“釣り用偏光グラスの代名詞”

おそらく、そう言って異論はないであろう「Zeque(ゼクー)」。
プロ・アマ問わず、多くの本格派アングラーから長きにわたって愛用されている偏光グラスブランドです。
しかし、使ってみたいと思ってもルアーを1個買うのとは少々ワケが違います。
「ちょっと高くて買うのを躊躇してしまう……」「安い偏光グラスとはどう違うのだろう?」と、まだ購入に踏み切れていない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ゼクーの偏光グラスを使用し、「なぜゼクーが支持され続けているのか?」 その理由を実際に体感してきました。
ゼクーが支持される“3つの理由”
釣りに特化した機能的なフレーム

いわゆるファッション系サングラスや安価な偏光グラスとは決定的に異なるのが、釣りに特化したフレーム設計になっていること。
いわば、偏光グラスという名の釣具なわけです。
例えば、日本人の顔に合わせたデザイン、幅広い顔立ちに合わせられるラインナップ、長時間着用時の掛け心地、遮光性、風対策などなど……。
釣りにおける“Form follows function(形態は機能に従う)”が徹底されているのです。
高性能レンズとの相性を考えた設計

ゼクーの偏光グラスは、全モデルに光学性能の高い偏光レンズが採用されています。
それも、ただ高性能なレンズを入れているだけではありません。
はじめからレンズとの相性を考えたフレーム設計となっているため、偏光レンズの性能をフルに活かせるのです。
さらに、ひとつひとつが職人の手によって調整をかけながら組み上げられ、その後精密に検査されるため、製品としての精度が非常に高いのです。
アフターサービスの充実

ゼクーはただ良い物を作っているだけではなく、「良い物を長く使ってほしい」という想いからアフターサービスも充実しています。
中には、10年以上使った偏光グラスを修理したケースもあるのだとか。
また、直営のショールーム「SALOO(サル―)」も大阪にあり、購入前の相談からフィッティングはもちろん、購入後のメンテナンスにも手厚く対応してくれます。
最新&人気モデル5型をレビュー!

ここからは、最新モデルとおすすめモデル5型をレビューしていきます。
それぞれのフレームにどんなこだわりが詰まっているのか、掛け心地や見え方はどうなのか、実際に釣りをして確かめてきました。

ちなみに、レビュアーは筆者KOBAYASHI。堤防からサーフ、磯、渓流まで日々魚を追っているルアーマンです。
じつは少し前に偏光グラスを紛失してしまい、そこから「良い偏光グラスを買おうかな〜」とは思っていたものの、なかなか購入には踏み切れずにいました。
そんなボクが「ゼクーの偏光グラスを使ってみたら……?」といった視点でもお届けいたします!
※撮影のためにアシスタント(モデル)を起用しています
DD(ディーディー)

まずは今春リリースの「DD(ディーディー)」。
フレームのラインナップはマットブラック、グロスブラック、ガンメタルの3種類です。
今回使用したのはマットブラックで、レンズはTRUVIEW SPORTS(トゥルービュースポーツ)との組み合わせ。

異なる素材を組み合わせたことで、立体感のあるフレームデザインと、広い視界を確保できるようになっているのがDDの大きな特徴です。

上から見ると、フレームのフロント部分がゆったりとカーブしたデザインになっています。
なるほど、フレームとレンズが顔の丸みに沿うことで、視界を広く確保できるわけですね。

掛けてみるとよく分かりますが、スッと鼻に乗っかる自然な感覚が素晴らしい。
後述する重量バランスの良さが効いていて、非常に軽い掛け心地です。
日本人の顔立ちを考えてデザインされているため、フレームが顔に沿うようになっているにも関わらず、まつ毛がレンズに当たることもありません。

フロントの側面部分は、遮光性を高めて風の巻き込みを防止するバイザー仕様になっています。

ゼクー製偏光グラスに共通することですが、フロントとテンプル※の接続部には遊びとなるスペースが設けられています。
※フロントからこめかみを経由して、耳に掛ける部分
これによってテンプルの稼働範囲を稼ぎ、フィット感を高めているのです。
ボクはサングラス・メガネはきついと感じやすいタイプ(やや顔が大きめ)ですが、耳の後ろが痛くなるような締め付け感はなく、それなのにフィット感が良くて驚かされました。

偏光グラスはフロントヘビーになりがちで、釣りをしているうちに落ちてきて煩わしい思いをすることも。
しかし、DDはテンプルの後方に自重を持たせ、50:50に近いバランスが取れるように設計されています。
良いタックルバランスと同じ考えですね。

テンプルの後端部分(モダンと呼ぶそうです)を指で押して曲げれば、メガネ屋さんに行かずとも好みのフィット感に調整できます。
TRUVIEW SPORTSは、自然な色合いのままコントラストを強調してくれるのが特徴。
あくまでも見え方は自然に、物体の輪郭をはっきりさせてくれます。
オールマイティーなレンズカラーだといえるでしょう。
Julia(ジュリア)

こちらも今春リリースの「Julia(ジュリア)」。
フレームはマットブラック、ライトネイビー、ライトローズの3種類です。
今回使用したのはライトネイビーで、レンズはEASE GREEN(イーズグリーン)。

この通り、ボストンタイプなのでパッと見はカジュアルなルックスです。
「釣りというよりもタウンユースとして重宝しそうだな」というのが最初の印象でしたが……

使ってみるとビックリ。
上部にはバイザーが設けられており、しっかり釣り用偏光グラスとして設計されています。

フロントは顔に沿うようにカーブしており、フィット感&遮光性もGOOD。
また、ボストンタイプのセルフレーム(プラスチック製フレーム)ながら、ノーズパッドが調整式なのもポイントです。
フレームと一体型のノーズパッドだと、顔立ちによってはずれ落ちやすいものですが、そんな煩わしさはありません。

こちらもモダン部分が調整可能。
普通のセルフレームならこんなことはできませんが、テンプルの素材を切り替えることで可能にしています。

ドライブがてらちょっと釣りに……なんてライトに釣りを楽しみたい方には最適な選択肢かもしれません。

カジュアル用としても釣り用としても、そして男女問わず使いやすい偏光グラスとして仕上がっているように感じました。
EASE GREENはとくにローライト時に効果的と言われるレンズ。
光量が少ない状況においても、視界を暗くすることなく情報を与えてくれます。
色が全体的に緑がかるので、同色系のウィードを見やすいことも特徴です。
HOVER(フーバー)

ここからは定番の人気モデルをご紹介します。
まずは「HOVER(フーバー)」。使用したカラーはガンメタリックで、レンズはLUSTER ORANGE(ラスターオレンジ)との組み合わせ。

なんといっても、両サイドに装着された大きなバイザーがHOVERの特徴です。

スリムでストレートなテンプルゆえにキャップを被ったままでも装着しやすく、掛けていてもまったく邪魔になりません。

感心したのは、テンプルをたたむ時にバイザーも同調して格納されること。
たたむ時はまずバイザーを外してから……なんて手間もないですし、バイザーを紛失するリスクもありません。

HOVERはモダン部分の調整はできませんが、しなやかなテンプルによって確かなフィット感を得られます。

横からの光を完全に遮断するバイザーのお陰で、視界は非常にクリア。
正直、「これほど釣りに集中できるサングラスはない」と、使って感じました。
また、この手の偏光グラスはどうしてもルックス的な違和感が強くなるものですが、HOVERはすっきりと収まってくれます。

遮る物のない釣り場での横風は本当に煩わしいものですが、そういったシチュエーションに強いのもHOVERの魅力。
この日のサーフは暴風・激荒れの状況でしたが、快適に釣りができました。
偏光グラスには、“見る”こと以外にも重要な役割があることを体感できるはずです。
LUSTER ORANGEはとくに曇天・マズメにマッチすると言われるレンズです。
マズメ時に撮影した写真ですが、明るさを残したまま、海中の物体の輪郭や陰影を強調してくれています。
EASE GREENと似た特性ですが、濁っている状況でも見えやすいのがLUSTER ORANGEです。
Linx(リンクス)

次に紹介するのは「Linx(リンクス)」。
使用したカラーはブラウンデミで、レンズはミラー加工が施されたTRUVIEW SPORTS MIRROR(トゥルービュースポーツ ミラー)。

Juliaと同じく、セルフレームのウェリントンタイプです。
こうして見ると、釣り用偏光グラスには見えませんよね。

でも、そこはゼクー。
側面から上部にかけてはバイザー形状になっていて、遮光・遮風が徹底されています。

テンプルは太くてクラシックな形状。
テンプルが細身だとバイザーの存在が際立ちがちですが、テンプルに存在感があるので全体的にまとまって見えてくれます。

今回使用した中で一番重いモデルですが、重量バランスが良く、調整式のノーズパッドなので掛け心地も良し。
また、テンプルが太いので小顔効果も高く、華奢なフレームが苦手な方でも掛けやすいウェリントンだと思います。

「実釣性能も譲れないけど、カジュアルに掛けたい」という方にはピッタリの1本でしょう。
ミラーレンズとの相性も抜群です。
基本的な見え方はTRUVIEW SPORTSに準じ、自然な見え方でコントラストを強調してくれます。
ミラー加工がされている分、日差しが強い状況では目が楽です。
STELTH(ステルス)

最後に紹介するのは「STELTH(ステルス)」。
使用したカラーはマットブラック、レンズはMASTER BLUE(マスターブルー)です。

ワイドなレンズですが、スッと馴染むスタイリッシュなルックス。
まるで身体の一部かのような掛け心地で、フィット感も文句なしです。

ゆったりとカーブしたフロント部分も高いフィット感を生んでいるはず。
海外製サングラスとは異なり、日本人の顔立ちに合わせているからこそのフィット感なのでしょう。

鼻にフワッと乗っかる感覚は、偏光グラスに慣れていないがゆえに、掛ける度に毎回感動します。
もちろんSTELTHも調整式ノーズパッドを採用。
視界は広く、フレームが入り込みません。

軽量化のためか、テンプルには肉抜きが施されています。
また、ヒンジ(フロントとテンプルの繋ぎ部分)はβチタン製スプリングヒンジを用いており、フレキシブルに可動。
言われなければ分からない部分にも、凝った素材や作りが惜しみなく投入されています。

モダン部分は調整可能。
シルエットや掛け心地も含め、幅広い方にマッチすると思うので、最初の1本にもおすすめしたいモデルです。
このMASTER BLUE(マスターブルー)、じつはゼクーでしか取り扱いのないオリジナルカラーのレンズです。
色合いが自然なグレー系をベースにブルーが配合されており、同系色の青や白系のカラーを強調してくれます。
とくに透明度の高い場所や黒潮が当たるような海域と好相性ですが、じつはかなり万能に使えるカラーです。
ちなみに、開発時は“磯釣りの鬼才”こと松田稔氏が大量のサンプルを磯に持ち込み、その中から一番深くまで見えたカラーを製品化したそう。
このMASTER BLUEを選択できるのもゼクーの魅力というわけです。
釣り用サングラスブランドとしての誇り

今回紹介した5モデルはどれもシルエットや細かな仕様は異なりますが、すべてに共通したのが掛け心地の良さ。
そして、遮光・遮風に優れるので、高性能レンズが活きてよく見える。
今まで“高性能レンズ=良い偏光グラス”だと思っていましたが、そのレンズのポテンシャルを発揮させられる“フレームがあってこそ”だと分かりました。
一度掛けてみると感動があると思うので、偏光グラスを探している方は釣具店やショールームでぜひ一度掛けてみることをおすすめしたいですね。
撮影:DAISUKE KOBAYASHI
sponsored by:GLEN FIELD