タコテンヤとは?
タコテンヤとは、木やプラスチックの板にハリとオモリが取り付けられた、タコを釣るための漁具です。
板の部分にエサをくくりつけ、海底を引きずってタコを誘う釣り方が古くから親しまれています。
本記事では、元釣具屋の筆者が堤防&船からのタコテンヤを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください!
元釣具屋が厳選!おすすめのタコテンヤ
筆者のおすすめ&タコ釣り師に人気のタコテンヤを紹介します。
タコ掛け投げ用 カニ付き(ヤマリア)
定番の堤防用タコテンヤです。カニワーム付きでエサが不要。
ワームが小型なので新子シーズンにもマッチします。
ラバだま キャスト(ハヤブサ)
アピールを強くするための玉とスカートが付いた堤防用タコテンヤです。アピール力が抜群で、エサなしでも使えます。
喰いが渋い場合は玉を外して、ワームやエサに乗せ替えましょう。
デビルテンヤ ミニ (ワンナック)
実績の高いワーム(デビルクロー)が付いており、掛かりが抜群の4本フックを搭載した堤防・船兼用のテンヤです。
オモリが30号なので、堤防で使用する場合は硬めでパワーのあるタックルを使いましょう。
船の場合は、30号のオモリが使える遊漁船かプレジャーポートで使用できます。
タコ墨族 職人タコテンヤ(ハリミツ )
タコ釣りの本場である明石(兵庫県)で人気の船タコテンヤです。
障害物に当たってもラインに傷が入りにくく設計されていることが特徴。
エサ刺しピンが付いており、エサを付けやすいことも好評です。
楽々タコテンヤ(オーナー)
感度が高く、底で転ばないことが特徴のテンヤ。10〜50号までラインナップされているので、堤防でも船でも使えます。
スリットがたくさん入っていてフックに糸を掛けられるのでエサを固定しやすく、広い角度の鋭いフックでがっちりとタコを掛けられます。
タコテンヤのエサ
好奇心旺盛なタコはさまざまなエサで釣れますが、その中でもタコテンヤで特に実績の高いエサを紹介します。
脂身
豚などの脂身はタコに効果抜群で昔からよく使われています。
「タコの好物の二枚貝の中が白い」や「白色が目立ってアピールが高い」など理由はいろいろありますが、とにかくよく釣れます。
取り付けた後は脂で手が滑るため、しっかり手を洗っておきましょう。
カニ
カニはタコの大好物。自然界でも主食になっているエサです。
爪や足が付いていた方がアピール力は高いのですが、とれていても問題なく釣れます。
背向き、腹向きのどちら側でテンヤに付けても釣れますが、腹側を上にした方が色が白いのでアピール力が高くなります。
アジ
魚類なら何でも釣れますが、アジが比較的丈夫で手に入りやすいのでおすすめです。
サビキ釣りなどで現地調達すれば新鮮で喰いつきもGOOD。
テンヤから大きくはみ出るほどの大きさになると、ノリが悪くなるので注意しましょう。
エサの巻き方
魚系のエサの場合は、頭と尻尾側を固定して止めます。
豚の脂身やカニの巻き方は自由ですが、ずれないように固定し、タコが掛かりやすくなるように鈎からできるだけ離して取り付けます。
固定にはタコ糸やワイヤーを使いますが、タコ糸が警戒されにくいのでおすすめ。タコ糸の両端には輪ゴムを括り付けておくと、固定力が上がりますよ。
タコテンヤのタックル
タコテンヤを扱うタックルを、堤防と船に分けて紹介します。
堤防
堤防では15号程度(60g弱)の軽めのテンヤを使うことが多くなります。
扱いやすさを重視する場合はスピニングを、巻き上げ力を重視する場合はベイトタックルを選びましょう。
▼ スピニングタックル
タコ専用ロッド(オクトパッシング)や硬めのエギングロッド、ショアジギングロッド、投げ竿などが使えます。
リールには3000番〜4000番程度のスピニングリールを選び、PEラインは2〜3号程度を100m以上巻いて、リーダーは8号前後を1mほど接続しておきましょう。
▼ ベイトタックル
タコエギ用やタコジグ用のロッド、硬めの船竿、硬めのバスロッド、雷魚ロッドなどが使えます。
遠投する場合は2m以上の長めのロッドを、堤防の基礎などの近いポイントを狙う場合は1.5m程度の短いロッドを選びましょう。
キャスティング性能がよいベイトリールにPEラインの3号前後を100mほど巻き、8号前後のリーダーを1m接続しておきます。
船
ロッドは長さ1.6〜1.8m程度、オモリ負荷50号前後の船タコ専用ロッドを選びましょう。
専用ロッドがない場合は、50号以上の硬めで、7:3調子や8:2調子の先調子の船竿も代用可能です。
リールは巻き上げ力の強いベイトタイプのジギングリールや両軸リールを用い、PEラインの2〜3号を150m以上巻いて、8号程度のリーダーを1mほど結束します。
タコテンヤの釣り方
ここからはタコテンヤの基本的な釣り方を紹介します。
堤防も船も釣り方の基本は同じなので、ぜひ参考にしてください。
投入
堤防の場合は投げ、船の場合は真下に落としてまずは底を取りましょう。
キャストする際は、力づくでで投げるとタカ切れが起こりやすいので、ロッドにテンヤの重みを乗せてゆっくり前に振り抜くようにしましょう。
タコテンヤは重たいので下手投げでも十分に飛びます。
誘い
タコテンヤの誘いはとても簡単。ゆっくり底を引きずってくるだけで十分な誘いになります。
竿先を上方向か横方向にさびき、竿を元の位置に戻しながら糸フケを巻き取りましょう。
時々、竿先をチョンチョンと小刻みに動かしてアピールをするのも効果的です。
アワセ
タコが抱くと誘っている時にテンヤが動かなくなります。感覚的には根掛かりに近い感じです。
少し糸を張って竿先で聞いてみると、タコがゆっくり動いている様子が確認できるはず。
タコだと分かったら糸フケをとって大きな幅でアワセましょう。鈎に掛かったら、あとは一定のスピードでリールを巻いて回収するだけです。
タコテンヤでたくさん釣るコツ
タコテンヤで釣る時に筆者が意識しているコツを紹介します。
ぜひ、参考にしてたくさん釣ってください!
底から離さない
タコは海底を歩きながら移動しているので底以外で釣れることはありません。
そのため、テンヤをしっかりと海底につけた状態をキープするようにしましょう。
潮流が速い場合は重ためのテンヤを選び、底から離れないようにしてください。
アクションに変化をつける
適当に海底を引きずるだけでなく、アクションに変化をつけてタコにアピールするのも効果的です。
ゆっくり巻くだけの誘いでも十分ですが、巻いている時にしっかり止める動作を入れ、喰わせの間を作るとタコが抱きやすくなります。
また、海底の地形に変化があるような場所では、テンヤの移動距離を抑えて竿先で小刻みにアクションを入れると、障害物の隙間からタコを誘い出すこともできます。
集寄でアピール力アップ
テンヤの上に集寄と呼ばれる飾りのようなアイテムを装着することで、アピール力がアップします。
遊漁船では同船者よりも自分の仕掛けを目立たせることが重要なため、必須とも言えるアイテムです。
ただし、大きくて水の抵抗を強く受けるものは感度が悪くなり、アタリがボケるので注意しましょう。
タコテンヤのQ&A
筆者が釣具店に勤務していた頃によく受けた、タコテンヤに関する質問とその回答を紹介します。
テンヤでよく釣れるのはいつ?
テンヤでよく釣れるのは、タコエギなどと同様に夏ごろです。
夏は活性が高い新子のタコが多いので数が釣れます。
また、テンヤはエサを使用するため、喰いが渋い冬の時期にも効果的です。
重さは何号を選べばいいの?
船釣りの場合は遊漁船指定の号数を選びましょう。おまつりを避けるために、乗船者の号数を揃える船が増えてきています。
堤防の場合は、潮流に流されない程度の重たさを選んでください。一般的には10〜15号を使うことが多く、潮流が速い場所ではさらに重たいものを選びましょう。
エサとワームはどっちが釣れる?
エサの方がタコがテンヤを抱いている時間が長くなり、タコのアタリに気付きやすくなるのでビギナーの方にはエサがおすすめです。
しかし、ワームの方が発色や形状によってアピール力が高くなり、触っている時間は短いながら、アタリ自体は増えることも。そのため、慣れている方はエサに釣り勝つこともあります。
タコエギとの使い分けは?
タコテンヤは流されにくい形状をしているため、潮流が速い場合はタコエギよりも安定してタコが抱きやすい状況を作ってくれます。
また、エサがタコの嗅覚や味覚も刺激するため、警戒心が高い大型や喰い渋る個体に有効です。
しかし、タコエギと比較すると鈎が大きくて小さいタコは掛かりにくいため、数釣りには向いておらず、新子が多い時期はタコエギの方が有利になります。
タコテンヤでタコ釣りを楽しもう!
タコテンヤはエサを使うため、どんな時でもタコが反応しやすく、細かいアクションも必要ないのでビギナーの方でも楽しめる釣り方です。
近年はエサが不要なタコエギが手軽で流行っていますが、タコテンヤが有効な状況も多々あります。
とくに大型狙いや食い渋りに効果抜群ですので、ぜひタコテンヤの威力を体感してみてください!
筆者の紹介
tsuki
関西出身の元釣具屋。釣具店時代の知識を活かして皆様の役に立つ情報を発信していきます♪
釣りはいろんなジャンルをしていますが、その中でも好きな釣りはタナゴ釣り。