メダイの食べ方
ヌメヌメの粘液と大きな目からグロテクスな印象を受けるメダイですが、じつは美味しい魚です。
臭みやクセがない艶のある美しい白身は、加熱しても身が固くなりにくく、加熱・生食のどちらでも美味しくいただけます。
刺身
新鮮なメダイは刺し身にするのが一番です。特に産卵期前に獲れた脂の乗ったものが美味。
日本酒で湿らせた昆布に身を挟んで作る「昆布締め」や、醤油ベースの甘辛ダレに漬けたヅケも絶品です。
塩焼き
塩をまんべんなく振ったら、15分ほど置いてから焼き上げます。お好みで胡椒を軽く振るのもおすすめ。
焼く時のポイントは、とにかく弱火。15分程度かけてじっくり焼き上げましょう。プリッとした食感と旨味のある身は、シンプルにメダイの美味しさを感じられます。
祐庵焼き
酒・醤油・みりんを1:1:1の比率で混ぜ、ゆずやカボスなどの柑橘類の輪切りを浮かべた「幽庵地」に数時間~数日漬け込み、汁気を切ってから焼き上げます。
クッキングシートやアルミホイルを敷いて弱火で焼くと焦がさずに綺麗に焼き上がります。柑橘類の香りを楽しみながら味わえる一品です。
べっこう寿司
べっこう寿司は、伊豆大島の郷土料理です。醤油に刻んだ青唐辛子を入れ、メダイの身を漬け込み、それをシャリと握るだけ。
唐辛子のピリ辛と醤油の風味が口いっぱいに広がり、普通の握り寿司とは異なった味わいを楽しめます。
西京焼き
味噌・酒・みりん・砂糖を混ぜ合わせた味噌床を作り、塩を振って身から水分を抜いたメダイの身を漬け込みます。漬け込む時間は一晩から5日くらいまでお好みで調整しましょう。
焼く前に身から味噌をしっかり拭き取り、弱火で焦がさないように焼き上げましょう。
メダイの釣り方
かつてはキンメダイやクロムツ釣りの外道として扱われることが多い魚でしたが、その強烈な引きや食べて美味しいことから今では専門に狙う船も多くなっています。
メダイは1年を通して釣れる魚で釣期には地域差がありますが、産卵期に当たる冬から早春がハイシーズンです。
メダイ釣りのタックル
1.5~2.4メートルの錘負荷50~80号程度の竿に電動リールをセットし、PEラインの4~8号を300メートルほど巻いておきます。
メダイは水面に上がってくるまで引きが衰えず、かつ横にも走る魚なので、ある程度余裕のあるタックルで強引なファイトをする必要があります。
カゴ天秤仕掛け
メダイ釣りで最もポピュラーなのが、カゴ天秤仕掛けです。カゴにはコマセのオキアミを詰め、それによってきたメダイを刺しエサに食わせて釣り上げます。
天秤は中・大型のものを使用し、50~80号オモリのついたビシカゴをセット、ハリスは10~15号を3~5メートルとり、針はヒラマサ針の12号以上を用いるのが一般的です。
ハリスはクッションゴムで接続し、大型がヒットした時に切られないようにします。
胴突き仕掛け
胴突き仕掛けは沈みが早く、潮流が速い状況や深場狙いでよく使われる仕掛けです。幹糸は10~15号、枝スは8~10号、針はヒラマサ針の12号以上を使用します。
針の本数は5本程度で、枝スの長さは30~40センチ、枝スの間隔は1.3~2メートルくらいが基本。胴突き仕掛けに関してもクッションゴムを使うことで、ハリス切れを防げます。
メダイを釣ってみよう!
少々グロテスクな外見と上品な味わいがギャップのメダイ。
かつて外道扱いされていたことが嘘のように、今では専門船が出て、多くの釣り人がメダイ狙いを楽しんでいます。ぜひメダイ釣りに出掛けてみてはいかがでしょうか。