ふぐの種類ってどのくらい?
日本近海のふぐは約50種類も存在するとされており、高級食材として代表的な「トラフグ」から、堤防釣りのエサ取りとして敬遠されている「クサフグ」までさまざま。
また一般的なふぐだけでなく、意外な魚もふぐの仲間だったりします。今回はそんな『ふぐ』についての情報をご紹介していきます。
ふぐの種類ってこんなに多い?
ふぐと言えば丸みを帯びていて、釣り上げたり刺激を与えたりすると、膨らむというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、広く見てみると、エサを取るのが上手な「カワハギ」や、水族館の人気者「マンボウ」もふぐの一種とされています。世界規模でみると実に100種以上にものぼると言われています。
食べられるふぐの見分け方ってある?
釣り人なら自分で釣った魚を、自分で捌いて食べたいものですよね。高級食材のふぐは刺身や鍋で絶品です! しかし、皆さんご存知のように猛毒を持つふぐの種類が多いのも事実。
ここでは、その代表的な毒であるテトロドトキシン毒の危険性についてお届けします。
ふぐの持つテトロドトキシン毒の危険性
ふぐ毒として有名なテトロドトキシン毒。摂取してしまった場合「体の麻痺」が主な症状としてあらわれます。急速に進行すれば、摂取から24時間以内に亡くなってしまう例もある非常に危険な毒です。
テトロドトキシン毒は、解毒方法が見つかっておらず、体から排出されるのを待つしかありません。詳しい内容については下記の記事リンクを参考にしてください。
▼テトロドトキシン毒の危険性を詳しく解説
絶対に自己判断はしない!
ふぐは種類によって、身や皮、内臓と食べられる部分が異なります。それらを理解し、食用に調理・提供することを認められている資格が「ふぐ調理師免許」です。
万が一ふぐの毒を摂取してしまった場合は、命に関わることもありますので、絶対に自己判断をせずにふぐ調理師免許を持った人に捌いてもらいましょう。
食用として認められているふぐの種類
日本で食用として認められているふぐは全部で22種類。(※2018年5月現在) ただし、ふぐによって食べられる部位は決められています。
また、地域によっては食用とすることが出来ない部位や、定められた処理法のみ食用にできるということもありますので注意が必要です。
ふぐの種類別、可食部位
ふぐの種類 | 筋肉 | 皮 | 精巣 |
トラフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
マフグ | 〇 | × | 〇 |
アカメフグ | 〇 | × | 〇 |
ショウサイフグ | 〇 | × | 〇 |
メフグ | 〇 | × | 〇 |
コモンフグ | 〇 | × | × |
ヒガンフグ | 〇 | × | × |
カラス | 〇 | 〇 | 〇 |
シマフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
ゴマフグ | 〇 | × | 〇 |
カナフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
シロサバフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
クロサバフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
ヨリトフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
サンサイフグ | 〇 | × | × |
イシガキフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
ハリセンボン | 〇 | 〇 | 〇 |
ネズミフグ | 〇 | 〇 | 〇 |
ハコフグ | 〇 | × | 〇 |
ナシフグ | 〇 | × | 〇 |
クサフグ | 〇 | × | × |
ヒトヅラハリセンボン | 〇 | 〇 | 〇 |
コモンフグ及びヒガンフグは、岩手県や宮城県の一部で漁獲されているものは食用禁止と定められています。また、ナシフグは特定の地域で漁獲されたもので、長崎県が定める規定に基づいて処理されたものの可食部位のみ食べることが認められています。
ただし、現在では別の種類が交雑して生まれた「混合ふぐ」も増加してきているため、どこに毒を持っているか分からなくなっていることも……。 ふぐを食べるときには細心の注意が必要となります。下記では代表的なふぐについてご紹介していきます。
トラフグ
ふぐの中で最も高級品として知られるトラフグ。ふぐの王様とも称され、身に旨みが凝縮されていて、白子は極上の味わいです。薄造りやてっちり鍋、ヒレ酒などさまざまな調理法を楽しめます。
東京湾でも狙うことができ、カットウ釣りは高いゲーム性と高級フグが釣れることから高い人気を博しています。
マフグ
トラフグが「ふぐの王様」と称されるのに対し、マフグは「ふぐの女王」と呼ばれています。比較的寒い地方を好んでいて、冬に旬を迎える魚です。
養殖物が多いトラフグに対し、マフグはそのほとんどが天然物。冬に旬を迎え、釣り方はふぐの代表的な狙い方のカットウ釣りが用いられています。
ショウサイフグ
ショウサイフグは秋に数狙いを楽しめるふぐです。ほかのふぐと見分けがつきにくく、混合フグも居ることが確認されていますので食べるときには注意が必要となります。
東京湾や外房ではカットウ釣りの好ターゲットとして知られ、白子が大きくなる春から初夏、数釣りができる秋には、多くの釣り師で乗合船が賑わいます。
サバフグ
サバフグは全国各地で見られるふぐ。細長い体型をしていて、シロサバフグやクロサバフグという種類は毒を持っていない珍しいふぐです。これらは汁物や竜田揚げ、一夜干しにして食べることができます。
ただし、ドクサバフグという毒を持った見分けがつきにくい種類も居ますので注意してください。
イシガキフグ
イシガキフグはハリセンボンの仲間で、体表に硬い棘を持っているのが特徴です。大きいものでは80センチほどになる個体も。イシガキフグは磯で狙うことができ、フカセ釣りやぶっこみ釣りで釣れるゲストとしてお馴染みです。
食べることはできますが、エサ取りとして釣り人からはちょっと嫌われがちなふぐでもあります。
クサフグ
堤防釣りの“やっかいなエサ取り”として有名なクサフグ。エサを取られてしまったり、時には鋭い歯でハリスを切られてしまうことも……。 またアジングやメバリングでワームを噛みちぎられたりしてしまうこともあり、何かと嫌われがちなふぐです。
しかし、飼育難易度は高めですが最大でも25センチ程度なので、飼育に人気のふぐでもあります。
飼育に人気なふぐの種類
その見た目の可愛らしさから飼育でも大人気のふぐ。熱帯魚ショップなどで購入することができ、淡水で飼育できる種類もいるので、初心者の方でも飼うことが可能です。ここでは飼育に人気なふぐの種類をご紹介します。
アベニーパファー
アベニーパファーは、インド原産で世界最小のふぐ。全長3センチ程度までしか成長せず、かつ人懐っこい性格をしており、淡水で飼うことができるのが魅力です!
ヒレなどをかじってしまう事があるので、混泳は向いていません。単独もしくは同じアベニーパファー同士で飼育するのがよいでしょう。
(熱帯魚)アベニーパファー(4匹)
ミドリフグ
熱帯魚を飼育する人に人気のあるミドリフグ。自然界では幼魚時代は汽水域に生息していて、成長するにしたがって海水域へと生息域を変える特徴があるので、飼育時には成長するにしたがって水槽内の塩分濃度を調整してあげる必要があります。
とても大食漢ですが、エサのあげすぎは良くないので注意してください。
(熱帯魚 生体)ミドリフグ(約2-4cm)(5匹)
南米淡水フグ
南米淡水フグは、コロンビアやブラジルに生息している淡水魚。水槽内をよく泳ぎ、懐いてくるのでとても人気があります。人工エサでの餌付けがしやすく、淡水で飼うことができ、平均寿命も5年ほどと、ほかのふぐに比べると長めなの比較的簡単に飼育ができます。
(熱帯魚)南米淡水フグ Sサイズ(3匹)
ふぐについての正しい知識を知ろう!
さまざまな種類が存在しているふぐ。可愛らしい見た目である一方で、摂取してしまえば命の危険さえある魚なので、釣り人であればその正しい知識を持って対応していきたいものです。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、ふぐについての正しい情報を把握してみてください。