カムルチーとタイワンドジョウがターゲット
ライギョ(雷魚)ってどんな魚?
ライギョ(雷魚)は、スズキ目タイワンドジョウ科タイワンドジョウ属に属する魚の総称です。
ドジョウという名前に気を引かれてしまいますが、ドジョウはコイ目の魚であることから全く違う生き物であることが分かります。
ライギョはもともと日本に生息していませんが、外来種としてカムルチー・タイワンドジョウ・コウタイの3種類が定着しています。
今回は釣りの対象として人気のある、カムルチーとタイワンドジョウに焦点を当ててご紹介します。
最大1mまで成長するカムルチー
もっとも広範囲に生息しているのがカムルチーです。ライギョ釣りと言えばこの魚を指すことが多いでしょう。
ロシア・アムール川水系から中国北部、朝鮮半島にかけてが原産で、日本では北海道から九州にかけて幅広く生息が確認されています。
特定外来生物ではありません
外来魚かつ肉食性の強いカムルチーですが、現在、在来生物に対する影響が軽微であると判断されており特定外来生物には指定されていません。
河川改修工事など環境悪化により繁殖場所が減少しているため、生息数が低下していることも理由のひとつでしょう。
釣り人として、カムルチーを長く釣り続けるためにも、キャッチ&リリースをする場合はできる限り大切に扱いたいものです。
ちょっとしたレアなタイワンドジョウ
タイワンドジョウは、カムルチーよりも小型のライギョで最大でも60cm程度までしか成長しません。
中国中南部からベトナム・フィリピン・台湾などが原産です。
カムルチーよりも模様が明瞭なのが特徴です。
生きたまま移動させないようにしましょう
日本各地に定着しているカムルチーに対してタイワンドジョウは、和歌山・兵庫・香川・沖縄など限られた地域に定着しています。
タイワンドジョウもまた、生息数は横ばいもしくは減少傾向だと釣り人の僕も感じます。
カムルチーと合わせてタイワンドジョウも外来魚問題に発展させないために、これ以上、生きたまま拡散させることはやめましょう。
今、生息している場所で長くライギョ釣りを続けられれば良いなと思っています。
ライギョの生息するポイントの見つけ方
ポイントは池や水路がメインです
ライギョは、繁殖するために水草や枯草など浮遊物を必要とします。
また、越冬する際に泥に潜るためある程度の土や泥が堆積しやすい止水環境を好んで生息しています。
泥底で繁茂するヒシやスイレン、ハスなど水面に広がる植物があるとライギョが生息している可能性があると言えますね。
水面に呼吸に上がってくるライギョを見つけよう
ライギョはラビリンス器官という変わった臓器を使った空気呼吸をエラ呼吸と併用して酸素を獲得しています。
空気呼吸を行う頻度は、運動量や水温が高くなるほど増えますので特に夏場は頻繁に目撃することができます。
ライギョのポイントを探す場合は、まずは空気呼吸を見つけることが手っ取り早いです。
僕は30分探して呼吸が見られなければ生息していても密度が低いか、活性が低いと判断して移動しますね。
カエルの存在が重要
ライギョの主食は魚やカエルなどの小動物と言われています。
ポイントを探す場合は、カエルの存在にも気を使ってみましょう。
ウシガエルなどの大型カエルよりも、トノサマガエルなどの中型カエルが多い場所が個人的にはオススメです。
アマガエルでも可能性ありですよ!
ライギョを狙うならフロッグが最も効果的です
ポイントに応じてフロッグを選びましょう。
オープンウォーターの場合は、カップのついたポッパータイプが移動距離を抑えたアクションを演出しやすくてオススメです。
タイワンドジョウは、サイズが小さいのでバス用のフロッグが活躍します。カエシを潰しておくと速やかにリリースできます。
ヒシやハスなど分厚いカバーには、チューニングしやすいライギョ専用フロッグを重たくしてガンガン水草を揺らしましょう。
池・沼での狙い方
特に野池や沼のライギョは、魚よりも栄養価の高いカエルを狙って岸際で獲物を狙っています。
ウシガエル以外のカエルは陸上にいることが多いので、常に岸際を意識してルアーを動かしましょう。
こんなポイントのライギョは、岸際の小さな物音にとても敏感です。
陸に着地した音で反応して寄ってくる。着水と同時に「バフォっ!」なんてことも良くあります。
大規模な池では、ストラクチャーの際を狙いましょう
こういったフィールドではロングキャストが必要になりますね。
ライギョは、カバーの際や薄くなった場所で捕食したがりますが、活性が高いと水草の厚い場所でもバイトしてきます。
こういったポイントは、どうしてもミスバイトが多発しますので、チェイスしたと思ったらできるだけカバーの薄い場所まで誘導しましょう。
また、スイレンやハスといったヘビーカーバーでは、必ず専用タックルを使用しましょう。
水路での狙い方
地方によっては、水路がメインフィールドになる場合があります。
近くの河川や大きな水路と繋がっていれば、幅50cm、水深30cmの側溝でも生息している可能性があります。
水路も基本的には岸際を丁寧に探ることが大切です。
池や沼に比べてストラクチャーの少ない水路ですが、その分ちょっとした変化にはライギョが潜んでいる可能性大です。
このようなポイントでは一投目が肝心です。しっかり岸にルアーを乗せてからポトンと落としてみましょう。
ライギョはゆっくりチェイスしてくることの多い魚です。
焦らず、2アクション2秒ポーズを繰り返して食わせましょう。
末永く“ライギョ釣り”を楽しむためにマナーを守りましょう
ストラクチャーに合わせてタックルを選びましょう
オープンウォーターで足場の低い水路では、バスロッドのXHにPE6号のライトタックルでも問題ないでしょう。
ハスやスイレンなどのヘビーカバーとなれば、ライギョ専用ロッドにPE10号以上のタックルが必須になります。
1匹1匹を大切に釣るために、絶対ラインが切れないセットを意識してタックルを組みましょう。
魚にできるだけ傷やストレスを与えないようにしましょう
コンクリートの上は熱いだけではなく、ウロコなどが剥がれやすいため、水辺が遠い場合は草や柔らかな土の上に魚を置くようにしましょう。
今、生息しているライギョを大切にすることで何度も楽しませてくれます。
ライギョは口を閉じる力が強いため、素早くフックを外すために長めのプライヤーが2本あると便利です。
スポーニングの時期には要注意!
ライギョは雌雄で卵や稚魚を守ります。このような状態をスポーニングと呼び、主に6月から7月に行われます。
何度も何度もチェイスしてくるライギョがいたらスポーニングを疑いましょう。周りにもう一匹いたり、稚魚が泳いでいるはずです。
スポーニング中のライギョは非常に攻撃的になり、サイトフィッシングでとても簡単に食ってきます。
ですが、ライギョ釣りを楽しんでいる方の多くは、将来を見据えてスポーニングを狙いません。
もちろん、狙っていなくても掛かってくることがあるので、同じフィールドでスポーニングを見かけた場合は、よりいっそう速やかなリリースを心掛けたりポイントを移動しましょう。
無暗にポイントを晒さない
ライギョに限らず淡水魚全般に言えることですが、釣れた場所が特定できるような情報をSNS等に掲載しないこともマナーの1つです。
ちょっとした建物や道路でも特定される場合があるので必要に応じて画像を編集しましょう。
他にもその場所で釣りを楽しむ人がいると思って行動しましょう。
移送放流をしない
今のところライギョは幸いなことにアメリカナマズやブラックバスのように特定外来生物には指定されていません。
ただし、“今のところ”ということを忘れないでください。
今後、新たに生息域を拡大させないために、法律では禁止されていませんが、移送放流は厳に慎みましょう。
家の近くで釣りたいからという身勝手かつ安易な考えは特定外来生物を増やす原因になりますのでやめてましょう。
事を荒立てずに、静かに末永くライギョ釣りを楽しみたいと思っています。
ポイントを探すのも釣りの醍醐味の1つです。全国各地に生息するライギョを狙って釣行してみてはいかがでしょうか?
筆者紹介
山根 kimi ヒロユキ
初めての1匹を求めて世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017