マングローブに囲まれた「西表島」は魚釣りのパラダイス
西表島の特徴は熱帯雨林性気候に近いこと
西表島(いりおもてじま)は、石垣島の約20km西に浮かぶ沖縄県で2番目に大きな島。
台湾と同程度の緯度に位置し、高い山と多くの川を有する西表島は、“熱帯雨林性気候”にも相当しうる、暖かでとても湿度の高い島として知られています。
多くの川があり多湿な温かい場所……そりゃ沢山の魚が住む島に決まってます。
西表島の川に住む魚たち
西表島には大小合わせて約40もの川が存在し、日本最大のマングローブ林が広大に広がります。
西表島の川を利用する魚たちの種類は400種類を超えるとも言われており、GTやオオメジロザメといった大型魚をはじめ、
マングローブジャックやナンヨウチヌといったゲーム性の高い釣りの対象魚、日本では西表島にしか生息しないテッポウウオやウラウチフエダイなどの希少種も生息しています。
▼テッポウウオの記事はコチラ!
釣り好きならば絶対竿を振りたくなる島“西表島”
エコツーリズムが盛んな西表島では、トレッキングやシュノーケリングといった様々なアクティビティを楽しむことができます。なかでもマングローブ林をクルーズするツアーはとても人気があります。
ですが……やっぱり釣り好きだったら釣りをしてみたいですよね!
ご安心ください。西表島にはカヤックフィッシングというアクティビティも用意されています!
西表島の川で釣りをするならカヤック利用が断然オススメ!
西表島で実際に陸っぱりで魚釣りを楽しんだ僕の個人的な感想ですが、西表島のマングローブで魚釣りを楽しむならカヤックフィッシングがオススメです!
とにかく自然が多く残る西表島は、陸路での川へのアクセスが容易では無いんですね。
川に入れてしまえば良く釣れますが、快適かつ安全にできるだけ確実な釣果を上げたいならカヤックに乗りましょう。
もちろん、陸っぱりで苦しんだ後に西表島のマングローブ林でカヤックフィッシングも体験してきました!
今回はその釣行を振り返りながら、カヤックフィッシングの魅力やコツ、オススメな釣り具をご紹介します。
カヤックでマングローブの密林を縦横無尽に釣り探れ!
マングローブでのカヤックフィッシングは小潮がオススメ
僕が釣行したのは9月の大潮でした。満潮が朝で干潮が昼過ぎ……。
わかってはいましたが、マングローブでのカヤックフィッシングにはなかなか辛い潮回りだそうです。
下げ潮が効き始める前にできるだけ上流を目指します。
期待に胸を膨らませてカヤックに乗船
潮回りが悪いとはいえ、ここは西表島。期待せずにはいられません!
全身を使ってオールを漕ぎ、川をグングン上っていきます。カヤックってホントに快適です。スーッと進む感覚が病みつきになっちゃいます。
大自然の中、カヤックを漕ぐだけでもはや大満足な気分になってしまいます。
マングローブの木々が水没している間は苦戦…
気持ちだけが先走っていますが、肝心な釣果というと……キャストと移動を繰り返しますが、なかなか魚からの反応はありません。
トップウォータープラグのこだわりを捨てて、とりあえず魚の顔が見たいのでスピナーにルアーをチェンジしてみます。
岩場でメッキが入食いに!
マングローブの岸から少し離れた場所で、川底が岩のポイントにやってきました。
下げ潮の強い流れを切るようにスピナーを引いているとロウニアジのメッキがヒット!
これを皮切りにメッキ類の入食い状態に!
カヤックは水面が近くて魚とのファイトがめちゃ楽しいですね! フローターに近い感覚があります。
潮も下がりはじめいよいよ本番だ
メッキを釣って遊んでいる間に、写真の背景のとおりマングローブの根っこが露出しはじめました。
流れが一番早い時間でもあったため、休憩を兼ねて腹ごしらえ。美味しいお弁当をかき込みます。
一日中出ずっぱりとなるカヤックフィッシングは、水分は多めに食べ物や塩分も忘れずに持っておきましょう。
さぁ! ルアーをポッパーに結び変え、カヤックを漕いで支流に入っていきますよ!
マングローブの際に落ちたポッパーにド派手にバイト!
マングローブフィッシングは潮の満ち引きが重要
水没していたマングローブから水が干上がり、木々の根に隠れていた小魚たちが出てきたようです。
あちらこちらで「バシャッ!バシャバシャ!」とボイルの音が聞こえてきます!
マングローブの根の際にルアーが落ちたかと思うと「チュボッ!」とバイトが……しかし乗らないw
諦めずに「ポコッ!ポコッ!」とアクションを続けると「バシュっ!」っと強いバイト!!
マングローブを代表するゲームフィッシュ!
下に下に強く突っ込む引きを存分に楽しませていただき上がってきたのはマングローブジャック。
マングローブのカヤックフィッシングでは一番人気な魚です。
サイズはまだまだですが、嬉しいイッピキでした。この後も同サイズながら3匹のジャックを追加することができました。
流れが落ち着きこの魚が高活性に
ポッパーにじゃれる様に小型の魚がバイトしてくるようになりました。
試しにスピナーにルアーを落とすと、ナンヨウチヌの若魚が入れ掛かり!
メッキといいナンヨウチヌといい、マングローブって幼魚たちにとって本当に楽園なんだ。と改めて実感しました。
干潮間際、カヤックを降りて陸っぱり
カヤックに乗りながらも干潮時に楽しめるのが陸っぱりです。
カヤックが流されないようにマングローブに結び付け、じゃぶじゃぶと川に浸かりながら更に支流の奥を目指します!
泥底と思いきや意外と砂地が多く、心地良く釣りができますよ。
納得の40オーバー!ナンヨウチヌに感動!
そろそろ川を下らないといけない時間だなぁと思っていたところ「ジュボッ!!」と水ごと吸い込むような強いバイトが来ました。
焦らず一呼吸おいてからしっかりフッキング、ずっしりとした重量感が竿に伝わってきます。
干潮で潜られるような大きなストラクチャーも無いのでクロダイらしい強い引きを存分に楽しみます。
砂浜にずり上げてガッツポーズです! 釣りあげたのは良いサイズのナンヨウチヌ……体高の高さがたまりません!
一日たっぷり楽しませていただきました!
大きいメッキや特大マングローブジャックは釣れませんでしたが、刻一刻と姿を変えるマングローブ林を存分にエンジョイできました。
数もたくさん釣れましたし大満足です!
西表島のマングローブフィッシング情報
西表島のレンタルカヤックのスタイル
西表島でのカヤックフィッシングは、ガイドさんに同行してもらうスタイルがほとんどです。
まるで迷路のように入り組んだ支流や、潮汐により刻一刻変化する川の流れや水位……そんな環境でも川を知り尽くしたガイドさんが一緒なので安心です。
近況をしっかり把握しているガイドさんにポイントを案内してもらうことで、釣果面でも大きなアドバンテージになりますね。
西表島の釣りポイント
西表島には、島北部を流れる浦内川と南部を流れる仲間川という2つの大きな川があり、カヤックフィッシングは主にこれらの河川で行います。
もっとも流域面積の広い浦内川は、ウラウチフエダイやバラマンディなどといった熱帯性の魚の目撃情報のある夢の川で、釣り人に人気なターポンの魚影も濃い印象を受けました。
仲間川も浦内川同様に40cmを超えるマングローブジャックやナンヨウチヌが狙えます。
浦内川に比べて釣り人が少ないかなと僕は感じましたが……どちらの川も全然釣り人がいないので僅かな差かもしれません(笑)。
もちろん、写真のような中規模な河川でもカヤックフィッシングを楽しめますので、行ってみたい川に合わせてショップを選びましょう。
西表島でのカヤックフィッシングガイド一覧
店舗名 | TEL | 備考 |
ローカルフィッシング西表 | 0980-85-6841 | HPはこちら |
島道楽 | 090-5294-2144 | HPはこちら |
フィッシングサービスMOI | 090-7878-9323 | HPはこちら |
B-TROPICAL | ー | HPはこちら |
マングローブフィッシングにオススメな釣り具
使い慣れたタックルがオススメ!ロッドは短いものが◎
ポイントにめがけて的確にルアーをキャストする必要があるカヤックフィッシングでは、まず第一に使い慣れたタックルが良いです。
強度的にはバスロッドが最適ですが、マングローブジャックやナンヨウチヌといった40cm前後の魚であればトラウトロッドでも大丈夫でしょう。
長さは5ft台がオススメです。長くても6ft前半以内に収めたいところです。
メインラインはPEラインにしましょう
シマノ ピットブル8 1.5号
少し太いと感じるかもしれませんが、メインラインはPEの1.5号が最適です。2号でも良いでしょう。
不意に掛かるGTやオニヒラアジといった大物に対応したり、ストラクチャーに潜られた魚をしっかり取る為にもメインラインは太くしておきましょう。
どうしても根掛かりやマングローブを釣ってしまうことがあるため、回収率を上げる為にもラインは太い方がリズムよく釣りを楽しめます。
リーダーはメインラインに合わせて、長さは短くする。
VARIVAS ナイロン ショックリーダー 5号
リーダーは1.5号ならば20lb、2号なら35lbを目安にすると良いでしょう。
トップウォーターを多用するので、材質はナイロンラインがおすすめです。
リーダーの長さは40cm前後と短くしておくと、キャストが決まりやすくなりますよ。
ルアーはトップ中心にミノーやスピナーも用意しよう
メガバス 水砲 SWING HOT
ルアージャンル問わず、7cm前後のルアーの使用頻度が高くなります。
トップはバス用のポッパーやペンシルベイトが活躍してくれましたが、クロダイ用のポッパーが最適です!
スミス Dコンタクト50
ミノーのオススメは渓流用のシンキングミノーです。Dコンタクトやリュウキがあれば良いでしょう。
スミスAR−Sスピナー
4g前後のスピナーを持っておくと、食い渋りに対応できたりテッポウウオなどの珍しい魚と出会えるかもしれません。
休日や連休のご予約はお早めに
GWやSWなど連休中はアクティビティの予約が取りにくい場合があるので、旅行が決まったら早めに予約を取りましょう。
平日だと前日でも対応してくれるショップもありますので、離島観光でありがちな“明日何しよう現象”に陥ったら試しに電話してみるのも良いでしょう。
皆さんもぜひ、広大なマングローブ林で思いっきり魚釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか?
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017