サクラマスという魚
サクラマスとは、降海型のヤマメのことを指します。
川から海へ降りたヤマメが大海原を旅して回り、大きくなって故郷の川に帰ってきます。そう、サケと同じイメージです。
体長は50〜60センチくらいが殆どですが、大きい個体は70センチを越えます。
非常に美しい銀鱗が特徴の、食べても美味しいサケ科の魚です。
サクラマス釣りのリアル
サクラマス釣りと言うと、かなり敷居が高いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
たしかに、筆者もサクラマス釣りを始めるまでは、中々釣れないイメージで、「何年も釣れない人がいる」と聞いたこともありました。
しかし実際には、釣果はその年の遡上数にもよるので釣れにくい年もありますが、釣り自体はそんなに難しいものではありません。
「ビッグラン」と呼ばれる良い日に当たると、何十本、時には100本以上のサクラマスが川のあちこちで釣れることもあります。
とはいえ、そんなに沢山釣れるのは稀なのですが、その分釣れた時の感動は他の釣りに代えられないほど大きいのが魅力とも言えるでしょう。
フィールドに出てみれば、ガチのトラウトアングラーから食目当ての釣り人まで、それぞれのスタイルでサクラマス釣りを楽しんでいます。
サクラマスのシーズン
サクラマスのシーズンは、資源保護のために各河川によって釣りのできる期間が厳密に定められています。
サクラマスの聖地として有名な福井県の九頭竜川水系は2月、山形や秋田は3月・4月と、解禁時期は各河川の漁協によってまちまちです。
ただし、解禁されたからといってもすぐにサクラマスが釣れるとは限りません。
私が通っている宮城県の北上川水系を例に挙げると、解禁は1月20日ですが、この頃はサクラマスの遡上が殆どありません。
実際に釣りやすくなるのは3月半ば頃からで、ピークは4月から5月のゴールデンウィーク周辺です。
早く釣りたいと解禁日から通う方もいますが、シーズン序盤は寒さも厳しいため、初めての方は釣果が出始めてから釣行するのがオススメです。
サクラマスのタックル
サクラマスタックルと言うと高価なイメージが強く、それも敷居が高いと感じさせる要因でした。
しかし、最近は各メーカーからリーズナブルな物も発売されており、以前と比べるとエントリーがしやすくなっています。
ロッド
本流サクラマスロッドは7フィート台から9フィートを超える物までありますが、フィールドの川幅や使用するルアーに合わせて選ぶのが基本です。
北上川水系を例に挙げると、川幅が広くて時に遠投が必要なこともあり、8~9フィート前後の竿を使用している方が大半だと思います。
プラッギング用・スプーニング用とで使い分ける方もいますが、最初の1本には8フィート後半で28グラム程度のルアーを投げれるロッドを用意すると良いでしょう。
リール
リールはロッドに合わせて番手を選びますが、基準となるのはシマノ・ダイワともに3000番サイズです。
ショートロッドでプラッギングメインならばC3000番や2500番、ロングロッドでスプーンやジグを投げる場合は4000番を選んでも良いでしょう。
また、サクラマスは青物の様に走ったり、激しくローリングしたりするため、かなりバラしやすい魚種といえます。
それゆえに、予算の範囲内でなるべくドラグ性能の良いリールを選ぶのがオススメです。
ライン
かつてはナイロンラインが主流だった時代もありましたが、飛距離・感度・強度と、トータルで考えるとPEライン一択でしょう。
サクラマス自体は0.8号でも十分に獲れる魚ですが、根掛かりの回収等を考えると、1号が無難な号数だと思います。
根掛かりの多いストラクチャー回りを攻める時や解禁直後のガイドが凍る時期は、1.2号〜1.5号の太めのラインを選択する場合もあります。
ルアー
サクラマスの2大ルアーと言えば、スプーンとミノーです。
スプーンは主に、シーズン序盤の低水温期にボトム付近を攻める時や流れが強い時、遠投が必要な時に使用します。
ミノーはフローティングからディープダイバーまで種類もサイズも様々ですが、通う河川に合わせた物を選んでください。
最近のサクラマス釣りはメタルジグやバイブレーション等も使うことも多く、意外と様々なルアーで釣れる魚です。
サクラマス釣りの装備
トラウトベストに木製のランディングネット、小物等のアイテムまで拘ると格好良いですが、一気に揃えるとかなり高額です。
専用品でなければ釣りができないということはありませんので、手持ちの装備を流用してスタートするのが良いと思います。
ウェーダー・タモ・ベストがあれば、問題なく釣りは成立します。現に筆者も、シーバスタックル&装備を流用して始めました。
シーズンが短く、少々ギャンブル性が高い釣りですので、無理して肩肘を張らずに少しづつ揃えながら楽しむと良いでしょう。
ルールは守ろう!遊漁券は必須
本州は河川でのサクラマス釣りを各漁協が管理しており、遊漁券を持っていないとサクラマス釣りができません。
遊漁券は釣具店などで販売されているので、必ず購入してから釣行するようにしてください。
遊漁券を持たずにサクラマスを釣ることは密漁になり、警察に通報されることもあるので気を付けましょう。
遊漁料は各漁協によって金額が異なりますが、遊漁料は漁協の収入となって河川の整備や管理、魚の放流等に使用されています。
また、河川によっては禁漁区間が設けられており、特定の場所での釣りが禁止されていることも。(代表的なのは堰下や魚道)
これらも釣具店や釣り場マップで確認できるので、違反しないように注意してください。
サクラマスのポイント選択
ここまで準備ができたら「いざフィールドへ!」となりますが、どんな釣りでも最初はポイント選択に迷うものです。
大まかなポイントはネットや釣具店でも紹介されていますが、その中でも釣れるピンポイントがあるのは間違いありません。
そのピンポイントとは、他の魚と同じく「変化のある場所」です。
流れのある所やヨレ、潮目、反転流、かけあがり、沈みテトラ、蛇籠、岩陰等が狙い目。
中々釣れないと言われるサクラマスですが、変化に注目して釣りをするだけで、魚に出会える確率はかなり高くなります。
サクラマスルアーのメソッド
サクラマスを釣るに当たっては、ルアーの使い方も重要です。そこで、サクラマスに効く代表的なメソッドを解説します。
どのルアーも基本はただ巻き!
数あるサクラマスルアーですが、どんなルアーも、まずはただ巻きが1番大事なメソッドです。
リトリーブスピードでルアーのレンジコントロールをしながら、時にデッドスローに、時に高速に巻いたりと、ただ巻きと言えども工夫をすることが大切。
どのルアーフィッシングでもそうですが、ただ巻きは基本ですし、1番釣れるメソッドです。まずはしっかりと巻きましょう。
サクラマスにもドリフトは有効!
シーバスフィッシンなどでも用いられるドリフトですが、河川のサクラマス釣りでも有効なメソッドです。
スプーン・ミノーともに使えるメソッドで、飛距離が必要な時や深いボトム付近を攻めるならスプーン、近距離や表層付近を攻める時はミノーを選べば良いと思います。
ただし、スプーンを使う際は根掛かりに注意してください。反応がない時はボトムを攻めたくなりますが、ボトムを流しすぎると根掛りが多発します。
スプーンの場合は、流れに乗せつつ少し速めのリトリーブを心掛けましょう。
ミノーのジャーキング
バスやシーバス等でも有効なミノーのジャーキングは、サクラマスにも非常に効果的です。
魚へのアピールと寄せる力が強いのがジャーキングで、食い気のない魚にも興味を持たせられます。
そのため、遡上したてのフレッシュなサクラマスはもちろん、遡上して時間が経ったスレ気味の個体にも有効なメソッドです。
ルアーを操作してバイトを誘うので、ただ巻きやドリフトに比べて釣った感が強く、とても楽しい釣法でもあります。
手にした時の喜びは何にも代えられない
サクラマス釣りは自分が嗜んでいる釣りの中でも、かなり根気のいる釣りのひとつです。
シーバス釣りはメチャクチャ上手いのにサクラマスには縁がなく、1尾目を釣るのに数年かかった友人もいます(笑)しかし、決して難しい釣りではありません。
その年、その河川の遡上数や遡上のタイミングに左右されることが多く、そこが難しいと言われる所以なのです。
なかなか出会えないからこそ、バイトした瞬間の衝撃、ファイト中の興奮、ランディングした時の安堵感は、手にした者にしかわからない何にも代えがたい喜びがあります。
今年の春は美しい銀鱗のサクラマスを狙ってみてはいかがでしょうか?
サクラマスルアーおすすめ3選
フォレスト リアライズ 24g
ジャクソン メテオーラ
スミス D-コンタクト85
筆者の紹介
目黒毅久
サーフのフラットフィッシュがメインですが、シーバス・ライトロック・トラウト ・オフショア等も楽しんでいます。
サポートメーカーはBuddyWorks・GOSEN。宮城県在住。