カバー撃ちについて
カバー撃ちとは水生植物やレイダウン(倒木の枝・竹などが水中に倒れ込んでいる状態)、ウッドチップ(水面に浮く木の破片)などなにかしらの“障害物を撃っていく”釣りのことを呼びます。
私がよく訪れるリザーバー(ダム湖)での定義はそんな感じですが、マッディシャローレイクで葦側を打っていくのもカバー撃ちです。
カバーのバスが喰わせやすい理由
カバーがあることで、バスとアングラーの間に「一枚噛む」ことになりますし、密集する障害物によってラインの存在をカモフラージュしやすくなります。
そのためオープンウォーターに比べてバスが警戒心を解きやすく、カバーの中にいるバスは口を使ってくれる可能性が高まります。
カバーとストラクチャー
間違いやすい用語として「ストラクチャー」(地形変化)があります。例えば岩盤、チャンネル(川の跡)、ブレイク(水深の変わり目)、大規模な崩落、そしてサンドバー(砂が堆積したような小島)などがストラクチャーになります。
カバー撃ちのコツ
未開拓のカバーは超美味しい
人が撃たないような、未開拓のカバーを撃つと良い反応が得られる可能性が上がります。
亀山ダムなどのハイプレッシャーレイクでカバー撃ちをする場合、これに尽きます。
レンジを刻もう
まずはカバー直下にルアーを入れて、シェイクして誘います。その後、バイトがなければ徐々にレンジを下げて誘います。
どのぐらいの時間誘うか? どのぐらいのレンジを刻むのか? その感覚は人それぞれですが、良いカバーだったら30cm刻みぐらいで細かく探っていくのがおすすめです。
カバー直下でバイトがなくても、レンジを下げていったところでバイトすることはよくあるからです。
カバー内で誘う
カバーのどこかにいるバスを誘うイメージを持ちましょう。つまり、キャストして落としたすぐ下にバスがいなくても、ルアーをシェイクなどすることで「カバー内のどこかにいるバス」を呼び寄せることができます。
良いカバーは何度でも
ここ良いな。というカバーは一撃で反応がなくても時間をおいて入り直すと良い結果を得られます。
・枝ぶりが良い
・水通しが良い
・複雑である
・ブルーギルなどが周りにいて生命感がある
・新しい崩落
そういった要素が3つ以上重なるようなカバーがあれば、そこは何度も入り直す価値があると言えるでしょう。
カバーの外側から攻めよう
美味しそうなカバーがあったら、まずはカバーのアウトサイド(外側)から攻めるのがおすすめです。アウトサイドにバスが多く付いている日もあるからです。
不用意にいきなり近づいてしまうと、外側のバスは食いにくくなります。
その後、徐々に近づいていって内側を攻めるようにします。
カバー撃ちおすすめリグ
テキサスリグ
定番はテキサスリグですね。おもにクロー系やギル系ワームを合わせます。テキサスを使うメリットは、まずカバー貫通性能が高い点。そして存在感があるので、カバーの中で揺らすことでカバーのどこかに潜むバスを効率的に呼ぶことができます。
イッセイ AKチャンク 4inch
リーダレスダウンショット
リーダーレスダウンショットもカバー撃ちに向いたリグです。ワームとシンカーが同一線状にないため、ワームのよりナチュラルな動きを出すことができます。また、浮力のあるワームを使えば水平姿勢で誘うことも可能です。
OSP ドライブビーバー 3.5インチ
ネコリグ(カバーネコリグ)
近年のハイプレッシャーレイクでは、テキサスリグをカバーに落としても素直に反応しないこともしばしばです。そこで考案されたのがカバーネコリグ 。ストレートワームにフックポイントを隠せるフックを合わせて、カバーにどんどん入れていけるネコリグです。
フィナ(FINA) NSS HOOK(エヌエスエスフック)
カバースモラバ
さらに小さくフィネスなものをカバーに入れたい。という要求から生まれたのがカバースモラバです。
・硬めのブラシガード
・枝をすり抜けやすいヘッド形状
・強いタックルに負けない太軸フック
これらの仕様を満たしたスモラバが、カバースモラバと呼ばれています。
NORIES(ノリーズ) カメラバ
カバー撃ちはどんなタックルでやる?
ベイトロッド
ベイトロッドはMH以上で硬めのロッドを使います。カバーの中でバイトしたとき、巻かれずに引き剥がすことができるパワーが必要だからです。また、時にはカバーごと引きずり出すようなケースもあります。
ただ硬いだけではなく、ワーミング向けのブランクスを持ったロッドを選びましょう。具体的には高弾性でシャキッとした調子のロッドですね。
ちなみにレングスはやや長め(6ft8in〜7ftぐらい)が推奨。ピッチングで打っていくのがメインになるのですが、ロングロッドの方がカバーの奥に入れ込んだルアーを回収しやすいためですね。
シマノ(SHIMANO) 17エクスプライド 168MH
ベイトリール
ベイトリールはできるだけギア比の高いモデルがおすすめ。シマノならXG(エクストラハイギア)ですね。
回収のテンポも良くなりますし、ファイトも優位になるからですね。一気に巻き取ることでバスがカバーに潜ることを防ぎます。
さらに、できれば金属ボディで剛性感の高いリールがベターです。ときには強引なやりとりが必要となり、強い負荷がかかるためですね。
シマノ(SHIMANO) 20 メタニウム XG
スピニングロッド
スピニングタックルなら「パワーフィネス」ロッドがおすすめ。MHクラスのバットを持った強いスピニングタックルのことです。
強いロッドで軽いルアーを扱うのでコツが必要です。しかし使いこなせるとフィネスなルアーをカバーに入れることができるようになるため、これまで取りこぼしていたバスを狙うことができるようになります。
ノリーズ ロードランナー ヴォイス ジャングル 680JMHS“JUNGLE SPIN”
スピニングリール
スピニングリールについてもベイトリールと同様でハイギアモデルがおすすめ。それから忘れがちなのが最大ドラグ力です。
パワーフィネスの釣りでは、基本的にはドラグをきっちり締めるのがセオリー。ですので最大ドラグ力に余裕のあるモデルが向いています。
具体的に言えば、シマノリールですとC3000番などの番手は2500番代のモデルよりも最大ドラグ力が強くなっているモデルがラインナップされています。ラインはPE1.5号以上を使います。
そしてベイトリールと同様に金属ボディで“剛性が高い”と言われているリールが適しています。
シマノ(SHIMANO) 20 ヴァンフォード C3000XG
カバー撃ちでハイプレッシャーフィールドを攻略しよう
カバーに入った居着きのバスは、警戒心が薄れていることが多いです。ですので、カバー撃ちはプレッシャーのかかったフィールドではとくに有効です。
オープンウォーターで思うようにバスが釣れない……そう思った時は、ぜひ試してみてください。
トーナメントなどでも「まずは魚を揃えるためにカバーで釣る」というアングラーもいるぐらい、安定的にバスを釣ることができるテクニックです。
ライタープロフィール
ikahime
「バス釣り情報発信サイトikahime(イカヒメ)」を運営するikahimeです。ザ・アマチュアアングラー目線で、釣行記や製品レビュー等を書いています。リールカスタム、レンタルボートが大好き。バスはあまり釣れない、いわゆる「道具バサー」。
アングラー取材の動画をブログ記事でもご紹介。
取材を始めた理由などを語りました?
取材させていただけるアングラーさん「ゆる募」しています〜?
相模湖 アングラー取材 自作ロッド&フルカスタムリールで巻き物を楽しむアングラー https://t.co/fmRNVzyXYR @@ikahime_netより
— ikahime (@ikahime_net) November 10, 2020