なんちゃってユーロスタイルでも良いんだ!
身近な鯉(コイ)をちょっと難しく&めっちゃ楽しく狙います
コイを釣りの対象として捉えている方が少ない中、ユーロスタイルカープフィッシングという単語を目にしたことにある方もいるのではないでしょうか?
きっとこの記事をご覧になられている方は、どちらかというと、コイと言う生き物の名前よりユーロスタイルと言う単語が気になっているのでは……と思います。
そもそもユーロスタイルって何?
ユーロスタイルカープフィッシングは、ヨーロッパ生まれのコイ釣りです。
ボイリー、バイトアラーム、アンフッキングマットなどなど、こういった聞きなれないヨーロッパ発祥の釣り具を使えば「ユーロスタイルだ!」と言ってしまえばそれまでなのですが……。
じつは、ハマると大きなコイが入れ喰い状態になるパターンフィッシングが味わえる釣りなのです。
揃える道具が多そう……。でも!
道具一式揃えるとなるといくらかかるか気になりますよね。
ユーロスタイルは専用の道具が発売されており、専用竿から小物まで全部揃えると15万から20万円はかかってしまうでしょう。
とはいえ、この記事を読んでいただければ「手元の釣り具で代用できるものが多いじゃん!」ってなるはずです。
じつは、僕もなんちゃってユーロカープにはまっちゃってます!
僕もだんだんと専用の道具が集まってきていますが、最初はボイリーだけ使ったブッコミスタイルでした(笑)
僕は、専用の道具全部を一気に揃える必要はないと思ってます。大事なのは、身近にいる“コイを楽しく釣ってみたい”という気持ち!
それでは早速、道具の価格帯と日本の釣り具で代用可能か紹介していきましょう!
ユーロスタイルならではの餌 ボイリーはめっちゃ硬い!
基本的な餌 「ボイリー」
ユーロスタイルの代表的な釣り具と言えばボイリーでしょう。
セモリナ粉(穀物製粉)に様々なフレーバーや、栄養素を混ぜた練り餌をその名の通りボイル(茹でる)したものです。大きさやフレーバーが様々で、釣り場や季節に応じて使い分ける楽しさがあります。
価格は1kgあたり3,000円前後が相場といったところ、これだけは残念ながら代用できる餌はありません。
少々高いですが、非常に餌持ちが良いことが特徴で数時間水中にとどめていても型崩れしません。
付けエサとして使用する分には、コスパは良いといえますね。
※乾燥に弱いので、保管する時はしっかりチャックを閉じましょう。
硬いボイリーを針に取り付けるための「ヘアリグ」
ボイリーは水中で型崩れしない分、とても硬く作られています。そのため、釣り針に刺そうとしても割れてしまったり、フッキングの邪魔になってしまったりします。
そこで、ヨーロッパでは写真のように結んだ糸の端に輪をつくったヘアリグを使ってボイリーをつけます。
ハリスはPEラインの3号前後を10cm程度で良いでしょう。
釣り針は、様々形状の専用針が売り出されていますが拘りがなければ管付きチヌ針の4号前後で代用できます。
ボイリーに糸を通すための「ニードル」
ボイリーは硬くて割れやすいため、ニードルと呼ばれる小道具を使用します。
これは1本数百円程度で購入可能です。ジギングのアシストフックを作る時のニードルと作りは同じですね。
ボイリーの付け方
ボイリーを貫通させ、ニードルのフックで先ほど紹介した端糸の輪を引き抜きます。
難しそうに見えますがとっても簡単ですよ!
ボイリーを止めるための「ストッパー」
ストッパーは、ボイリーが糸から抜けないようにするための止め具です。
様々な形状の専用のストッパーが数百円程度で売られていますが、ボイリーが止まれば何でも大丈夫です。
ユーロカープ仕掛は自由に考えてみましょう
ユーロカープに限らず、餌釣りは釣り場に合わせた仕掛を考えるのも楽しみの一つです。
レッドクリップ(洋式捨てオモリ)を使用したり、シンキングブレイドと呼ばれる鉛の入ったPEライン(レッドコアライン)を使って仕掛を川底に沈ませる応用テクニックもあります。
レッドクリップは1,500円前後、シンキングブレイドは20mで3,000円前後で販売されています。
僕は、レッドクリップではなく、捨てオモリ式石鯛用誘導天秤を代用してシンプルな仕掛を使っています。
万が一、ラインブレイクがあった場合にコイにオモリが残らないように、捨てオモリ式にすることが重要です。
バイトアラームがあるとより楽しい!
センサー1機3,000円前後で購入可能です
雰囲気を味わうために必要な道具がバイトアラーム。
スプールフリーにしてアタリを待つのがユーロスタイルですが、コイが糸を引っ張った際に音で知らせてくれます。
僕はヒットした時の音が好きで使っていますが、ぶっちゃけ無くても釣りは成立します。
昔は、センサー4機+受信機セットで5万円とかしていたバイトアラームですが、今では無線式でもセンサー4機+受信機セット1万円前後で入手可能です。
アラーム単品ですと3,000円以下で購入可能です。
センサーを付けるための「バンクスティック」や「ロッドポット」
バイトアラームを使用する場合に必要となる道具です。これが意外と高いんですね。
バイトアラームを使用しない場合は、投げ釣り用の竿置きを代用しても良いですし、もはや地面に直置きでも大丈夫です。
ロッドポットと呼ばれる竿受けは数万円が相場です。
僕は1本3000円前後で売られているバンクスティックを使っています。
ロッドとリールは投げ釣りやルアーロッドから流用できます
ナイロン4号(16ポンド)前後のライン負荷のロッドであればパワーとしては充分でしょう。
使いやすい竿の長さは3m前後。シーバスロッドやちょい投げ用の竿が良いでしょう。
リールはナイロン3号から4号を100m以上巻けるものであれば、ベイトでもスピニングでもOKです。
コイに極力負荷をかけない為の必需品
ユーロスタイルと日本式の確かな共通点
日本のコイ師もヨーロッパでカープを狙っている白人も、ひとつ共通していることがあります。
それは、コイに対して敬意を示す(リスペクト)ことです。
ヨーロッパと日本で道具に違いはありますが、コイをとても大切に扱っていることに変わりありません。
ランディングネットは必要不可欠
足場が高い場所ではもちろんのこと、水面のポイントでもコイを落とさず安全に運ぶためにネットは必ず用意しましょう。
専用のカープランディングネットは、1万円前後で販売されています。
大型の磯タモ(枠60cm程度)でも代用可能です。
魚体に傷をつけないためのアンフックマット
ユーロスタイルでは、アンフックマットと呼ばれる道具があり魚から針を外す際に用います。
1万円弱で売られていますがちょっと高いなと思う方は、ブルーシートなどを代用し草や土の上で針を外しましょう。いずれも、しっかり水をかけてからコイを寝かせましょう。
コンクリートなど乾いた地面にコイを直接置いてしまうと、どうしても魚体に傷が残ってしまうため絶対に避けましょう。
ユーロカープフィッシングに適している場所の選び方は?
コイが確認できる場所を見つけましょう
はじめてコイを狙う場合は、釣り具の準備をする前にコイを探してみましょう。真冬を除けば、浅瀬を泳ぐコイも見つけることは然程難しくはないでしょう。
まずは、コイを見つける! これが釣果に近づく一番のコツです。
春:産卵場所付近
コイの産卵期は3月末から5月にかけて。この時期のコイは乗っ込みとも呼ばれ、流れの緩やかな浅瀬に産卵にやってきます。
川の場合、このようなヨシや水草が生えている入り江は狙い目でしょう。
初夏・秋:本流付近のよどみや浅い岸部が◎
水温が上がり活発に泳ぎ回ります。本流域で狙う場合は、このような反転流が効いたちょっとしたよどみが狙い目です。
このポイントは、釣り座が平らな芝生という点もユーロスタイルにはもってこいですね。
真夏・水温が下がる要素が絡む場所
水温が高い真夏は、日陰や流れ込みなど他よりも水温が低い場所が好ポイント!
溶存酸素が低下してしまうと一気に食いが落ちるので、そんな時は少しでも水の動く場所に仕掛を投入するように心がけましょう。
真冬・オフシーズンですがどうしてもの場合は深場。都市型河川なら問題なし
真冬になるとコイは深みでじっと動かなくなります。半分冬眠状態となりますので滅多に餌を捕らなくなってしまいます。
このように淵のテトラの隙間は流れも緩和されるので冬眠にはもってこいでしょう。
温排水が出ているような都市型河川の場合は、年中コイ釣りを楽しめます。
釣り場が決まったらまずは寄せ餌
すぐにでも仕掛を投入したい気持ちは分かります。
ですが、ユーロスタイルに焦りは禁物ですよ。ゆっくりと流れる1日を楽しんでください。
ココと決めたらまずは、寄せ餌を投げてポイントを作りましょう。
ボイリーを砕いても良いですし、お値段が気になる方はコイ釣り用の練り餌でも大丈夫です。
撒く量はポイントによりけりですが、一握り程度の少量を意識しましょう。
餌を撒きすぎると針についたボイリーを食べる確率が下がるどころか、針を見切られたりします。
「もう1個食べたいなー」というコイの心理を読みましょう。
最後にオモシログッズをご紹介!溶ける「PVAバック」
分かりやすく言えばオブラートですね!
水に触れると10秒程度で溶けてしまいます。巻き餌と付け餌を全く同じ場所に置きたい時に重宝します。
中に入れる餌はボイリー以外でも勿論良いのですが、濡れているとすぐ穴が開くので要注意ですよ!
ひとたび寄れば入食いなんてことも
とても警戒心の強いコイですが、撒餌が効果を発揮すると群れで寄ってくることもあります。
そうなると、連続ヒット! ファイト中にもう一本のバイトアラームが鳴っちゃう(汗)
なんて幸せな体験もできますよ!
個性的な道具が面白い“ユーロカープ”おすすめです!
今回は、ユーロスタイルで使用する基本的な釣り具を紹介させていただきました。
浮かぶボイリー(ポップアップ)やコマセカゴ一体型のオモリ(フィーダーシンカー)など、まだまだマニアックな道具が紹介しきれない程あります。
それぞれの道具に意味があり、ユーロスタイルの道具は知れば知るほど使ってみたい!ってなるものばかりです。
まずは、ボイリーだけでも購入し、お近くの川や池へ出かけてみてはいかがでしょうか?
筆者紹介
山根 kimi ヒロユキ
“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。海外釣行のガイドとしても腕を振るう。
釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017