フグってどんな魚?

昔から高級食材として日本人になじみの深い『フグ』。その種類は実に多く、世界規模でみると、フグ科に分類される魚はなんと120種類にも及びます。
また、極上の美味として知られるフグですが、その多くが毒を体内に持っているので、調理をする際にはふぐ調理師免許が必要な危険な一面を持ち合わせています。今回はそんなフグについての情報をご紹介していきます。
フグの特徴と生態

フグといえば体を膨らませる姿を思い浮かべる方が多いでしょう。これは威嚇のためであり、空気や水を吸い込んで体を2倍以上に大きく見せることができます。また、歯がとても鋭く、仕掛けやワームを食いちぎられてしまう事から、釣りにおいてはエサ取りとしてやっかいもの扱いされがちなところもあります。
フグの分布、生息域

フグはその多くが海水に生息していますが、なかには淡水に生息しているものも。可愛らしい姿は熱帯魚ファンにも人気で、淡水で生息している小型のフグは観賞用として販売されています。
▼フグの種類ってこんなにいるの?
絶品!フグ料理7選
昔から高級食材として日本人に親しまれてきたフグ。日本では22種類が食用として認められていて、可食部位である身や白子はさまざまな調理法で食べることが可能です。ここでは代表的なフグ料理を7つご紹介していきます。
てっさ(刺身)

フグ本来の味を楽しめるのがてっさ(刺身)です。調理する際は薄造りが基本とされ、向こう側が見えるような美しい身が特徴です。弾力のあるてっさは、ポン酢や薬味を添えて食べることで、フグ本来の旨味を存分に味わうことができます。
てっちり鍋

フグ全体を余すところなく食べることができるてっちり鍋。フグは昆布だしや野菜との相性が良く、上品な味を楽しむことができます。骨がついている身は食べやすくなり、身はさっと出汁にくぐらせて食べると絶品です。
から揚げ

衣をつけてカラッと揚げたから揚げもフグ料理の定番です。外はからっと中はジューシーな食感を楽しめます。フグそのままの味を楽しむも良し、少しタレに漬けて揚げてみるも良しの調理法です。出来たて熱々の状態でぜひ召し上がってみてください。
焼きふぐ

焼きふぐは、香ばしい香りが食欲をそそる調理法。タレを絡めた身をじっくりと焼いてみてください。骨のある部分も焼くと食べやすくなります。調理の際は炭火が使えれば最高の状態で食べることが出来るでしょう。
白子天ぷら

フグの可食部位では、最も希少な白子を天ぷらにした料理はとても貴重なもの。とろりととろけるような食感は白子天ぷらならではのものです。白子は希少で食べることが出来る機会が少ないので、機会があればぜひ味わってみてほしい絶品料理です。
皮刺し

フグは種類によって皮も食べられます。代表的なものはトラフグでしょう。皮を湯引きして千切りにし、てっさと同じようにポン酢と薬味を添えて食べてみるのがおすすめです。食感は歯ごたえがあり、お酒との相性もよい料理です。
ヒレ酒

焼いたフグのヒレを熱燗に入れたヒレ酒。調理の注意点としては、ヒレの焼き加減がキモとされていて、焼き過ぎると苦く、焼きが足りないと生臭さが残ってしまったりと意外に奥が深い味わい方です。通販で取り寄せも簡単なのでぜひご自宅で楽しんでみてはいかがでしょう。
フグ毒の危険性とは?

とても美味しいフグですが、テトロドトキシン毒という猛毒を有するとても危険な魚。テトロドトキシン毒は別名「フグ毒」とも呼ばれ、その危険性は誰もが知るところですが、自己判断で調理してしまって発症してしまう事故が毎年のように発生しています。ここではテトロドトキシン毒の危険性についての情報をお届けします。
テトロドトキシン毒の危険性を知ろう

摂取から24時間以内に亡くなってしまうこともある猛毒のテトロドトキシン毒。300度以上に加熱しても分解されることはなく、青酸カリの850倍とも言われる毒性の強さがあるとても危険な毒です。摂取してしまった場合は、代謝で無毒化されるのを待つしかありません。
▼テトロドトキシン毒の危険性を詳しく解説
必ずフグ調理師免許を持つ人に捌いてもらおう
フグを調理する際には、ふぐ調理師免許が必要です。各都道府県が行っている試験において免許を取得した人のみが、ふぐを調理することができます。テトロドトキシン毒を摂取してしまった場合は命にかかわりますので、絶対に自己判断で調理することはしないでください。
フグの種類ってどのくらいいるの?
| ふぐの種類 | 筋肉 | 皮 | 精巣 |
| トラフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| マフグ | 〇 | × | 〇 |
| アカメフグ | 〇 | × | 〇 |
| ショウサイフグ | 〇 | × | 〇 |
| メフグ | 〇 | × | 〇 |
| コモンフグ | 〇 | × | × |
| ヒガンフグ | 〇 | × | × |
| カラス | 〇 | 〇 | 〇 |
| シマフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| ゴマフグ | 〇 | × | 〇 |
| カナフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| シロサバフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| クロサバフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| ヨリトフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| サンサイフグ | 〇 | × | × |
| イシガキフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| ハリセンボン | 〇 | 〇 | 〇 |
| ネズミフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
| ハコフグ | 〇 | × | 〇 |
| ナシフグ | 〇 | × | 〇 |
| クサフグ | 〇 | × | × |
| ヒトヅラハリセンボン | 〇 | 〇 | 〇 |
日本で食用として認められているフグは22種類。それぞれの種類の可食部位や、食べてよい漁獲地域などが定められています。しかし、この可食部位はあくまで参考で、現在では雑種フグと呼ばれる混合種も居るので食べるときには注意が必要となっています。
毒の部位が変わる!雑種フグとは?

雑種フグとは違う種類のフグが交雑することで生まれたフグのこと。親となるフグと同じ場所に毒を持っているとは限らず、可食部位が不明となりがちな危険性を持っています。見た目も親の両方を特徴を持っていたり、どちらかに偏っていたりするので見分けがつきにくいです。このようなフグは絶対に食べないことが必要となるでしょう。
フグを釣るならカットウ釣り

フグ狙いではカットウ釣りが有名です。歯が鋭く口が小さなフグは釣るのが難しいため、エサによってきたフグを大きな掛け針で釣り上げるのがカットウ釣りの特徴となっています。
特に東京湾で盛んにおこなわれていて、ふぐ調理師免許を持つ船長や船宿においては釣ったフグを捌いてくれるサービスを行っているところもあります。カットウ釣りの詳しい内容については下記の記事を参考にしてみてください。
▼フグの釣り方『カットウ釣り』を解説!
カットウ釣りのタックル&仕掛け
エサによってきたフグを、素早く針に掛けなければならないカットウ釣り。先調子のロッドを用いることが多くカットウ釣り専用の竿や、流用できるものとして同じく先調子であるカワハギ竿が使われることも。下記にタックル例をご紹介しますので参考にしてみてください。
ダイワ 18 スパルタン TW 100HL
絶品のフグを味わってみよう!

危険な猛毒を持つ反面、一度味わうとその美味しさに魅了されてしまう人が多いフグ。繊細なカットウ釣りという独特の釣り方にハマってしまう人も多いです。ぜひ魅力たっぷりのフグを食べたり釣ったりして楽しんでみてはいかがでしょうか。





