ヒラマサという魚について
ヒラマサ(平政)は、スズキ目アジ科の海水魚。アジ科の魚類としては最大種で、亜熱帯・温帯海域を回遊しながら生活しています。強烈な引き味を楽しめる事から釣りの対象としても人気があり、食用に漁獲されている魚です。
形態の特徴
ヒラマサの体は細長く側扁しています。体色は背中側が青っぽく腹側は銀白色。体の側面には太く黄色の縦帯が入ります。同属のブリに非常に良く似ていますが、上あごの後端が角ばらず丸みがあることや、胸鰭が腹びれより短いなどの特徴から見分ける事が可能です。
成魚の体長は1メートル前後が一般的ですが、体長2.5メートル・体重96.8キロという最大記録も残っており、アジ科魚類の最大種ならではの貫禄ある魚体を持っています。
分布と生息域
ヒラマサは全世界の亜熱帯~温帯の海域に広く分布。水温18度~24度の海域でよく見られ、日本においては北海道南部以南の近海に分布するとされていますが、釣獲・漁獲される頻度を考慮すると西日本以南の温暖な海域が中心的な分布範囲と言えるでしょう。
生態
遊泳速度は時速50キロを超えると言われている「海のスプリンター」で、単独または小規模な群れで回遊しながら小魚や甲殻類、イカなどを捕食する肉食魚です。釣りにおいてはこうした食性を利用してルアーや泳がせ釣りで狙われています。
産卵期は4~8月で、分離浮遊卵を生み落とします。稚魚は沖合で浮遊・回遊しながら成長。寿命は約12年とされています。
名前の由来
ヒラマサ(平政)の由来は、ブリよりも平たい魚体に、黄金色の縦の帯が直線状(柾 まさ)である。からついており、マサギ、ヒラソ、ヒラスと地域によって名称が異なります。
ヒラマサとブリの違い・見分け方
ヒラマサとブリはそっくりですが、見分ける方法がいくつかあります。釣り場でヒラマサ、ブリと思われる魚が釣れた場合の見分け方を写真を交えて紹介します!
体高の違い
ヒラマサの名前の由来はブリよりも体高が低く、平たい魚体から来ています。同サイズのブリとヒラマサを比べると、ブリは丸みを帯びたフットボール体型ですが、ヒラマサは細く側扁した体型をしています。
アゴの付け根
一番見た目でわかるのがアゴの付け根です。目の下の口角にあたる部分が丸くなっているのが「ヒラマサ(画像左)」、四角い形状をしているのが「ブリ(画像右)」です。体高で確認する場合は比較するものがない状況がほとんどなので、口角の形状で見分けるのが確実でしょう。
ヒレの色、大きさ

最後にヒレの色や大きさで見分ける方法ですが、一見すると胸ビレ、腹ビレも同じような形状ですが、胸ビレが上を向き腹ビレが大きく端が黄色くなっているのがヒラマサ、ブリは胸ビレが平行で腹ビレの端が黄色くなくヒラマサよりも小さいです。
ただしヒレの色や大きさは個体差があるので、口元や体高も確認したうえで判別をしよう!
ヒラマサの美味しい食べ方
ブリにカンパチ、ヒラマサの3種を指す『ブリ御三家』。その中でも脂肪の少ないヒラマサは、さっぱりとした独特の風味で『青背の貴公子』と呼ばれるほど。小型ものでもブリより美味しいとも言われ、体長1メートル程度までの個体が美味しいとされています。
ブリ属の特徴である透明感のある白身は、熱を通すと締まりますが、様々な調理方法で味わえる魚です。
刺身

ヒラマサの赤い美しい血合いと、食感が良くさっぱりとした旨みの強い刺身は絶品。旬は、初夏から夏と言われますが、秋から冬にかけても脂がのりが良く、クセのない味わいが楽しめます。
漬け

高級料理店でも、なかなか味わうことができな新鮮なヒラマサの漬け。どんぶりにして味わえる漬けは、何杯でもおかわりをしたくなる逸品です。
醤油、みりん、酒、ごま油で30分以上漬け、お好みで白ゴマや大葉、きざみ海苔をトッピングしてみてください。
焼き

塩焼きや照り焼き、西京焼き、酒風焼きなど、様々な焼き料理に適しています。ヒラマサ本来の味を楽しみたい方には、塩焼きがおすすめ。お酒の肴やご飯のおかずとして味わえます。
煮付け

ヒラマサは煮付けのようにしっかり火を通しても絶品。さっぱりとしたヒラマサは、少々濃いめの味付けで、こってりと煮込むと良いでしょう。
また身だけではなく、頭部も煮付ける『兜煮』もおすすめです。
ヒラマサの釣り方
昨今、ヒラマサを狙った釣りは、高いゲーム性とパワフルなファイトが味わえることから、人気が上昇している釣りです。ショアから狙うキャスティングや、船から狙うジギングは、多くのアングラーを魅了しています。
ショアからルアーで狙うタックル
ショア(陸)から狙うヒラマサのタックルは、9~10フィート前後のキャスティングロッドに、大型スピニングのハイギアリール、PEライン6~8号前後、ナイロンのショックリーダー100~130ポンドをセットします。
ダイワ ショアスパルタン 96H
ダイワ キャタリナ 5000H
よつあみ GALIS D-SPEC NYLON
▼ヒラマサのおすすめルアーとタックルを紹介している記事です。
▼ヒラマサの狙い方を紹介している記事です。
オフショアからルアーで狙うタックル
オフショア(船)から狙うヒラマサのタックルは、ジギングとキャスティングでロッドの長さが異なります。ジギングの場合は、5~6フィート。キャスティングの場合、6~7フィート前後。1本でこなす場合は6フィート程度がおすすめです。大型スピニングのハイギアリール、PEライン3~4号前後、ナイロンのショックリーダー50~80ポンドをセットします。
シマノ オシアジガー S623
シマノ バイオマスターSW 8000HG
モーリス バリバス アニバ ジギング10×10 マックスパワーPE
モーリス バリバス ショックリーダー ナイロン
ヒラマサは釣り味も食味も青物の王者
釣りに食に人気のヒラマサ。ブリと似ていることから、見た目での判断は難しいものの、その味は別物。鮮度の良いヒラマサは、思った以上に高値で、なかなか手がでないこともあるのではないでしょうか。そんなヒラマサを思う存分に堪能できるのは、釣り人の特権! 大海原へ向かってルアーをキャストし、釣りたてのヒラマサを味わってみてはいかがでしょうか。




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