自然の中で遊ぶなら、避けては通れない蚊やブユといった吸血虫
僕にも嫌いな生き物がいます
どんな生き物にも興味関心を持つタイプの僕ですが、どうにも好きになれない輩がいます。
まぁ好きな人なんて研究者くらいでしょうが……温かい時期に現れる「蚊」や「ブユ」といった吸血虫たちです。
痒いし、集中力を削がれるし、所によってはマラリアのリスクになるし……。百害あって一利なしとも言いたいところです。
ブユに刺されるとこんなに腫れることも……
虫に対する耐性は比較的強い方な僕ですが、体調や免疫状態によっては一発ブユに刺されただけでこれだけ炎症することもあります。
痛いし痒いし、「はぁ~……。。。」って感じですよねw
魚釣りをされる方の多くは経験したことがあると思います。
TSURI HACK編集部より朗報が!
普段僕が取っている虫よけ対策はシンプルで、ディートの高い虫よけ剤をたっぷりと身体に塗りたくっています。
ジワ~っと皮膚が熱くなってくる感覚が防御力アップしている気がして……w精神的な面で安心するんです。
そんな僕流の防虫対策の記事を書いてみようかな。と思ってたところにTSURI HACK編集部から新商品のレビューを頼まれました。
なんでも、置いておくだけで蚊やブユがいなくなるとか……。
これは検証するしかないですね!
サーマセル社アウトドア用ブユ・虫シールド MR300について
持ち運び可能な置き型虫よけ “ブユ・虫シールド MR300”
今回、僕が試した商品はサーマセル社から発売されているブユ・虫シールド MR300です。
野外で使用することを前提に作られているようで、持ち運びやすい大きさや形。
パッと見ただけでは虫よけっぽさは感じられないですね。3枚のシートと1本のカートリッジが付いています。
サーマセル社って?
そもそもサーマセル社って聞きなれない方も多いと思います。
サーマセルという会社は、1999年に設立したアメリカの防虫グッズメーカーで携帯性に特化した商品を多くリリースしています。
日本での販売実績は近年になってからのようで認知度は低いものの、欧米の冒険家からは高い信頼を得ている会社なんです。
電池や火を使わない虫よけグッズ
アウトドア用ブユ・虫シールド MR300は2つの薬品を使用することで蚊やブユを寄せ付けない空間を作り出します。
もちろん、肌に薬剤を付けることもありませんので安心ですよ。
具体的には、ブタンガス(使い捨てライターなどに使用される)を燃焼させることでプラレトリン(ピレスロイドの1つ)を気化させる仕組みです。
ピレスロイドって何?
ピレスロイドとは、簡単にいえばキンチョールの主成分ですね。主に虫などの変温動物に対して即効性の殺虫および忌避効果があります。
僕たち人間のような恒温動物の体内に入ると、速やかに分解され体外に排出されるため安全性の高い薬品とされています。
また、熱や光、空気に触れて速やかに分解されるため、自然界に残留することもありません。
サーマセルMR300を釣りシーンで使ってみました
半信半疑のまま堤防釣りで使ってみました
夏の堤防釣りって蚊はもちろんのこと、意外とイソブヨが多いんですよね。特に夕方はヤバい……。
検証ってことで、まずは無防備な姿で釣りを開始しますw
風も弱いし今日は蚊が出るぞー!
かっ…痒い!!!こんな検証したくないw
「蚊がいなかったら検証にならないじゃん」ってことであえて無防備で始めたブッコミ釣りですが……心配無用だったようです。
足元の露出した部分はもちろん、速乾シャツの上からも容赦なく刺してきます。
足に止まった蚊の姿を写真に収めようと孤軍奮闘してる間に、背中や耳を一発二発と刺されていきます。
全然良い写真が撮れないまま我慢できずにMR300のスイッチを入れることに。
サーマセルMR300起動
サーマセルMR300の有効範囲は1~5 mということですが、あまりにも痒かったので、すぐそばに置いてみましたwお願いだから効いてくれー!
サーマセルMR300を起動し、5分もしないうちに薄っすらと無臭の湯気が出てきます。
するとさっきまで飛び交っていた蚊が嘘のようにいなくなってしまいました。「蚊の時合が過ぎたのかな?」と錯覚するレベルです。
サーマセルMR300を置き去りにボイルを追う
夕マズメにも関わらず、投げ込んだ仕掛けに魚からの反応がありません。
水面でバシャバシャとボイルする魚が気になり、ルアーロッドを持ってナブラを追ってみることに。
しっかりギンガメアジは釣れたのですが……
やっぱ効果あるぞ!サーマセル
足の速いナブラを追いかけるのにMR300を持ち運ぶのが少し億劫だったので、ブッコミ釣りの拠点に置き去りにしました。
すると……しっかり蚊に刺されましたw蚊の時合が過ぎたのではなく、MR300が効果を発揮していたようですね。
身をもって経験しました。
サーマセルMR300の使い方
①加熱部分にピレスロイドマットを挿入
付属されているピレスロイドマットを本体上部に挿入します。
このマットは使い捨てで1枚当たり約4時間使用することができます。
青色が白色に変化したら交換のタイミングです。交換用のマットも販売されています。
②ブタンガスを挿入
本体下部の黒いパーツを取り外し、ブタンガスカートリッジを挿入します。
ねじ込み式になっていますので、右に回わらなくなるまで回しましょう。
再び黒いパーツを閉じればセット完了です。
ブタンガスカートリッジは約12時間使用可能です。
③ONスイッチを入れる
スライド式のON/OFFスイッチをONにスライドさせ10秒間待ちましょう。
小さな音でシュゥーっとガスの出る音がします。
④スタートボタンを3~5回押す
スタートボタンを3~5回押しましょう。ライターに火をつけるような感覚です。
本体上部の燃焼確認用の窓から赤い火が見られればOKです。
しっかり作動してる感が頼もしい
5分も経たないうちにじんわりと湯気がでてきます。説明書では効果が発揮されるまで15分程度と書かれています。
この燃焼が見えるつくりは高く評価できますね!何というか……精神的に信頼できます。
サーマセルMR300のちょっと気になる点
蚊取り線香のような感覚で使える防虫グッズ
実際に使ってみて、蚊取り線香のような感覚だなと思いました。
効果もしっかり感じましたし、火や電池を使わない点において優れた商品です。
あまり移動しない餌釣りやキャンプなどでは使用頻度が高くなりそうですが、2点だけ気になった事があるので正直に書かせていただきますね。
ガスとマットのランニングコストが高い
交換用マットやガスカートリッジは販売されているものの、12時間の使用で約1,600円のコストは些か高く感じますね。
家庭菜園など自宅の庭先でちょっとした作業をする程度の使用なら、長持ちするので良いかもしれません。
まだまだ取り扱い店舗が少ない
今回サーマセルの商品を調べてみて他にも使ってみたりしたい商品があるのですが、日本で取り扱っている店舗がまだまだ少ないようです。
交換カートリッジを購入し辛いのも気になる点です。
MR300の半径2m以内では1発も刺されませんでした
とはいえ、防虫効果は本物で3時間程ブッコミ釣りをしている間は1発も刺されませんでした。
ブユも多く生息する地域でしたが、ブユによる被害も無し。ブユをしっかりガードしてくれるのは頼もしいですね。
お陰様で集中力が持続し最終的にはハマフエフキやゴマフエダイなど釣りあげることができました。
ブユが生息するような浜辺で軽作業をしたりバーベキューなんかを楽しむ際には活躍してくれるでしょう。
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017