渓流魚に対する「ルアーカラー」について
ルアーのカラーについて
ルアーってさまざまなカラーが販売されていますよね。
それだけ、ルアーのカラーリングは魚釣りをする(楽しむ)上で重要な要素になっている訳です。
特にシーバスや管理釣り場のニジマスで、ルアーカラーの重要性を痛感した経験を持つアングラーは多いことでしょう。
今回のお題は渓魚に対するルアーのカラー問題
いただきました『渓流ルアーのカラー問題』。いやぁ超難題ですよ。
「バリバリ主観で書いてください!」ってTSURI HACK編集部よりお願いされたのですが。
僕の主観で渓魚のカラーについて語ってしまったら、あまりにつまらないとクレームがくることでしょう。
でも、遠慮なく一言でいわせていただきます!
僕のつまらない持論……というか暴論
本来のイワナ・ヤマメ・アマゴに対して「ルアーのカラーなんて関係ない!」。これが僕の持論です。強いていえば目立つためにキラキラ光った方が良いとは思います。
渓流や源流といった極めて狭い環境の中で、渓魚は常に飢えていますし、命をかけて同種の相手と競っています。
口に入る大きさの物体が川の中を動けば我先にと飛び出して捕食する。ライバルが捕食行動を始めたら自分も参加する。
それが本当の渓魚の姿だと思っています。
試しにロッドを置いて沢をのぼると
カゲロウが飛び交っている夕時は、水面を割って餌を空中キャッチするヤマメを観察できます。
源流ではイワナがイワナを咥えている姿に衝撃を受けることでしょう。
小型サンショウウオを取り合う2匹のイワナ、必死に逃げるカジカガエル。
水溜まりのように見える小さな空間でも、生き物たちにとっては激戦区。いちいち今食べようとしてるものが何か考えてる余裕はきっとないんです。
理想とは裏腹に、カラーローテーションにより釣果に差が出ることも
そんな渓流で魚釣りを楽しもうとすると…
最初の1投目や2投目は、何を投げても渓魚は必死にルアーを追いかけてくるでしょう。
15cmのイワナに7cmのルアーを投げても一生懸命に食いついてきます。
ところが、3投目4投目と同じルアーを投げ続けると一気にルアーへの反応が落ちてきます。
ここで次のポイントへ釣り上がるのが僕が好きなスタイルの渓流釣りですが、中には1投目から苦戦を強いられる渓流も沢山あります。
難しい川でも結果を出すためにルアーのカラーが重要になることも
釣り人が頻繁に訪れるポイントでは、渓魚達は人やルアーに対し異常な警戒心を持っています。
養殖魚の成魚放流が盛んに行われている川では、野生の感を取り戻すまでの間、渓魚らしからぬ行動をしたりもします。
このような川では、僕のようにバカの一つ覚えでルアー1個や2個で釣りをしていると全く釣れず、さまざまなルアーをローテーションしながらパターンを探す相方はポツポツ拾い釣りができている。なんて状況に陥ります。
楽しい釣行にするために渓流ルアーのカラーについて考えてみよう
渓流釣りって、なにも沢山釣って満足するだけじゃないと思うんです。
スレてる沢でも景色や空気が綺麗だったり、唯一釣れた1匹に感動したり。
そんな沢山の楽しみ方のある渓流釣りに、ルアーのカラーを考えながら釣る楽しみがあっても良いなって思うんです。
前置きが長くなってスミマセン(もう中盤ですが……)
記事後半では、僕なりに考える渓流でのルアーカラーの選択方法をご紹介します。
こればっかりは、その場その時の状況に左右されることですので、うっすら頭の片隅にでも置いていただければ幸いです。
魚の状態から考える渓流用ルアーカラーの選び方
里川や有名渓流などスレた場所では、基本4色を揃えたい
魚がスレてしまっていたら、今どんな気持ちでいるか魚に聞いてみる他ありません。
そんなの「魚は喋れんのにどないして聞くん?」って突っ込まれますが、僕たちはアングラーはルアーを投げることで魚と会話しようと試みる訳です。
つまり、カラーローテーションですね。効果的なカラーは状況によって刻一刻と変化します。
渓流釣りでは、この4つのカラーを目安に揃えておくと良いでしょう。
■渓流ルアーの基本カラー
- ●ゴールド系(黒金・赤金・チャート金)
- ●シルバー系(黒銀・チャート銀)
- ●チャート系(グリーン・イエロー・ピンク)
- ●マット系(ツヤ消しブラック、パールなど光らない黒・茶・白系)
狭い場所では光って目立つ色
源流域や藪沢など、1つ1つのポイントが狭い場所では、ルアーが泳ぐ短い距離の間でも、魚が確実にルアーをロックオンしてミスなく的確に食いついてくれるよう、目立つ色が良いでしょう。
目立つ色というとチャートカラーを思い浮かべますが、恐らく一番魚達が目を引くのはフラッシング(光)だと僕は感じています。
もちろん、チャートベースのルアーでも良いのですが、ボディーの一部だけでも光ってくれるカラーを選ぶと良いでしょう。
魚種による色の嗜好性
これはもうなんの根拠もない僕の主観ですが、魚種によって色の見え方が違ってるかもなって感じる時があります。
個人的な意見として(強いていうなら……)、魚種別に効果的なカラーを上げると以下のようになります。
■魚種別効果的なカラー
- ●イワナ:何でも良い。カラーよりも1投目に投げる位置が重要。
- ●ヤマメ・アマゴ:ヤマメカラー
- ●ニジマス :色を見分ける力に長けている。カラーローテーションをすることで口を使うことがある。
- ●ブラウントラウト:ゴールド系
- ●ブルックトラウト:ゴールド系
自然環境によって変わる渓流用ルアーの有効カラー
照度や濁度によってカラーを変えてみよう
照度は天気や時間帯によって左右されますし、濁度は水質や雨量によって変化します。
個人的には、朝夕や曇天など照度の低い時や濁度の高い時はゴールド系やチャート系が良く、昼間や透明度の高い時はシルバー系やマット系が効果的かなと感じています。
川底の色を意識してカラーを考える
渓流よりもバス釣りをしていて良く感じることですが、基本的には水底の色に同調するカラーの方が警戒心を与えにくいと考えています。
ですので、渓魚の活性が低いなと感じるときは川底の色に近い色、例えば暗い川底なら金系や黒系、明るい川底なら銀系やパール系を選んでみてください。
餌や同種魚にルアーの色やデザインを合わせる
言わずもがなマッチ・ザ・ベイトと言うことですね。
いつも効果を発揮していそうだなと感じるのは、同種魚と合わせる選び方です。
つまり、パーマークがデザインされている通称ヤマメカラーと呼ばれるものですね。
餌の乏しい環境では、容易に共食いをしますし、餌を取りやすい位置や繁殖場所を巡って縄張り争いのような行動をしたりもします。
ちなみに、イワナの稚魚にもヤマメのようなパーマークがあるので、イワナ狙いでもヤマメカラーは効果的です。
アングラーにとって有利な渓流用ルアーの色
僕が最もオススメするカラーはチャートバック
魚の活性の高い低い以前の問題として、ルアーがどこにあるか常に視認できた方が釣果はUPするという考え方です。
ヘッドや背中が蛍光色のルアーを使うことで、キャストから回収まで目でルアーを追い続けることができ、キャスト精度向上、ルアーロスト率軽減、チェイス時の対応によるバイト増加が期待できます。
スミス D-コンパクト38 チャートバックヤマメ
自重:2.5g
タイプ:ヘビーシンキング
カラー:チャートバックヤマメ
自分が信じられなくなった時のためのマット系カラー
特に管理釣り場からトラウトの世界に入った方には必要なカラーかと思います。これはハッキリいって精神論です。
ルアーフィッシングは、メンタル面に釣果が左右されることが度々あります。特にお客様を連れて魚釣りのガイドをしている時に感じます。
的確にこのルアーに実績があるとお伝えすると、ルアーに対する疑念が払拭されお客様の集中力が増します。
するとキャスト精度が上がったり、ルアーアクションにムラが無くなったりして釣果に繋がるんですね。
魚釣りをしている時の自分の精神状態を客観的に見ると案外面白いものですよ。
僕は釣らないといけないプレッシャーがかかる場面になると、一歩引いて自分の精神状態を把握するようにしています。
感情は表に出しても良いですが、内側では常に冷静沈着でいるとが大切なんですね。
取り合えず、ダーク系に限らず、釣具屋で真っ先に欲しいなって思ったカラーは買っておいた方が良いでしょう。
DUO スピアヘッドリュウキ 50S マットブラックバックRB
自重:4.5g
タイプ:ヘビーシンキング
カラー:マットブラックバックRB
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017