今さら聞けない!?リールの「ギア比」についての基礎知識をリールマニアが解説

2020/06/16 更新

リールを買う際に必ずと言っていいほど悩む、ギア比。近年のスピニングリール・ベイトリールとも、ローギア・ハイギア・エクストラハイギアといった異なるギア比がラインナップされています。そんなギア比の基礎知識を解説します。


アイキャッチ画像撮影:TSURI HACK編集部

ギア比に悩む問題

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現在のスピニングリールとベイトリールの多くは、同一機種内で異なるギア比のモデルがラインナップされています。

一昔前に比べて多様な選択ができるようになった一方で、「どれを選べばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、リールマニアがギア比についての基礎知識を詳しく解説します!

現在はハイギアが主流

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特定の釣種に限らずに見た場合、現在はスピニング・ベイトともにハイギアが主流となっています。

とくにルアー釣りはその傾向が顕著で、ハイギアのリールが圧倒的に人気です。

そもそも、ギア比とは?

スピニングリールにおけるギア比

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スピニングリールにおけるギア比は、「ハンドル1回転あたりにローターが何回転するか」というものを表した数値です。つまり、ギア比5ならばハンドルを1回転させればローターが5回転します。

このギア比が大きなものがハイギアと呼ばれ、ローターの回転数が多いため、ハンドルを1回転させた時の巻き取り長が大きくなるのです。

メーカーや機種ごとに微妙な差はありますが、ギア比5未満のものがローギア(パワーギア)、5〜5.7のものがノーマルギア、5.8〜6.1のものがハイギア、6.2以上のものがエクストラハイギアと呼ばれています。

ざっくりと考える場合は、ギア比5.8未満をローギア、それ以上をハイギアと思えばいいでしょう。

ベイトリールにおけるギア比

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ベイトリールにおけるギア比は、「ハンドル1回転あたりにスプールが何回転するか」というものを表した数値です。つまり、ギア比7ならばハンドルを1回転させればスプールが7回転します。

スピニングリールと同じく、ギア比が大きなものがハイギアと呼ばれ、ハンドルを1回転させた時の巻き取り長が大きくなるのです。

一般的には、ギア比5前後がローギア(パワーギア)、6前後がノーマルギア、7前後がハイギア、8前後がエクストラハイギアと呼ばれています。

ざっくりと考える場合は、ギア比7未満をローギア、それ以上をハイギアと思えばいいでしょう。


ハイギアのメリット・デメリット

メリット

▼ 手返しが早い

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巻き取り長が大きいのでルアー(仕掛け)の回収時間が短く、効率的に釣りをすることができて手数(キャスト数)が増えます。

そのため、ピンスポットをどんどん撃っていく釣りや、テンポよく探っていくラン&ガン、深い場所での船釣りなどに好相性です。

▼ 巻き感度が高い

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ハイギアリールの短所として「巻き上げ力が低い」ことが挙げられますが、これは「感度が高い」と言い換えられます。

巻き上げ力が低いがゆえに、水中の小さな抵抗をリールの回転から感じ取れるのです。

具体的には、潮流が速いところでは巻きが重くなり、遅いところでは巻きが軽くなるなどの変化があり、水中からの情報量が増えます。

▼ルアーを速く巻ける

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巻き取り量が多い分、ルアーを楽に速く巻くことができます。ローギアと違って少ないハンドルの回転で速く巻けるため、手元や竿先が安定するのもメリットです。

流れの上流(アップストリーム)にキャストすることが多い渓流、速い動きに反応が良い青物、ジグに初速を与える必要があるジギングなどでとくにアドバンテージになります。

▼ 糸フケの処理が早い

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糸フケを素早く巻き取れると、風の影響を軽減できる、ルアーの泳ぎだしが早くなる、フッキングが決まるといったメリットがあります。

ラインが風を受けると、仕掛けの沈みが悪くなったり、ルアーの姿勢が崩れたり、アタリを取れなかったりするので、とくに風が強い日は絶大なアドバンテージです。

また、着水したルアーをすぐに動かせるため、流れが強いフィールドや風が強い状況でも着水後すぐに魚を誘えます。

さらに、瞬間的に糸フケを回収して鈎先に大きな負荷を掛けられるため、巻き合わせが効きやすくなるのです。

▼ 鈎ハズレが少ない

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ファイト中にラインテンションが抜けにくいため、鈎ハズレによるバラシを防ぐことができます。

魚が飛んだり、手前に向かって泳いだりしたタイミングでテンションが抜けることが多いので、ジャンプする魚や遊泳力が強い魚、流れが強いフィールドで大きなアドバンテージです。

デメリット

▼ 回転が重い

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ハンドル1回転でのローター・スプールの回転数が多いため、ローギアよりもハンドルの回転が重くなります。

ハンドルを長いものに交換することで巻き重りを解消できますが、感度が低くなり、ギアへの負担も大きくなることがデメリットです。

▼ 巻き上げ力が弱い

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巻き取り量に対してハンドルの回転数が少ないため、巻き上げ力はローギアに劣ります。そのため、引き抵抗の大きなルアーを巻いたり、大型魚とファイトしたりすると、釣り人への負担が大きくなるのです。

ロングハンドルや大型ハンドルノブに換装することで対策できますが、ギアへの負担は大きくなります。

▼ ギアへの負担が大きい

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ローギアに比べて大きな負担がギアに掛かるため、ギアへのダメージが大きくなります。

それゆえに、ハイギアを市販化するのが難しかった歴史があり、現在でも一部の超ハイギアリールにはその旨が注意書きされていることも。

全く同じ環境で使った場合、ローギアよりもギアの消耗が早くて交換頻度が高まりますが、現在はギアの製造技術が進歩したために両者の耐久性の差は小さくなりつつあります。


ローギアのメリット・デメリット

メリット

▼ 巻き上げ力が強い

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巻き取り量に対してハンドルの回転が多いために巻き上げ力が強く、大きな負荷がかかった状態でもハンドルを巻くことができます。

それゆえに、巻き抵抗の大きな大型ルアーや、大型魚とのファイトに適します。

▼ 回転が軽い

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ハンドル1回転に対してローター・スプールの回転数が少ないため、ハイギアよりも軽きが軽いことが特徴です。

構造上元々の巻き上げ力が強いベイトリールはやや分かりにくいですが、スピニングリールは誰が触っても巻きの軽さを体感できると思います。

▼ ルアーをゆっくり巻ける

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巻き取り量が少ないため、ゆっくりと一定速で巻くことが得意です。ハイギアでも意識的にゆっくり巻くことはできますが、低速域での微妙な巻き速度の調整はローギアが勝ります。

そのため、低速域でのシビアな速度管理が釣果を左右する、エリアトラウトやタイラバではローギアが好まれます。

また、ゆっくり巻けることは「ルアー(仕掛け)の移動距離を抑えられる」と言い換えることができ、障害物周りなどのピンスポットでじっくり見せる釣りとも好相性です。

▼ ギアへの負担が小さい

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ハイギアよりもギアへの負担が少ないため、ギアの耐久性が勝ります。この点からも、大型魚とのゴリ巻きファイトに適しているといえるでしょう。

デメリット

▼ 手返しが遅い

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ルアー(仕掛け)の回収速度が遅いので手返しが悪く、テンポの速い釣りには不向きです。

回収距離が長いと、いくら巻きが軽くてパワーがあるとは言え、ハンドルを回す回数が多くなるので疲れます。

▼ 巻き感度が低い

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巻き上げ力が強いがゆえに、水中の抵抗(変化)が伝わりにくく、ハイギアよりも情報量が少なくなります。(負荷が掛かっても巻けてしまう)

ショートハンドルにすることで感度は高まりますが、巻き上げ力は低下します。

▼ 糸フケの処理が遅い

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糸フケの回収が遅いので、風の影響を強く受けることが最大のデメリットで、アワセも効きにくくなります。

ラインが風を受けると、ルアー(仕掛け)がなかなか沈まないので底取りが難しくなり、姿勢が崩れたり、泳ぎ出しが悪くなったりします。

とくに、風と流れが強い状況は不向きです。

▼ 鈎ハズレが多い

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ローギアはファイト中にラインテンションが抜けやすく、鈎ハズレによるバラシが増えます。とくにジャンプする魚や遊泳力が強い魚、流れが強い状況は注意が必要です。

また、竿をポンピングするとテンションが抜けやすいので、竿を一定の角度に保ったままリールを巻いてやりとりするのが、ローギアに適したファイトです。

釣りジャンル別・人気のギア比

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釣りジャンルごとに、大まかに好まれるギア比をまとめてみました。

初めてのジャンルに挑戦する時などは、ぜひ参考にしてみてください。

ハイギア

・ショアジギング

・エギング

・シーバス

・ソルトライトゲーム

・フラットフィッシュ

・ブラックバス(汎用・カバー打ち)

・ネイティブトラウト

・オフショアジギング

・オフショアキャスティング

・フカセ釣り

ローギア

・アジング

・ブラックバス(巻物)

・エリアトラウト

・タイラバ

・大物釣り(泳がせ釣りなど)

ギア比に正解はない

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今回は、釣種を限定ぜずにギア比の基礎知識を解説してきましたが、実は、ギア比は釣り人の好みによって選択が大きく分かれる部分でもあるのです。

有名プロアングラーの間でも意見が分かれることもあり、「何を重視するか」は人それぞれ。

基礎知識を踏まえた上で、自分に合うものを選んでくださいね!
画像撮影:TSURI HACK編集部

ギア比について語り合った動画

筆者について

佐藤稜真

某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。

中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。

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佐藤 稜真
佐藤 稜真

某リールチューンメーカー在籍時、年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つリールマニア。TSURIHACK TVへの出演、個人チャンネル「リールマニア/ Reel Mania」で活動中。

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