シンカーの色と言えば……
“光沢のあるシルバー”が主流だが……
鉛、ブラス、タングステンなど素材の種類はありますが、いずれも金属という事で一般的に使われるシンカーのほとんどは光沢のあるシルバーカラーです。
シンカーといえばシルバーで光るモノ…という先入観で筆者は何の疑いもなくシルバーのオーソドックスなシンカーを使い続けてきたのですが
いつしか自身のメーカー(Cill)でタングステンシンカーを作りはじめるようになり、今までは気にも留めなかった事に気が付き始めたのです。
シルバーの光沢を嫌うバスがいる!?
ある時、タングステンシンカーを使ったフリーリグを見えバスに投入しました。
するとバスは着水にこそ良い反応を見せたもののルアーにある程度近づいたところで何かに嫌がり、ルアーを追いかけるのをやめました。
いわゆる見切られる状態……通常ならルアーローテーションをしそうなものですが、筆者は直感的にルアーではなく新品のキラキラとしたタングステンの強すぎる光沢を嫌っているのでは!?と感じました。
ボックスを物色しているとワームの下敷きになっていた使い古したシンカーを見つけました。すぐさまそのシンカーに変更してルアーを投げると先ほどの嫌がる反応が嘘のようにバスはルアーを追いかけていきました。
最後の最後に見切られたのでそのバスを釣ることは出来ませんでしたが、その一件でシンカーの存在について大きなヒントを得ました。
表面が錆びたシンカーが良い?

使い古したシンカーはなぜ警戒されなかったのか。使い古したシンカーはよくみると表面がくすんでいるのが見て取れます。
筆者の釣具の管理はかかなり乱雑。一度出したワームと一緒に保管することも多いのですが、その際塩入りのワームが隣接することもあり、その塩分などで所謂錆びた状態になっています。
新品のシンカーと比較すると一目瞭然。錆びたシンカーは新品のシンカーよりも光の反射はかなり抑え気味になっています。それゆえバスに違和感を与えにくくなっていたのでしょう。
マジックで黒く塗りつぶしてみた

シンカーの光沢を嫌う…それならば…とシンカーをマジックで塗りつぶして見ました。通常のシンカーを黒で適当に塗りつぶしただけのチューンとも言えない簡単な一手間。
それだけですが予想通り魚から良い反応を得ることができました。特に光量が明るいところ、シャローエリアでは大きな差を実感できました。
普通のシルバーカラーのシンカーでは食わないバスが、黒く塗りつぶしたシンカーの仕掛けには捕食するというケースが珍しくないということがわかったのです。
先人は偉大かな

光沢の有無で魚の反応が変わる……というのは気づいている人は昔から気づいていたようで、各社からカラー付きシンカーが発売されています。
塗装する分、値段は上がりますが焼き付塗装で塗装が強いモデルが多いため、最初からこのカラーシンカーを選ぶことで、自ら色を塗らずともカラーシンカーを使うことができます。

カラーシンカーの主流はマット系の塗装。マットブラックやマットグリーンのカラーラインナップが多いです。
共通しているのは金属の光沢を可能な限り抑えているということですね。
通常のシンカーとカラーシンカーを比べてみた

カラーシンカーと通常のシンカーを明るいところで並べてみました。
通常のシンカーはもちろん反射しますが、カラーシンカーも実はある程度反射をしていることがわかります。
ただシルバーカラーのシンカーは面で全体的強く反射しているのに対して、カラーシンカーは反射の強さは抑えられた上で線状に自然反射しています。
離れてみると余計に感じる存在感の違い

自分が魚だとして、やはりシルバーのシンカーは見つけやすいのではないでしょうか。特に遠い位置から見た時はシンカー全体が反射するのでよく目立ちます。
カラーシンカーはシンカーに歯型が入りやすい

カラーシンカーはシンカー部分を狙って捕食することも少なくないです。強すぎない線の反射は違和感どころか、プラスに働いている可能性も。写真のシンカーもバスの歯型がハッキリと刻まれています。
自然な反射はバイトマーカーになると筆者は考えています。
シビアな時には釣果が圧倒的に伸びる実感がある

春先などのシビアな状況において、マットカラーのシンカーを使うことで釣果が伸びている実感があります。統計をとったわけではありませんが、トーナメントに参戦する友人や、プロガイドの知人も同じように感じる人も多いです。
筆者としては基本的にはマットカラーのシンカーをメインに使うことをオススメします。マイナスに働くことは少ないでしょう。
光沢のあるシルバーのシンカーが好まれる時

マッドが良い時もあれば、フラッシングがプラスに働く時も存在します。
パンチング。いわゆるヘビーカバーを撃ち抜く釣りにおいて、光沢のあるシルバーカラーを好んで使うアングラーが一定数います。
通常のタングステンシンカーを磨いてさらに光沢を出す人も居ます。これは光量の少ないカバーの中で目立たせるためと言います。
また1オンス超えのリアクションの釣りではシルバーの反射でリアクション要素をさらに追求するという考えもあります。
筆者もローライトコンディション下×ヘビーリアクションの釣りにおいてはシルバーの方が口を使うと思う時もあり、そんな時はシルバーのシンカーを使用しています。
もちろん上記の考え方とは反対に、パンチングなどのヘビーカバーや夜においてもカラー付きシンカーの方が釣果が出るというアングラーも一定数いますので、その辺りは実際に試して自分なりの答えを見つけるしかないのかもしれないですね。
ロックフィッシュなどではピカピカのタングステンシンカーが好まれる

海のロックフィッシュなどはタングステンの光沢で魚が寄ってくると言われています。
広い海の中でシンカーの反射はロックフィッシュがルアーを見つけるためにとても重要な働きをしているのかもしれません
▼フラッシングの効果について解説しています
小さな事でも意識すると釣果は伸びるかも!?

シンカーのカラー。とても些細な事ですが時にそれが大きな釣果の差を生む可能性も低くありません。シルバーの通常のシンカーが良い時もあれば、カラー付きの反射を抑えたシンカーが良い時も。
それぞれの特性や得意不得意な場面を確認して、より適材適所のシンカーチョイスが出来ると、あなたの釣りの完成度がより高まることでしょう。
以下、色付きシンカーをまとめてみました。
チル タングステン フリーリグシンカー 3.5g ブラック W183
ジャッカル JKタングステンカスタムシンカーバレット COLOR 5.0g
カンジインターナショナル 【 Bullet Sinker Black / バレットシンカー ブラック 】1/2oz オンス
ZAPPU ヘビーショット 1oz(28.0g)
ZAPPU ヘビーショット 1oz(28.0g)
ライタープロフィール
Always had high hopes.
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.2019:5100g
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
ビックリマン高田
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。
国内での釣行はバスフィッシングがメイン。関東在住ながら琵琶湖のモンスターバスフィッシングが得意分野です。