ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)について
ヘビーキャロライナリグとは、重たいシンカーを使ったキャロライナリグのこと。通称「ヘビキャロ」と呼ばれています。
ヘビキャロのメリットはなんといっても食わせ力の強いワームを大遠投出来ること。
遠くのポイントに居るバスまで、いわばノーシンカーワームを届けられるため、バイトが非常に得やすいリグです。
使用するシンカーの重さに基準はありませんが、一般的にはキャロライナリグで14グラム以上のシンカーを使う場合に、ヘビキャロと呼ばれる傾向があります。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)の種類
ヘビキャロには2つの種類があります。ここではその種類とそれぞれの特徴やメリット、必要なパーツを詳しく見ていきましょう。
ヘビーキャロライナリグ
ヘビーキャロライナリグは、中通しシンカー(キャロシンカーやバレットシンカー)を使った基本的なリグ。メインラインに中通しシンカーを通しスイベルを結束、そこからリーダーを取ってフック+ワームをセットして完成です。
▼特徴やメリット
特徴はワームが自由にアクションするので、ナチュラルかつバスにワームをしっかり食い込ませやすいこと。またリーダーを短くすればダートアクションを出す事もできます。
さらにシンカーで障害物やボトムの変化を感じてからワームを通せるため、バイトに備えやすいメリットもあります。
▼必要なパーツ
シンカーストッパー
シンカーストッパーは、中通しシンカーの移動を抑えるアイテム。シンカーストッパーを使うことでシンカーの移動が制限され、リグが無駄に暴れることや根がかりを少なくすることが出来ます。
一方でシンカーストッパーがあるとバスがワームを加えて走った時にシンカーの重みによって違和感を与えることがあるので、場合によっては使用しない事もあります。
ビーズ
ビーズは必須ではありませんが、あると様々なメリットが得られます。まずはシンカーとビーズが干渉して起きるカチカチという音で、バスに強烈アピール可能です。またビーズのきらめきもバスに効果的です。さらにビーズはノットにシンカーが当たって切れてしまうことも防いでくれます。
これら様々なメリットがあるので、ヘビキャロではビーズの使用をおすすめします。
スイベル(サルカン)
スイベル(サルカン)は、中通しシンカーとリーダーの間に入れて使う金属のパーツです。中通しシンカーがワームまで落ちてこないようにしたり、回転して糸よれを軽減したりする役割があります。
ヘビキャロで使うスイベルは、小型のもので十分です。
オフセットフック
ヘビキャロで使うフックは、オフセットフックが基本。オフセットフックを使うことで根がかりを防げる他、フックの重みがワームの姿勢を安定させてくれる効果もあります。フックはワームサイズに合わせて大きさを選ぶようにしましょう。
作り方
- 1.メインラインにシンカーストッパーをセットします。
- 2.中通しシンカー、ビーズをセットします。
- 3.スイベルを結束します。中通しシンカーとビーズが落ちないよう、十分ラインを緩めておおくのがコツです。
- 4.リーダーを結束します。
- 5.オフセットフックを結束し、ワームをセットしたら完成です。
三叉ヘビキャロ
三叉ヘビキャロは、琵琶湖のアングラーを中心に広まった新しいヘビキャロ。三叉スイベルを使い、シンカー・フックをそれぞれキャロワイヤー・リーダーを取ってセットしたものです。
▼特徴やメリット
三叉ヘビキャロは、通常のヘビキャロよりも遠投しやすいのが特徴。シンカーを先頭にした状態でリグが飛んで行くため、通常のヘビキャロのように回転してしまうことが少なく飛距離を稼ぎやすくなります。
またウィードエリアにも強いというメリットも。シンカーがウィードに入りこんでもワームはウィードの上に出た状態を簡単に作ることができ、魚にワームを見せやすくなります。
▼必要なパーツ
三叉スイベル
三叉スイベルは、メインライン・リーダー・捨て糸をそれぞれ結べる3つの環が付いたパーツです。メインラインと捨て糸を直線的に、それに垂直にリーダーをセットするのが基本です。
キャロワイヤー
三叉ヘビキャロでは捨て糸を使う人も多いですが、キャロワイヤーの使用をおすすめします。その理由はウィードにシンカーが絡んだ時に切りやすい、感度が高くなる、シンカーの交換が簡単に出来るなどメリットだらけだからです。
三叉キャロシンカー
三叉キャロシンカーは、細身のタイプがおすすめ。細身だとシンカーが岩の隙間に挟まってしまうことが少なくなったり、プレッシャーが高い状況で着水音を抑えられるメリットがあります。
コストが気になる場合は、餌釣り用のナス型オモリで代用してみても良いでしょう。
作り方
- 1.三叉スイベルの下部にワイヤーとシンカーをセット。
- 2.三叉スイベルの上部にメインラインを結束。
- 3.三叉スイベルの横向きの環にリーダーを結束。
- 4.リーダーの先端にフック・ワームをセットしたら完成です。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)のリーダーの長さ
ヘビキャロのリーダーの長さに決まりはありませんが、一般的には短いと60センチ程度、長いと1.5メートル程度で使われています。
リーダーは短いとワームが機敏にアクションし、バイトを感じ取りやすくなります。長いとワームがナチュラルにアクションし、バスが食い込みやすくなりますが、キャストの際にリグが回転しやすくなってしまいます。
最初のうちは、80センチから~1メートルでやってみることをおすすめします。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)が活躍するポイントやフィールド
では具体的にヘビキャロはどんなポイントやフィールドで活躍するのでしょうか?その具体例を以下で見ていきましょう。
遠浅の浜などシャローエリア
ヘビキャロが最も活躍するのが、バスがどこに居るか分からないシャローのオープンエリア。代表的なポイントとして、琵琶湖の遠浅の浜や霞水系などのマッディシャロー。このような場所は岸際にバスが居ても警戒心が高いため、ヘビキャロのように遠投でき、ナチュラル&リアクションどちらでもワームをアクションさせられるリグで沖の食わせやすい魚を狙うと釣果を出しやすくなるのです。
キャストで届く範囲にブレイクがある場所
ブレイクもヘビキャロが活躍するポイント。例えば対岸のブレイクまでリグを届けたいと思う時には、ヘビキャロが有効な選択肢になるでしょう。
ブレイクにバスがタイトに付いているのか、それとも浮いてサスペンドしているのかを考えて、通常のヘビキャロと三叉ヘビキャロを使い分ければ完璧です。
河川やインレットなど流れがある場所
ナチュラルにワームを漂わせられるヘビキャロは、河川やインレット等、流れのある場場所でも活躍します。このような場所においては、バスが居るであろうポイントの上部からワームが流れてくるようにリグを送り込むのがコツです。
また、重いシンカーによって流れの中でも確実にボトムを取る事ができ、ボトム周辺に定位している事が多いバスにルアーを届けやすくするメリットもあります。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)の使い方
ヘビキャロはポイントやアクションの方法によって使い方を工夫するのがおすすめ。ここではヘビキャロの使い方を見ていきましょう。
ズル引き
ヘビキャロの基本アクションがズル引き。ズル引きするとボトムの変化を感じ取りやすく、ワームを自然に漂わせられます。またリーダーが真っ直ぐな状態を保てるのでバイトも感じ取りやすいです。
根がかりが多い場所ではロッドを縦に、ボトムをより感じ取りたい時はロッドを横にしてズル引きしてみましょう。
リフト&フォール
リフト&フォールは、リアクションバイト、またフォールでのバイトを誘いたい時におすすめの使い方です。ロッドでシンカーを大きく持ち上げると、それに追従してワームが大きくアクションします。
スティックベイト系ワームでリーダーを短めにするとダートアクションが引き出しやすく、フォールがゆっくりなワームでリーダーを長くすればフォールでのバイトを出しやすくなります。
シェイク
ここぞというポイントではシェイクでワームを震えさせてバスを誘いましょう。ヘビキャロではリーダーの長さがある分、シェイクは少し大きめを心がけるのがコツ。またビーズを使っておけばその音やきらめきでもバスを誘えます。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)におすすめのタックル
ヘビキャロを使う際には、タックル選びも重要です。ロッド・リール・ラインのタックルバランスを上手く取り、釣果につなげていきましょう。以下でヘビキャロに適したタックルの選び方と、おすすめ製品をご紹介します。
ロッド
ヘビキャロで使うロッドは、長さ7フィート以上・硬さMH以上のベイトロッドがおすすめ。このような長さと硬さがあることで重いシンカーでも遠投でき、遠距離からのフッキング率も高められます。
▼シマノ ゾディアス 172MH
2020年にモデルチェンジし、大注目されているシマノのゾディアス。カーボンモノコックグリップを採用して感度が向上、ヘビキャロでシンカーから伝わってくるボトムの変化や、バスのバイトを感じ取りやすいロッドです。
ゾディアスでは172MHがヘビキャロにおすすめです。
シマノ ゾディアス 172MH
自重:122g
継数:2本
仕舞寸法:185.6cm
ルアー重量:10-30g
ナイロンライン適合:10-20lb
フロロライン適合:10-20lb
▼ダイワ リベリオン 731HFB
ダイワのリベリオンも2020年に発売された大注目のバスロッド。X45・ブレーディングXを採用したパワーのあるブランクスが、遠投とフッキングで活躍してくれます。
リベリオンでは、最大42グラムまでの重さに対応している731HFBがヘビキャロにおすすめです。
ダイワ リベリオン 731HFB
自重:126g
継数:2本(グリップジョイント)
仕舞寸法:192cm
ルアー重量:11-42g
ナイロンライン適合:12-25lb
▼デプス サイドワインダー・グレートパフォーマー HGC-76XRF[T]/GPソレノグリフ
三叉ヘビキャロ専用設計のブランクスを搭載したソレノグリフ。最大1・3/4ozまでのシンカーに対応し、ビッグバスを浮かせるパワフルなモンスター対応ロッドです。
琵琶湖の浜での使用、ヘビーウエイトシンカーで誰も届かないポイントまで遠投したいのであればこのロッドではないでしょうか。
デプス サイドワインダー・グレートパフォーマー HGC-76XRF T GPソレノグリフ
自重:約191g
継数:1本
ルアー重量:1/2~1・3/4oz
ナイロンライン適合:12-20lb
リール
ヘビキャロに求められるリールの性能は、遠投性と糸巻量の2点。具体的には遠投に適したブレーキ性能を持つ、14ポンド90~100メートルの糸巻き量を持ったベイトリールが必要です。
▼ダイワ ジリオン TW HLC 1514
ジリオン TW HLC 1514は、浜での大遠投を考えたリール。HLCとは、ハイパーロングキャストの略。G1ジュラルミン製HLCスプール、およびマグフォースZロングディスタンスチューンを搭載した、まさに遠投仕様のベイトリールです。
ダイワ ジリオン TW HLC 1514 SH
自重:215g
最大ドラグ力:5kg
巻取り長さ:81cm
ナイロン糸巻量(lb-m):14-100/16-85
▼シマノ SLX DC
SLX DCは、シマノ独自のデジタルコントロールブレーキシステム(DC)をお手頃価格で手に出来るハイコスパなリール。4段階のイージーなブレーキセッティングで調整が完了し、あとはDCの性能に任せて思いっきりキャスト出来ます。
中~上級者はもちろんヘビキャロ初心者にもおすすめです。
シマノ SLX DC 70XG RIGHT
自重:210g
最大ドラグ力:5kg
巻取り長さ:88cm
ナイロン糸巻量(lb-m):12-100/14-90/16-80/20-65
▼シマノ メタニウム
ヘビキャロはもちろんだけど、他の釣りでも使いたい方はメタニウムを使ってみてください。径34ミリ・幅19ミリのマグナムライトスプール スリーは、最後までヘビキャロの飛距離が伸びる独特な感覚を得られるはず。
スプールが薄肉化されているので、軽量なルアーや空気抵抗の大きなルアーでもバックラッシュは起きにくいです。コアソリッドボディによる高い強度にも注目です。
シマノ メタニウム XG RIGHT
自重:175g
最大ドラグ力:5kg
巻取り長さ:86cm
ナイロン糸巻量(lb-m):12-100/14-90/16-80/20-65
ライン
ヘビキャロでは一般的に14~16ポンドのフロロカーボンラインが使われています。重いシンカーを使うヘビキャロでは、細いラインだとキャストの際やフッキングの際にラインブレイクすることが多くなるので注意してください。大遠投するリグなので、リールには80~100メートル巻いておきましょう。
▼クレハ R-18フロロリミテッド
バス釣りを中心に、ソルトルアーでも人気の高い製品。愛用しているプロも多く、その性能はお墨付きです。二重構造をしていて、結束強度・耐摩耗性・感度いずれも高いです。
▼クレハ シーガー フロロマイスター
コスパのいいフロロカーボンラインなら、シーガーのフロロマイスターがおすすめ。14ポンドは320メートル、16ポンドは240メートル巻きで、80メートルごとにマーキングシールがあるので、3~4回に分けて使えます。
▼サンライン シューター・FCスナイパー
シューター・FCスナイパーは、ポンド数ごとに原糸を変更しているこだわりのフロロカーボンライン。ヘビキャロに適した14・16ポンドは、ややハードで伸びにくい設計としてあります。お得な300メートル巻きもラインナップされています。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)におすすめのシンカー
ヘビキャロで使うシンカーは、重ければいいというものではありません。形状と素材を知って選ぶことで、根がかりを軽減出来たり、バイト数を増やしたりすることが出来ます。ここではヘビキャロにおすすめのシンカーを5つご紹介します。
バレーヒル TGシンカー 18 キャロライナ
高比重タングステン合金を使用した製品。ボトム感知能力に優れ、チューブが装着されているのでラインが傷みにくい構造。
ボトムからラインが少し持ち上げられる形状なので、シンカーが岩の隙間に挟まるタイプの根がかりも少なくなります。
ジャッカル JKタングステンシンカー キャロライナ ラウンド
ボトムに岩が多いポイントでは丸型のキャロライナシンカーがおすすめです。岩が多いポイントではシンカーが岩の隙間に挟まってしまうことが多いですが、丸型はスタックを避けやすくなります。
オーナー SK-5 ブラスシンカー
ブラスシンカーはビーズと組み合わせて使うのがおすすめ。ブラス特有のサウンドは、バスに効果的にアピールでき、昔は「ドゥードゥリング」というテクニックでよく使われていました。
ブラスならではのゴールドカラーも、時にバスに視覚的アピールを期待出来るかもしれません。
ザップ 浜キャロロケット
浜キャロロケットは三叉ヘビキャロ用のシンカー。4つのフィンが遠投性・回収時の回転防止・ボトムでの安定性を向上させています。
スタンダードな三叉ヘビキャロ用シンカーとは同じ重さであっても使い勝手の良さが違います。
加藤精工 スリムシンカー
コスパ重視なら加藤精工のスリムシンカーを使ってみてください。1/2ozで5本、1ozで3本入っているので、かなりお得。
フリーリグや直リグで使うのも良いでしょう。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)におすすめのワーム
ヘビキャロには、スティックベイト系やギル系、クロー系ワームがよく使われます。
ワームの大きさは特に問いませんが、14グラムシンカーで高比重6インチワームのようにシンカーに対して大きすぎるワームだと、リグが回転してキャストしにくいです。ある程度のバランスを取りながらワームは選んでみてください。
デプス デスアダースティック
ダートアクション+フォールでビッグバスを誘うデスアダースティック。真下に向かって水を押しながらフォールしつつ、細身のピンテールで細かなバイブレーションを起こしアピールします。強めのリフト&フォールで使ってみると良いです。
OSP ドライブスティック
ドライブスティックは、ライブリーなフォールアクションがバスに効きます。ヘビキャロではちょっとリーダーを短めにする等して、ダートからのフォールアクションを引き出すのがおすすめ。
ヘビキャロ以外にノーシンカーバックスライドセッティングで使うのも人気です。
ジャッカル シザーコーム
各パーツが上下左右に微振動するシザーコームは、ハイプレッシャーシーンにおすすめのワーム。例えば休日で釣り人が多く並ぶシーンや、水の透明度が高くバスにワームを見切られやすいシーンで使ってみてください。
使い方はワームの性能を引き出せるズル引きやリフト&フォールがおすすめです。
デプス ブルフラット
ブルーギルが多いフィールドでぜひ使ってみて欲しいブルフラット。おすすめなのがウィードエリアでの使用。幅広のためウィードに沈み込みにくく、バスに発見させやすいです。
ビーズの音やきらめきも利用して、餌としてだけでなくバスの威嚇を誘う使い方もアリです。
ベイトブレス バイズクロー
ザリガニが多いフィールドでは、バイズクローのようなクロー系ワームが活躍します。バイズクローで特徴的なのは、動物の毛が使用されていること。超微振動やフォールでの抵抗感、バスが口にした時の硬い感触はワーム素材だけでは生まれません。
リフト&フォールで逃走したり、ズル引きでバスに見つからないように移動したりするザリガニを上手く演出して使ってみてください。
ヘビーキャロライナリグ(ヘビキャロ)をぜひあなたの釣りに
ヘビキャロは琵琶湖のイメージが強いですが、小規模なフィールドでも絶対に活躍します。名前にヘビーと付いてはいるものの、ワームのアクション自体はノーシンカーリグやライトリグに近いものがあり、あまり釣れないと言われるフィールドでも意外と多くのバイトを得られたりします。
これまでヘビキャロを使ったことが無い人は、やってみるだけで手にするバスの数が変わってくるはずです。
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