【ムツゴロウ】有明海の名物をテクニカルに引っ掛け釣りで狙います!

2020/03/17 更新

ムツゴロウを釣って食べる。Googleで「ムツゴロウ」と検索すると、動物探求家の畑 正憲(はた まさのり)さんの情報ばかり。お魚業界では泥の上を華麗に踊る「小さなハゼ」を指すのですが……みなさんこの魚をご存じでしょうか?


ムツゴロウってどんな魚?

釣ることすら躊躇う可愛さ

ムツゴロウ 魚
有明海や八代海に生息するハゼ科の魚で、体長は15〜20cm程度まで成長します。

ムツゴロウが生息する地域では、ムツやホンムツと呼ばれ、食材としても利用されている魚です。

空気を使って呼吸します

ムツゴロウ 魚
ムツゴロウはこのように、干潮時の「干潟」に姿を現します。

魚なのにどうやって呼吸するのか不思議ですよね。ヒントは所々に見える水たまりです。

皮膚で呼吸します

ムツゴロウ 呼吸
ムツゴロウは皮膚が濡れていれば呼吸することができます。

乾きそうになると水たまりや濡れた泥で、泥浴びをする姿を観察することができます。

因みに満潮時は巣穴に潜って過ごします。

ムツゴロウの保全状況は?


ムツゴロウは、1991年に希少種、1999年に絶滅危惧Ⅱ類(VU)、そして2007年からは絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。

つまり、生息数が減少してしまっていることが示されており、原因として生息域の縮小が指摘されています。

ムツゴロウには干潟が必要

ムツゴロウ 干潟
ムツゴロウは干潟の泥に繁茂した珪藻(コケ)を食べるベジタリアンなのです。

“「有明海の干潟について、1978 年度から 1989~1991年度で比較すると、この間に、干潟は 22,070ha から 20,713ha(6.1%減)、1997 年には諫早干拓事業により、1,550ha(7%減)の干潟が減少した」”

※環境省・資料4-7(3章関係)有明海・八代海等の環境等変化(藻場・干潟等)より

様々な原因で生息域を奪われたムツゴロウは主に1990年代後半に大きく生息数を減らしました。

有明海ではムツゴロウの捕獲禁止区域や期間が設定されていますので必ず守りましょう。

ムツゴロウの釣り方

珪藻(コケ)を食べるのにどうやって釣るの?

ムツゴロウ コケ
餌を使わずに引っ掛けます。アユやボラのようにコケを食べる魚は、引っ掛けるのが一番手っ取り早いという訳です。

今回は有明海で伝統的な漁法として有名な、「ムツカケ」を真似してみたいと思います。

「なんだ、引っ掛けか」って、思うでしょ?

ひっかけ釣り
侮るなかれ。引っ掛け釣りってめっちゃ難しいんですよ。

ボラ掛けやヘラチョウザメのスナッキング、アユの友釣りも経験してきましたが、奥深さや趣の良さが引っ掛け釣りにもあるのです。

今回はトレブルフックとスプリットリングとなすオモリで自作してみました。

 
>>Next Page:有明海でムツゴロウ捕獲なるか?

ムツゴロウを探して、いざ有明海へ!

有明海
海岸線を走っているといきなりこんな可愛いトイレがお出迎えです。

佐賀県ではムツカケ体験やムツゴロウ料理を楽しむことができます。

観光資源としてもムツゴロウは重要な役割を果たしているのです。

干潟は生物の宝庫

干潟
干潟に出てみると良い感じに潮が引いています。

そして、探さずとも沢山のムツゴロウたちが泥浴びしたりジャンプしたり喧嘩したり。

トビハゼやヤマトオサガニも含め、泥の上は大賑わいです!

すぐ逃げる(汗)

ムツゴロウ 釣り
「これは楽勝や!」と、干潟に近づく。すると、沢山いたムツゴロウたちが一斉にサッと巣穴に潜ってしまいました。

これは身をかがめた遠投が必要そうです。

10m程離れていれば、ムツゴロウがこちらを意識するものの逃げません。

1m奥へピンポイントキャスト

ムツゴロウ 釣り
この釣りの一番の楽しみであるピンポイントキャスト。

ムツゴロウに悟られないよう、シャープなキャストが必須。泥にフックがめり込まないよう、ソフトに着地させます。

キャスト制度に加え、サミング技術が無いと成立しない釣りなんです。

泥を滑らすように引くべし

ムツゴロウ フッキング
仕掛けを近づけていくと、ムツゴロウは逃げようとします。

そのギリギリのところで、泥の上を滑らせるようなイメージで針を引きます。

今回はムツゴロウがジャンプすると同時にフッキング!

空中ヒット!

ムツゴロウ ヒット
ジャンプで逃げようとしたムツゴロウに空中でフックが見事に命中。

もんどりうって泥に墜落するムツゴロウ。逃げられる前に一気に糸を巻きます。

ムツゴロウを釣獲

ムツゴロウ
やりました!可愛い干潟のアイドルを釣獲です。

空の外敵から身を守るために、目が頭部の天辺についてますね。

干潟を歩くために、胸ビレが大きく発達しているのも分かります。

手に取ることでその魚をより深く知ることができる。フィールドワークってやっぱ楽しいものです。

ムツゴロウを食べます

僕たちの釣りは「サバイバルスタイル」

ムツゴロウ
せっかく九州まできて、ムツゴロウだけでは終わらないのが僕らの釣行。

次のターゲットを求めて、また別の場所へと向かいます。その前に腹ごしらえが必要なんです。

ということで、今日の晩ご飯はムツゴロウにしましょう。

捌いていきます

ムツゴロウ 料理
胃の中は緑のペースト状でした。珪藻を食べていることを実感できます。

筋肉は赤みががってて、貧酸素耐性が強そうだなって印象を受けます。

素焼きとお刺身で

ムツゴロウ 料理
まずはシンプルに素焼きにしていきます。

香ばしい匂いが食欲に拍車をかける。

あぁ、お腹空いたなぁ〜。

ムツゴロウ 料理
醤油と砂糖でタレを作り、「かば焼き風」も追加。これが、怪魚ハンター山根の晩御飯です。

個人的にはお刺身がとても美味しかったです。やや水っぽいのですが、珪藻由来のほのかなスイカの香りが絶品でした。

アユもそうですが、食べるもので香りが決まるのですね。ごちそうさまでした!

 
撮影・文:山根 kimi ヒロユキ

ライタープロフィール

山根 kimi ヒロユキ
“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。

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山根央之

初めての一匹に最も価値を置くプロアングラー。 20ケ国以上を渡航し釣獲した魚は数百種にのぼる。

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