玄界灘の釣況をレポート
平年よりも11日遅い7月30日に梅雨明けとなった北部九州ですが、梅雨が明けた8月からは好天が続き、出船機会にも恵まれました。
そんな2020年の真夏の釣況を遊漁船「エル・クルーズ」の船長である筆者がレポートします。
水温が平年よりかなり高い
福岡近海域では平年より風が弱く、日射量が多かったことから平年よりかなり水温が高くなりました。
気象庁のデータでは、2020年8月の福岡近海域の海面水温は8月26日時点で29.62度と、ここ数年では異常なほど高い数値となっております。
これは、2019年の同時点と比較すると約2.5度、過去5年の平均値と比べても約3度高い数値です。
肝心の釣果は?
では肝心の釣果ですが、私自身が普段案内しているジャンルをメインにレポートしていきます。
タチウオ
博多湾の夏の風物詩であるタチウオは8月に入ってからも安定の釣果でした。水温が急上昇したお盆あたりはガクッと釣果は落ちてしまいましたが、8月も終盤(8月27日現在)に差し掛かったここにきて盛り返しをみせています。
この調子なら9月に入っても狙うことは十分に可能だと思います。
ジギング
ジギングもタチウオ同様にお盆周辺の釣果は厳しかったですが、全体的にはヒラマサをメインにヤズやネリゴを交えながらボチボチ釣れてくれて楽しむことができました。
ネリゴは夏~秋限定のターゲットですが、ヒラマサと並ぶジギングで釣れて嬉しい魚種です。秋が近づくにつれてサイズも少し上がってきますよ。
キャスティング
当船ではメインで行うことはないですが、7月下旬~8月上旬はかなり調子が良かったです。ただ、ここ最近は水温の影響で渋くなっているので、朝マズメや夕マズメでタイミングを絞って狙う方が吉だと思います。
水温が下がってくればまた調子は戻ってくると思いますので、タックルをお持ちの方は準備するようにしておきましょう。
SLJ
簡単に何でも釣れるというイメージのあるSLJですが、実際は意外と苦戦します。
特にベイトサイズが大きい夏はジグがベイトに紛れてしまうので、とくに青物狙いなんかは普通に100g以上のロングジグをシャクっていた方が釣れます(笑)
とはいえ、要所要所でTPOに合わせていけば、マダイや根魚などのお土産的な魚種を狙って楽しむことができますよ。
今後の展望
それでは現在の状況を踏まえて、今後の展望を解説していきます。
9月は台風シーズン、出船率は低し
これを言ってしまえば元も子もないのですが、9月に入ると台風シーズンとなるので出船率は激減します。去年は熱帯低気圧が九州付近で停滞していたので散々でした(笑)
自然の摂理で言えば必要な台風ですが、ここ数年は大きな被害をもたらすことも少なくないので十分に対策をして、決して無理をせず安全に釣りを楽しみましょう!
水温が下がれば好釣期到来
例年でいえば、海水温は8月中旬~末をピークに、9月に入ってから徐々に低下していきます。
今年はかなり水温が高いので予想しにくいですが、水温が下がってくれば魚の活性も一気に上がり、ジギング・キャスティング・タイラバ・SLJと、様々な釣りが好釣期に。
それまでは日ムラもあったりと、決して絶好期とは言えないですが、いろいろな魚種が狙える時期でもありますので、晩夏~初秋の釣りを楽しんでいただきたいと思います!
筆者の紹介
岩室拓弥
釣具店・釣具メーカー勤務を経て、現在は福岡市東区箱崎港から出船している遊漁船「エル・クルーズ」の船長。
職業柄オフショアがメインとなっているが、元々は陸っぱりがメインでメバリング・エギングなど様々な釣りの経験も豊富なマルチアングラー。