クニマス

西湖でクニマスが釣れる確率とは?!釣り人もクニマスを間接的に守っている?

2022/10/31 更新

かつて田沢湖で絶滅したと思われていたクニマス(国鱒)が、山梨県西湖で発見されて大ニュースとなりましたね。今回は研究のためクニマスを釣獲した経験をもつ、山根ブラザーズ兄が“幻の魚”クニマスについてお届けします。

目次

絶滅したはずの魚“クニマス(国鱒)”の由来

クニマスについて

クニマスクニマス(Onchorhynchus kawamuraeとは、サケ目サケ科タイヘイヨウサケ属に分類されるサケ・マスの仲間です。

地殻変動により海から湖に取り残されたベニザケ(ヒメマス)に極めて近い種類のクニマスは、最大で30~40cm程度まで成長します。

クニマスは、秋田県田沢湖だけに生息する“固有種”でしたが、水力発電のために酸性河川(玉川)の水を人為的に田沢湖に引き入れたことが原因で1940年に絶滅が確認されていました。

※クニマスはベニザケ(ヒメマス)の亜種(Onchorhynchus nerka kawamurae)とする見解もあります。

クニマスの変わった繁殖生態

ヒメマス 産卵

皆さんご存知の通り、サケやマスの仲間は産卵期になると生まれた川に遡上し産卵しますが、閉じ込められた湖に遡上できるような川が無い場合、ヒメマスは岸辺の水深15mより浅い場所で秋に産卵します。

日本一深い湖である田沢湖(423m)に閉じ込められたベニザケは、極端に深い環境に合わせて独自の進化をすることで、ヒメマスと少し違った生態を持つクニマスになりました。

田沢湖のクニマスは“冬に水深40~200mの湖底で繁殖する”と記録されています。サケマス類の繁殖生態としては驚くべき深さと言えるでしょう。

クニマスの名前の由来

クニマス 西湖

漢字で書くと「国鱒」となり、あたかも日本国を代表するような名前がついていて記憶に残りやすいですよね。

クニマスの名前の由来には諸説あり、未だにハッキリとした語源は明らかになっていません。

英語では“Local Salmon”もしくは“Black kokanee”と表記されることや田沢湖の固有種であることから、“Local=地元/故郷”という意味の“国”なのかなと個人的に感じます。

ヒメマス クニマス

また、kokaneeとはヒメマスを意味する英単語で直訳すると「黒いヒメマス」となります。クニマスは繁殖期になると“黒い婚姻色”になることが知られています。

日本で唯一ヒメマスが在来分布している北海道のアイヌ語で黒をkunne(クンネ)と読み、それがクニになったのではと考える人もいるようです。

田沢湖のクニマスを、アイヌからやってきた人が黒いヒメマスと表現したのかもしれませんね。

※ヒメマスは阿寒湖およびチミケップ湖以外では移植による外来魚です。

ヒメマスの婚姻色

ヒメマス 婚姻色

ちなみに、ヒメマスは赤い婚姻色を示すことが多々ありますが、クニマスで赤い個体はいないと考えられています。

こうした繁殖生態や婚姻色の差を見比べると亜種というより別種と感じますよね。

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