お前……淡水専用のはずじゃ……!?
2019年春、淡水専用モデルとしてリリースされたバリスティックFW。その自重の軽さと巻きの軽さは、コアなアングラーから大きな反響を呼びました。
そして2019年秋、そんなバリスティックにマグシールドを搭載した海水対応モデルが登場したのです!
そこで今回は、リールマニアが実釣を通してバリスティックをインプレします。
ハンズオンの印象
流行りに流されない外観
モノクロのリールが流行する中、落ち着いたゴールドを差し色として入れたコスメにはグッときました。
FWはメタリックグレー系の塗装でしたが、海水対応モデルはピアノブラックです。室内では少し地味に感じましたが、自然光下ではなかなか存在感があります。
このローター、イグジストと同じなんだぜ
筆者がバリスティックでもっとも気に入ったポイントは、イグジストと同じザイオン製のローターです。
軽量かつ剛性のあるローターは、初動が軽いうえに、アタリをより明確に伝えてくれます。
糸をピックアップする部分が広くなったラインローラーや、ラインローラーとの段差が完全になくなったベールは、まさに「イグジスト・クオリティ」です。
樹脂ボディの良さが光る巻き心地
ボディの素材には、12・15イグジストでも用いられたザイオンが選ばれています。ザイオンボディの良さは、なんと言っても“巻きのマイルドさ”にあります。
金属ボディのリールはメカニカルノイズが鋭く伝わってしまう傾向にありますが、ザイオンボディは角が取れたマイルドな巻き心地です。
巻きの好みはアングラーにもよるのですが、バリスティックの巻きを一言で表すと「THE・ザイオンボディな巻き心地」といったところです。
いざ実釣!
今回、実釣に使用したのはバリスティック LT2000SS-Pです(2000番の浅溝、ローギアタイプ)。
海水対応モデルですが、巻き心地を厳しくジャッジしたかったので、あえてエリアトラウトで使ってみました!
軽いルアーが飛ぶ
新形状のLCスプールを搭載し、自重が非常に軽くて振り抜けがいいので、空気抵抗の大きな軽量スプーンもスパッと飛んでいきました。
重いルアーになるとこの感覚は薄れていくのですが、ルアーが軽くなるほど糸抜けのよさが顕著に現れます。
アジングやメバリング、トラウト用に小型番手を使う方はそのメリットをしっかりと体感できるはずです。
ルアーを巻いても滑らか!
カラ巻きでは滑らかだけど、実際にルアーを巻いてみるとイマイチだった……。なんてことは、皆無です。
軽いザイオンローターと2BB仕様のラインローラー、ザイオンボディが組み合わさっているためか、抵抗の大きなルアーを巻いても妙な違和感は一切出ませんでした。
また、超軽量スプーンの動きもバッチリ読み取れるので、トラウトの小さなアタリもリールの回転でキャッチすることができます。
アジングなどのライトゲームはもちろん、海水対応モデルですが、コアなトラウトアングラーも十分満足できるレベルだと思います。
剛性とドラグもバッチリ
速い流れの中で、40センチアップのニジマスをヒットさせましたが、2.5ポンドラインで簡単にランディングすることができました。
流れに乗って魚が走ったシーンでも、ドラグが安定して出てくれるので、針先に常に一定のテンションが掛かってくれます。
ただし、ATD全般に言えることなのですが、個人的にはフッキングや寄せる際の粘りがもう少々欲しいところではあります。
また、剛性も思いのほか強く、負荷が掛かった状態でもリールを巻いて魚を寄せることができました。
ここが気になる……
同価格帯の15ルビアスが日本製だったので、バリスティックも日本製かと思いきや海外製でした。
海外工場の技術も上がっているとはいえ、リールフットには「MADE IN JAPAN」の文字が欲しかった……。
15イグジストの香りがするぞ!
パッケージ・フィーリングともに、15イグジストを彷彿とさせます。
また、17セオリーと比較すると、プラス7,000円でイグジストと同等ローター、自重の軽さが手に入るので、かなりお買い得感もあります。
繊細な釣りをしたい! という方は、ぜひとも手に取っていただきたい1台です。
ダイワ バリスティック LT2000SS-P
ダイワ バリスティック LT2500SS-CXH
ダイワ バリスティック LT2500S-XH
ダイワ バリスティック LT3000S-CXH
ダイワ バリスティック LT3000
ダイワ バリスティック LT3000-XH
ダイワ バリスティック LT4000-C
ダイワ バリスティック LT4000-CXH
筆者について
佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。