手軽に干物作りを楽しみましょう!
魚がたくさん釣れると、ついつい干物にしてしまうTSURI HACKライターの小林です。
釣りをしているとアジやサバ、カマスなど、運良く大漁に恵まれることがあります。そんなときは干物にしておくととっても便利です。
なぜ干物にするの?
「わざわざ干物にする必要があるのか?」と思われる方も多いかもしれません。なぜなら僕自身がそうだったからです(笑)
しかし、一度干物を作ってみたら納得。味もこんなに違うんだと身を持って感じました。まずはボクが干物にハマった理由をお伝えしていきましょう。
おすすめポイント①:旨味が凝縮する
干物は旨味が凝縮するため、その魚の一番良い旨味を感じることができます。魚は釣ってすぐだと水分を多く含んでいるため、その時点では旨味が凝縮されていません。
干物にする過程で水分を意図的に飛ばしてやることで、旨味だけを残すことが可能なのです。
なので、サバの干物であればサバ本来の旨味、タイの干物ならタイの本来の旨味を存分に感じることができます。
おすすめポイント②:保存がきく
2つ目は保存期間の観点からです。カマスなど、運良く大漁に恵まれたら必ず干物にして冷凍。小出しに消費していきます。
魚に限らず、腐敗の進行を早まらせる大きな原因のひとつは水分です。干物はその水分を限りなく飛ばすことで完成するため、なにもしないよりも腐敗しにくくなります。
おすすめポイント③:カンタンに作れる
その工程は下で詳しく説明していきますが、魚を開いて塩水につけて、後は干すだけ。
たったそれだけの工程で、旨味が凝縮された保存食が出来上がる……干物はもうメリットしかありません。
それでは干物の作り方をご紹介していきます!
干物の作り方【干し網編】
先ずはお手頃な魚を用意しましょう。アジ、サバ、カマスが定番ですが、お手頃なサイズの魚ならなんでも干物にできると思っていいでしょう。
その時釣れた魚、頂いた魚で試してみるのもいいですね。今回は小型の真鯛と、良型のサバを干物にしていきたいと思います。
▼魚を捌く際に必要なアイテムを紹介している記事です。
手順①:ウロコ・内蔵を綺麗に取る
ウロコのある魚であれば、最初にウロコを取っていきましょう。ウロコ取りがあると便利なため、持っておくと良いです。
ウロコが取れたらお腹を開いて内臓も処理しましょう。(サバはウロコがないので、内臓だけを取っていきます。また少しサイズが大きかったため、頭を落としました)
この時、出来る限り血合いなどが残らないようにキレイにしておくのがコツ。
手順②:開く
三枚おろしのように「身を残さないように……」とシビアになる必要はありません。写真のように、骨に沿わせるように開きます。
真鯛は尾頭付きなので、頭も半分に割ります。こうしたほうが見た目も美味しそうなんです。
手順③:塩水に漬け込む
干物作りにおいて塩による味付けは重要な工程です。10〜15%くらいの塩水に付けるか、直接魚の表・裏にふり塩をします。
塩分の量や濃度は魚の、大きさ・身質・身の厚さ・脂の刺し具合によって変わり、大きいものほど濃度を高くし、漬け込む時間を長くしましょう。

僕は隠し味として少しだけみりんを入れます。みりんの甘さが、塩辛さをほどよく和らげてくれますよ。
手順④:干し網で干す
塩水に漬け込み終わったら、いよいよ干す作業です。干す前にしっかりと水分を拭いておきましょう。
乾燥した季節であれば、そこまでシビアに水分を取っておく必要はありません。※湿気が多い季節だと腐る場合もあります。注意しましょう。
干す場所は直射日光が当たらず風通しのいい場所が適しています。
日が当たりすぎて身の温度が上がりすぎたり、風が無く乾燥に時間がかかると干物が痛む事もあるため、その場合は日陰になる場所に干して扇風機等で風を送るのも有効です。
手順⑤:完成!
干すこと数時間。完成です!
ちょっと見た目が悪くなってしまいました……というのもコレを干した時のタイミングがまさに「湿気が多く暑い季節」にあたってしまいまして。
室内で干し網に扇風機をあてるなどして、乾燥するような環境を作り、なんとか完成させることができました。
焼いてしまえばこの通り。美味そうなサバの干物です。
干物の作り方【冷蔵庫編】
天気が優れない、暑いし湿気が多い……そんな時には冷蔵庫を使って干物を作ることも可能です。干し網を持っていなくても大丈夫ですね。
水気を取った魚をお皿に乗せ、冷蔵庫に入れるだけです。後は様子を見て裏返したり、お皿の水気を取ってあげましょう。
味も見た目も遜色ない!
数時間冷蔵庫で干したら完成です。
冷蔵庫内の環境によって干す時間は長くなります。やっぱり外で干し網で干すよりも、時間はどうしてもかかる印象ですね。
グリルでこんがりと焼けば……どうです? 美味しそうじゃありませんか? 旨味もしっかりと凝縮していますし、程よい“ホクホク感”もあります。
また隠し味のみりんも相まって、これがなんとも言えない美味しさなのです。
自分で作る楽しさを是非!
ということで今回は干物の作り方をご紹介してみました。
いくつかポイントはあるものの、非常に簡単に出来て美味しく保存もききます。魚釣りをする人は、ぜひ覚えておきたい技のひとつですね。
また、様々な釣れた魚を干物にすることで、魚の美味しさの違いを楽しむこともできますよ。
ライタープロフィール
小林大介
愛知県出身徳島県在住。映像クリエイター、フォトグラファーとして地方の限界集落で活動中。山の猟師でもあり、デジタルとアナログの両極端な生活を楽しんでいます。
海、川、ルアー、エサ釣りと限らず、楽しく美味しい釣りはなんでもトライするのが信条です。