悔しい思いがまっちゃんを動かした

それは春イカシーズン真っ只中、事件が起きました。
早朝4時から約12時間、餌木をひたすらキャストしてノーバイト。「イカは絶滅してるんじゃ?」と本気で疑い始めたころ、老夫婦が隣で釣りの準備を始めていました。
「何釣りかな~?」と見ていると、老夫婦は活きアジを泳がせています。そして……キロアップはあろうかというアオリイカを開始早々連発させたのです。
やってやるって!

悔しさが頭から離れないので、あのとき老夫婦がやっていたヤエン釣りにレッツチャレンジ。
しかしお小遣い制パパアングラーである「釣り好き!まっちゃん」には、ヤエン専用タックルを購入する資金なんてありません。
なので今回は普段のエギングで使用している“8.6フィートのエギングロッド”で挑みます!
そもそもどんなシステムなの?

餌木より釣れる(?)と噂のヤエン釣りの方法について、一連の流れを見ていきましょう。
小魚を沖へと泳がせる

アオリイカの好物であるアジやイワシなどを生きた状態で、沖へと泳がせます。
生き餌の固定には、糸ヨレを防止するサルカン付きタイプのものがオススメです。
イカが抱いても慌てない

生き餌を沖へと泳がせたらドラグを最大限に緩め、イカが抱くのを待ちます。
イカは生き餌を安全な場所まで運んでから捕食を開始するので、ラインテンションをかけず違和感を与えないようにしましょう。
寄せてからヤエンを投入

捕食夢中となったアオリイカは、ラインを巻きとっても餌を離しにくい状態となります。
ロッドから20メートル圏内まで寄せたら、いよいよ“ヤエン”の投入です。
ライン角度を斜め45度に保ち、ヤエンをアオリイカまで到達させフッキングを決めます。
実釣開始!

一連の流れを理解し、エギングロッドでヤエンに初挑戦してみます。
イメージは完璧! これはもう、釣れたも同然ですよ。
餌は現地調達で

生きた餌を購入し、釣り場まで運ぶのは手間が掛かります。活きやコスト面を加味し、現地調達してみました。

この日はアジングで豆アジを仕入れ、水汲みバケツで活かしておきました。
アジをコントロール

出来るだけ遠投して、アジを沖のボトムへ送り出していきます。
しかし生き餌のコントロールが予想以上に難しく、これは練習の必要性を感じました。

また生き餌が弱ってくるとボトムに潜らなくなってきますので、アタリを待っている間にアジングでアジを仕入れます。
待望のアタリが!

20分~30分置きにアジを新しいものに交換し、アタリを待つ間にアジングのサイクルを繰り返していると、リールスプールがジーーーーと回り出しました。
思わず合わせを入れたくなる瞬間ですが、慌てずイカが捕食に夢中となるまで待ちます。
運命のヤエン投入

アタリがあってから間もなく、勢いよく走っていたラインがピタッと止まりました。
これは捕食をしている……! と判断し、イカの重みを感じながらそぉ~っと寄せていきます。

ある程度寄せたところでヤエンを投入! しかしヤエンを行うにはロッドが短いのか、思うようにヤエンが進みません。
更にはターゲットにヤエン仕掛けがたどり着いたか分からず、ロッドを何度も煽ってしまいました。

闇雲に合わせを入れた結果、アジだけが帰還するという残念な結末。

しかもアジの頭部を軽くかじられた程度と、本格的な捕食に入るまで待ちが甘かったと猛省しました。
ここが厳しかった

今回エギングロッドで初のヤエン釣りにチャレンジしましたが、専用ロッドが必要な理由が分かった気がします。
実際にやってみて、厳しかった点をご紹介します。
キャスト性能

主流のエギングロッドは3.5号餌木、約20グラムのルアーをキャスト出来るよう設計されているため、生きた餌をキャストするにはそもそもスペック不足です。
アオリイカが居る沖へ生き餌を遠投、生き餌の操作とエギングロッドではさすがに限界を感じました。
ヤエンが届きにくい

ヤエン専用ロッドは全長約5メートル前後に対し、エギングロッドはせいぜい2.7メートルと半分の長さしかなく、ライン角度を作れないことからヤエンがターゲットにたどり着かないと致命的な欠点がありました。
私のようにヤエンがターゲットにたどり着かないので、何度もロッドを煽りイカに違和感を与え痛恨のバラシを味わいました。
足場の高い堤防に立てば何とかなるかも知れませんが、生き餌の操作やランディングを考えると色んな面でかなり分が悪いです。
リベンジします

エギングロッドでもヤエン釣りを出来ないことはないのですが、多くの欠点があり結果を出すにはかなりの好条件が揃わないと難しいでしょう。
ネットで調べたところエントリークラスのロッドであれば一万円以内で収まりそうなので、次回は専用タックルでヤエン釣りに挑戦したいと企んでいます。
釣れはしなかったものの、ヤエン釣りのドキドキ感は味わえました。
是非TSURI HACK読者のみなさんも、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?