スイッシャーとは
スイッシャーとは、水を受けると回転するプロップ(プロペラ)が取り付けられたルアー(プロップベイト)のこと。
おもにバス釣りで使われるルアーで、フローティングタイプとシンキングタイプが存在します。
スイッシャーはプロップが回転することによって、他のルアーには出せないスイッシュ音や回転によって起こる微細な金属の擦れる音、プロップの出す引き波やフラッシングなど、多彩なアピールでバスを誘います。
フローティングタイプ
フローティングタイプのスイッシャーは、トップウォーターの1種として使います。
使い方はジャークして強いスイッシュ音を出したり、首振りをさせて細かく誘ったり
一定速度で(水面に波紋を残しつつ)引いてきます。
また同じスイッシャーと言っても、ペラの大きさ・ペラ穴の形状・ペラの取り付け方によっても出せるアクションやアピールの質(ハイアピールかローアピールかなど)も大きく変わります。
▼ダブルスイッシャー
基本的にダブルスイッシャーは首振りが苦手。その分、2枚のプロペラのアピール力を生かし、ジャークやノーマルリトリーブをメインに使います。
▼シングルスイッシャー
シングルスイッシャーは首振りさせやすい傾向にあるので、ジャーク・ノーマルリトリーブに合わせ、ピンスポットでの首振りなどでバスを誘います。
シンキングタイプ
一昔前のバス釣りバブル時代は、スイッシャーといえばフローティングタイプで水面を騒がしくするものでしたが、近年は、表層直下~中層を狙う大人しいシンキングタイプが人気となりつつあります。
シンキングスイッシャーとも呼ばれますが、近年はプロップベイト、アメリカにおいてはスパイベイトとも呼ばれ、トップとはまったく違う用途で使われます。
使い方は一定速度でゆっくり巻くただ巻きが基本。余計なアピールを加えず、プロペラの回転とボディーのゆらめきだけで誘うことで、バスの目にとても魅力的なエサに見えるようです。
じつはシンキングが先だった?
日本においてスイッシャーはフローティングタイプが始まりで、その後シンキングタイプが生まれたと認識している人も多いと思います。しかしじつはスイッシャーの元祖はシンキングタイプと言われています。
1880~1900年頃にかけて、今とは似つかないスプーン+プロップを持つルアーやスピナーのような形状のルアーがスイッシャーの始まりとされ、フローティングタイプが定着するようになったのはそれから何十年も経った1970年前後です。
そもそもなぜ釣れる?
スイッシャーが釣れるのは、ゆっくりとしたスピード×プロップのアピールといった唯一無二の性能であると考えられます。例えばアフタースポーンで体力も思考力も落ちたバスに対して、ゆっくり巻けて見せることができ、かつプロップの回転によるアピールが可能なルアーは他にありません。
▼六畳一間の狼 SUUもお気に入りのプロップベイト
おすすめスイッシャー
ここからはおすすめのスイッシャーをご紹介。フローティングタイプ・シンキングタイプともに各メーカーから人気・実力のあるスイッシャーをピックアップしました。
ティムコ プロップペッパー(フローティング)
ティムコのプロップペッパーは、ただ巻きで独自のクリック音を発生させバスにアピールできるフローティングタイプのスイッシャーです。
その独自の音を生み出すのは、0.8ミリ厚でペラ穴がスクエアになっているステンレス製プロップ(ヒヨコブランド製)。このプロップには重さもあり、重さによる抵抗×スクエア形状の穴によって、ランダムな音と水流を生み出します。
自重が16グラムあり浮力が抑えられていることからバスに吸い込まれやすく、また遠投がしやすいことも特徴です。
※20年4月現在、ネットショップの在庫は確認できませんでしたが、公式HPによると20年06月に新色が入荷予定との事。
全長 | 自重 | タイプ |
100mm | 16g | フローティング |
ダブルスイッシャーの名作
これを意識したルアーが、トップのインディーズブランドからチラホラ出ています。それだけ釣れるという事ですね。梅雨や夏のリザーバーでボート釣行するなら、これ投げておけばだいたいOK。ワームより数もサイズも出ると思います。
房総半島を中心にレンタルボートでのバス釣りに造詣が深い川島勉氏が愛用していたスイッシャーを、ジャッカルの技術と発想で現代風にアレンジしたスイッシャーです。
段違いに設計された独自形状のプロップは、「カチカチカチ……」と「ポロポロポロ……」が混じった独自の音を発生させます。巻きスピードによって音のアピール力変化がさせやすいです。
バス釣りを長く楽しんでいる方は、スイッシャーといえばヘドンのトピードシリーズを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。どちらかといえばプロップは音を出すというよりアクションに抵抗をもたせるような意味合いが強く、ドッグウォークやテーブルターンでピンスポットを探るのに適しています。
トーピードシリーズには、ティニー・タイニー・ベビー・マグナムと様々なサイズがあります。中でも人気なのは日本のフィールドにマッチするサイズと、投げやすい自重を持ったベビートーピードです。
名前の通り“微波動”を生み出すダブルスイッシャー。一般的なスイッシャーが水面を騒がせながらバスにアピールするのに対し、ビハドウは細かい波動でバスにアピールします。
使い方はデッドスローでのただ巻きを基本としてみてください。
ハイプレッシャーレイクでバスが水面を意識している時、アフタースポーンでサスペンドしながら表層を意識しているバス、ターンオーバーで酸欠になったベイトフィッシュが水面で瀕死となっている時等、ビハドウが活躍してくれるシーンはとても多いです。
メガバス X-PLOSE(フローティング)
X-PLOSEに搭載された少し大きなサイズ感のプロップは、独特なひねり形状と独自のギアホール加工が施されていて、クラッチサウンド+フラッシング+スイッシュ音を奏でバスにアピール。このプロップはデッドスローに巻いてもしっかり回転するため、アフタースポーンのようにバスの追いが遅いときにも効果的です。
また超低重心のフラットバランサーによって、水面が波立っているような状況に強いことも特徴。他のスイッシャーでは波立ちでうまくアクションさせられない時にも活躍します。
全長 | 自重 | タイプ |
103mm | 14g | フローティング |
超極薄0.2ミリ(110Sのみ0.3ミリ)のステンレスバネ材プロップを搭載したスイッシャーです。その回転のスムーズさは、水につけている間プロップを回転させないことが無理に等しいほど。
フローティング・シンキングともにありますが、おすすめの使い方はクリアウォーターにおける水面直下引き。水面がプロップの出す水流で盛り上がるくらいの速度をイメージしながら引いてみてください。
バスが疑いもなくスイッシャーを吸い込むシーンに病みつきになること間違いなしです。
2017年のバスマスター・エリート第7戦セントローレンスリバーにおいて、KVDことケビンバンダムが使っていたことから人気に火がついたスピンベイト。スピンベイト80のただ巻きがスモールマウス戦だったこのトーナメントを制覇したメソッドの一つでした。
アクションはちょっと尻下がりの姿勢を保ちつつ、ボディーが規則正しいロールを起こします。現在は派生モデルも多くあり、シチュエーションに応じた細かな使い分けが可能です。
ガストネードは、ヘッドに水が抜けるウォータースルーギル構造を採用。ノー感じとなりやすい(引き抵抗がない)シンキングスイッシャーのデメリットを、独自のヘッド形状で改善してあり使いやすいです。
超豊富なカラー数もガストネードの魅力。バスの反応や水の濁り具合に合わせたベストなカラーを見つけられることでしょう。
プロップの回転および水流に反応するバスに合わせ開発されたK-1 MAC。シンキングタイプのスイッシャーで現在は50と65ミリサイズが販売されていて、コンマ数グラム単位で自重の違うモデルをラインナップしているこだわりようです。
使い方はとにかくゆっくり一定速度で巻くこと。ロッドで不要なアクションを加えたりせずに使ってみましょう。同じくほとんどアクションしないセイラミノー等のI字形ルアーとローテーションして使ってみることをおすすめします。
2ウエイトマグネット重心移動システムを搭載したプロップマジックは、圧倒的な飛距離で長い距離を引いてくることができる製品です。
ボディーサイズに対して大きめのステンレスプロップは、水を受けやすい浅めの角度に設定されていて引き抵抗が強め。抵抗をしっかりと感じつつ引いてこれるため、他のシンキングスイッシャーに比べて使いやすさもあります。
シングルプロップ&ボディーがほとんど動かないことによって、フッキング率が高いといった隠れた特徴もあります。
ぜひスイッシャーをあなたのルアーボックスに
かつてはへドンの「ダイイングフラッター」やスミスウィックの「デビルズホース」がデカバスキラーとして名を馳せた時期があったり、近年においてもトーナメントのウィニングルアーとして活躍したり等、スイッシャーの持つ回転というアピールは、バスを魅了しつづける“何か”があるようです。使ってみなければ分からないその実釣性能を、次回の釣行で試してみてはいかがでしょうか。