最も悔しい瞬間=バラシ
試行錯誤を繰り返し、ようやく魚に口を使わせた瞬間の気持ちよさは、釣り人にとって何ものにも代えがたいもの。
口を使わせた後は興奮のファイトが始まるのですが、この後、釣り人に最も悔しい瞬間が訪れることがあります。
そう、ラインブレイクやフックアウト、バラシというやつです。
釣り人なら掛けた魚は絶対獲りたい。皆そう思っていませんか?
私がお悩み解決します
ビックリマン高田
Chilltrip所属のプロガイドかつロッドメーカーTranscendenceのプロスタッフ。
お客さんの釣りを手助けしたり、バラさない竿を造るのが仕事なので、バラさないファイトの研究は超重要。
今回は簡単に誰でも出来るファイトやフッキングの工夫を伝授します。
バラシ激減法・その1)ドラグゆるゆるファイト
スピニングタックルを使用した釣りで、有効なのが「ドラグゆるゆるファイト」です。
初心者のゲストには必ずお勧めしている方法で、不意に大きな魚が掛かっても、時間をかければ高い確率で魚を獲ることができます。
文字通りドラグを緩めに設定するのですが、イメージとしては糸を手で引っ張った時に、さほど強い力をかけずともドラグが作動するくらいがよいです。
引っぱって“ジリジリ”出るくらいがベスト
※糸を引っ張った時にジャーっ!と糸が出てしまうくらい緩めてしまうとフッキングもままならずバックラッシュの原因にもなりますので注意してください。
あとは魚が掛かったらドラグをジリジリ出しながら巻き続けるだけ。
ここで重要なのは、「ずっと巻き続ける」こと。
ドラグを出しながら、常にリールを巻くことでラインに大きなショックを与えることなく、またラインを緩めずにファイトすることができます。
細い糸を使っている時や、シーバスなどジャンプを繰り返す魚、アジ系の口が裂けやすい魚を相手にする時に特に有効です。
この70UPのヒラスズキは夜磯で釣った魚ですが、その時の使用ラインは0.8号+20ポンドフロロリーダー。磯でこのサイズが獲れるのはドラグをゆるゆるにしてこそ。
また応用編としてアカメなどの口が固いけどジャンプをしやすい魚相手には、ドラグを強めに設定してフッキングした後にゆるゆるにする……という技もあります。
バラシ激減法・その2)フッキングを使い分ける
魚の種類やルアーによってきっちりフッキング(アワセ)を使い分けましょう。フッキングをうまくできるどうかが、魚を獲れるか獲れないかを左右すると言っても過言ではありません。
フッキングは状況によって瞬時に判断せねばならず、練習と経験は必要な技術ですが、今回は今日からできる3つの使い分けをご紹介します。
▼フッキングの基本はこちらの記事でおさらい
パターン1:きっちり食い込ませてのフッキング
ブラックバスや雷魚のようにきっちりとルアーを咥える魚に有効なテクニックです。
バイトがあったらリールを巻き、十分に糸ふけをとってから手前に勢いよくロッドを引き寄せてフッキングしましょう。
魚の噛む力が強い魚が多いので、重要なのはきっちり糸ふけがなくなるまで糸を巻くことです。
糸がたるんだままフッキングすると力が伝わらないばかりかラインのショック切れに繋がります。
パターン2:即フッキング
ひったくっていくようなバイトが多い、シーバスなどに有効なフッキングです。
ブラックバス釣りにおいても、バイブレーションのフォールなどで口を使う魚にもこのフッキングが向いているでしょう。
フックはシャープな新品のものを使い、魚がコンタクトした瞬間、フックに最も速く力が伝わる角度にフッキングします。
また根魚など、時間をかけると障害物に潜られてしまうような魚にも、この即フッキングが必要です。
パターン3:巻きアワセ
トラウトやメバルゲームなどライトなタックルで身切れしやすい魚に有効なのがこのフッキングです。
スイープフッキングともいい、巻き続けながらスローにロッドを手前に引いてやります。
細軸のフックや柔らかめの竿が向いています。硬い竿でやる場合は“バラシ激減法その1”のドラグゆるゆるファイトを併用するとよいでしょう。
バスやシーバスでもルアーやセッティングによってはこの巻き合わせが有効な場面も多くあります。
なぜかフッキングが決まらずバレてしまう……そんなときは上記3つのアワセをそれぞれ試してみるとバラしを激減させることができるかもしれません。
バラシ激減法・その3)ファイト中ロッドを体の近くから離さない
フッキングも決まった後は魚とのファイトを制するだけ!なのですが、ここで気を付けたいことが一点あります。
それは、ファイト中ロッドを体から遠くの位置で持ってしまうというミス。
人間は体からタックルが離れれば離れるほど力が入らず、細かい操作もできなくなります。
例えば天井の電球交換する時、作業自体は簡単なはずなのに、体から遠く離れてるので力が入りずらく、難航することがありませんか?
これが胸の高さにある電球を交換する場合、同じ作業なのにとても簡単に感じるでしょう。
釣りでも同じこと。力を入れたり、魚の引きに対応するには体の近いところでロッドを保持しましょう。
いいロッドの構え方
ジャンプに対応しようとして、腕を伸ばしてしまったりすると魚のツッコミなどへの対応が遅れてしまいます。
ダメなロッドの構え方
特に硬いロッドのパワーを生かすためには必ず体に近いところでロッドを保持して操作しましょう。
リールの巻き取る力も同じく体に近いほうがしっかり入ります。
ぜひお試しあれ!
せっかく訪れたチャンス。しっかりとキャッチにつなげられるようにしたいですよね?
ぜひ、紹介した3つの方法を意識しながら釣りを楽しんでください!
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