最後の一手

シーバスやヒラスズキ、青物を狙ってミノーやらシンペンやらメタルジグをさんざん投げ倒したけど釣れない……。
そんな時ってありますよね。
「今日はそんな日か」って諦めて帰る前に、最後の一手として投げてもらいたいのが、今回紹介するダイワのミドルアッパー。
一見なんてことのないワームですが、使ってみると納得。不思議なほど釣れるので一度使ったら手放せなくなります。
ミドルアッパーの特徴

ミドルアッパーは“モアザン”を冠するシーバス用のワームです。
セットアッパー125S-DR等の名作ルアーを数多くプロデュースした、小沼正弥氏が開発に携わっています。
セットアッパー125S-DRの釣れっぷりを体感した人間としては、「コレは使っておかねば!」と思ったのが使い始めたきっかけだったと記憶しています。
驚くほど超ソフトなマテリアル

なんと言ってもその大きな特徴は、超ソフトなマテリアル。
「特徴はコレに尽きる!」と言っても良いほど、他のワームとは比べものにならない柔らかさです。
ほら、どうですかこの柔らかさ!
素材や作り方には詳しくありませんが、ハンドポワードに匹敵するほどの柔らかさです。
一見なんの変哲もないストレートワームですが、この柔らかさによって艶かしい波動が発生し、魚を魅了するのでしょう。
スイミングとダートを使い分けられる

平らな面からフックを出すようにセットし、スイミングさせて使うのがスタンダードです。

しかし、ひっくり返してダートさせることも可能。
スイミングに反応がない時、ダートさせてリアクションバイトを狙えるので、一人二役してくれるわけです。
実際、ダート後のフォールで喰ってくることは非常に多いです。

ちなみに、ミドルアッパーに合わせているジグヘッドはカルティバの静ヘッド。
レンジキープ能力に優れる上にダートもさせやすく、フックの強度&コスパも申し分ありません。
選べるカラー&サイズ

カラーやサイズはかなり豊富。
Jr.2.5(Jr.)・3.5・4.2inと3サイズが展開されていて、フィールドやベイトのサイズに合わせて選べます。
おそらく一番オールマイティに使えるのは3.5inで、筆者も3.5inが基準です。
近年は銀粉カラーというフィッシュライクなカラーも登場しました。
ミドルアッパーを使い込んでわかったこと
基本的にはただ巻き

スイミングセッティングでのただ巻きや、流れに乗せるドリフトがスタンダードな使い方です。
シャッドテールワームのようなプルプル感は手元に伝わらず、ついついアクションを加えたくもなりますが、余計なことはせずに巻くか流すかがベストだと感じています。
その一方で、ただ巻きやドリフトと一言で言っても、かなり奥が深いのも事実。
水流に合わせて巻きスピードを変えたり、時にリーリングを止めてほんの一瞬だけ間を入れたり。ちょっとした工夫が釣果につながります。
写真のヒラスズキは、1時間ほどいろいろなルアーで叩き倒したスポットで、最後にミドルアッパーを巻いたらガツンッ! と喰ってきました。
使い方というよりは、使いどころを見極める

使い方というよりは「使いどころ」の方が重要な気がしていまして。
というのも、ミドルアッパーは喰わせる力が強い反面、集魚力は弱く、“魚がいると分かっている場所”で有効なルアーです。
反対に、魚がいるか分からないような場所や、サーチ目的でミドルアッパーを使うことはまずありません。
ミノーには反応しなかったのに、ミドルアッパーに替えたら連発! なんてケースはかなり多いです。

ちなみに、ミドルアッパーはかなり魚種無制限。
ゴリやハゼをイメージしてボトム付近をドリフトさせているとチヌが喰ってきました。
何度もミノーを投げたコースでしたが、ミドルアッパーを投げたら一発。

良いか悪いかは別にして、ウグイはミドルアッパーが大好き。
外道ですが良く引いてくれるので、個人的には好きな魚です。
他にもナマズやニゴイなど、フィッシュイーターならなんでも釣れます。

先日磯に行った際は「フィッシュイーターなのか?」って魚も。……まぁなんでも釣れるということです。
磯の場合は、足元のえぐれや手前のサラシなどをフワフワと漂わせていると、下から突き上げるように喰ってきます。
ミノーやジグでは攻めきれないポイントから魚を引き出せるので、個人的には磯でも必須です。
弱点は脆いコト

カマスの猛攻にあってしまうと、一投目でこんなズタズタに(泣)
繰り返すキャストへの耐性は柔らかさの割に強い印象ですが、歯の鋭い魚の前ではこの通り。

二投目はこんな状態で帰ってきました(泣)
3.5inは6本入(750円)なので、こういったシチュエーションで安易に使ってしまうと、ものの数分で一袋を消費してしまいます。
こんな意味でもミドルアッパーはピンスポット的に使うのがオススメです。
買って損なし!

はじめは「ホントに釣れるのか?」と疑ってしまうほど“釣っている感”が薄いルアーですが、一度魚を釣っると手放せなくなるはずです。
ミドルアッパーを持っていなかったらボウズだった。という時は、かなり多かったと思います。
最後の一手として、ぜひミドルアッパーを使ってみてください。
撮影:DAISUKE KOBAYASHI
ダイワ ミドルアッパー jr 2.5in
ダイワ ミドルアッパー 3.5in
ダイワ ミドルアッパー 4.2in