マイクロジグに関しては、「下限0.6g、上限3gが快適かな〜」といった印象です。
感度は文句なし
感度に関しては、控えめに言っても「かなり良い」と思います。
コツッというアタリや、モゾ〜という居食い系のアタリ、フワッとテンションが抜けるようなアタリもキャッチできます。
6cmぐらいの豆アジもバシバシ針に掛かりましたし、オセン(スズメダイ)がワームを噛んでいるのも伝わってきました。
正直、これ以上の感度を求めるなら「5万円出してください」と言いたいところです(笑)
バラシが少ない
尺手前までのマアジを釣ってみましたが、パワー面でストレスを感じることはありませんでした。
そして、ちょっと感動したのが、針外れが非常に少ないことです。
陸・ボート合わせて40匹ぐらいのアジを釣りましたが、途中で針が外れたのは3匹ほど。(抜き上げのポロリ含む)
これだけシャキッとした竿で、しかもPEを使ってもバラシが少ないのはなかなか優秀と言えるでしょう。やはり、冒頭で言及した「負荷が大きくなると胴まで曲がる」というのが影響しているのでしょうか。
ちなみに、尺手前サイズのアジを抜き上げても折れそうな気配はゼロでしたよ。(抜き上げ方によっては破損の危険があるので十分ご注意ください)