シナノユキマスってどんな魚?
シナノユキマスは、サケ目サケ科コレゴヌス亜科コレゴヌス属に属する淡水魚。1975年に長野県佐久市に、旧チェコスロバキアから移入され養殖することに成功した魚で、現在では長野県の一部で残存している種です。
あまり知られていない魚ですが、ルアーやサビキなどで狙うことができ、柔らかい白身は上品でさまざまな調理法で楽しむことができます。
分布・生息域
東部ヨーロッパやロシアが原産地であるシナノユキマスは、移入によって日本に入ってきました。流れのある場所には定着しづらいようで、湖や池といった止水域が主な生息地です。
氷上のワカサギ釣りをしていると釣れることがあったりすることからも、比較的低い水温を好む魚であることが伺えます。日本においては長野県の湖や池での生息が確認されていて、釣れたらとても珍しいターゲットとして知られます。
特徴と生態
シナノユキマスの見た目はウグイに近いですが、サケ目サケ科に分類されるサケの仲間です。サケの特徴であるアブラビレがあり、最大で60センチほどまで大きくなった個体が確認されています。
幼魚時代はプランクトンや底生生物を捕食し、大きくなると小魚などの大きな餌も捕食するようになり、ルアーで釣れたという情報もあります。
シナノユキマスが狙えるフィールド
長野県へ1975年に移入されるまでにも、滋賀県や青森県で養殖が試みられたものの、増殖が難しかった魚だったようです。
流れのある場所では生きられず、止水で適した環境下の湖でしか生息できないため、その生息地は限られています。ここではシナノユキマスが狙えるフィールドをご紹介します。
立岩湖
立岩湖は長野県南相木村にある湖。シナノユキマス以外にはワカサギ釣りで有名なフィールドです。例年12~3月頃まで湖に氷が張り、氷上のワカサギ釣りが楽しめ、シーズンになると多くの釣り人が足を運びます。
湖を一周するように遊歩道が設けられていて、春から夏にかけて木々や野鳥の声を聞きながら、自然を満喫する場所としてもおすすめです。
柳久保池
長野県信濃新町にある、柳久保池もシナノユキマスが狙えるフィールド。地震によって起きた山崩れによって川がせき止められて出来た、日本でも数少ない歴史を持つ珍しい池として知られます。
シナノユキマス以外には、へらぶなやブラックバスが生息しており、釣りができるのは4月から10月末まで。釣りをするためには、遊漁料が必要となりますので注意しましょう。
青木池
青木池は、長野県大町市にある仁科三湖の一つ。湧き水が豊富で、高い透明度を誇る池です。青木池は冬になっても全面凍結しない特徴を持っています。
ラージマウスバスだけでなく、スモールマウスバスも狙えるフィールドとして人気で、バスフィッシングを楽しむ人が数多く訪れます。釣りをするためには1日1,000円の遊漁料が必要です。
松原湖
松原は長野県南佐久郡にある松原湖は、火山の爆発によって形成されたとされる自然湖。最大水深は約8メートルと浅く、冬になると湖面が凍結するので氷上のワカサギ釣りが楽しめます。
夏においてはへらぶな釣りが楽しめ、貸しボートを利用して釣りを楽しむ人で賑わいます。季節によって移り変わる風景も魅力のフィールドとなっています。
白樺湖
白樺湖は長野県茅野市と北佐久郡立科町の境にある湖です。周囲約3.8キロの人造湖で、周辺にはスキー場やゴルフ場、宿泊施設があり長野県でも有数のリゾート地として有名です。
1年を通してバスフィッシングが楽しめます。また、冬になるとワカサギ釣りで賑わいを見せるフィールドで、寒さをしのぎながら釣りができるドーム船が高い人気を博しています。
シナノユキマス釣りの仕掛けと釣り方
以前、釣り吉三平の著者「矢口高雄先生」がシンポジウムを開催したときに紹介されたこともあるシナノユキマス。シナノユキマスは個体数が少ないので、釣るには難易度の高いターゲットとなりそうです。
釣るためには釣り方をしっておき、適した仕掛けを準備していくことが必要です。ここではシナノユキマスの釣り方と仕掛けについてご紹介します。
サビキ釣り
シナノユキマスを狙うときにおすすめなのがサビキ釣り。淡水では珍しい釣り方となりますが、基本的な仕掛けは海でのサビキ釣りと同じです。
カゴに詰めるコマセは柔らかく作っておくのがおすすめで、釣り方のコツとしてはコマセを振ってからは仕掛けをあまり動かさないこと。シナノユキマスは口が小さいので、それに合わせて針も小さめで細軸のものを使うのがおすすめです。
仕掛け一式とコマセスプーンも入ったセット
ワカサギ釣り
ワカサギ釣りをしていて、シナノユキマスが釣れたという釣果情報も多くあげられます。シナノユキマスも通常のワカサギ釣り仕掛けで十分狙うことができます。
餌はサシ虫が良いようで、サビキ釣りと同じようにあまり仕掛けを動かさないのが釣り方のポイントです。餌が弱っていないかを確認しながら釣りをしてみるとよいでしょう。
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刺身で食したい!シナノユキマス
やや柔らかい白身のシナノユキマスは、和洋どんな料理にもマッチする魚。鮮度が落ちるのが早く、市場に出回ることは少ないので、釣れたら持ち帰ってぜひ食べてみてください。ここではシナノユキマスにおすすめの調理法をご紹介します。
ムニエル
シナノユキマスは、熱を通すと適度に身が締まって美味しく食べることができます。バターとの相性が良く、ムニエルはおすすめの調理法。中火でゆっくりと熱を通していくのが調理のポイントとなっています。
刺身
新鮮なシナノユキマスでぜひ試してもらいたいのが刺身。血合いの少ない綺麗な白身を楽しむことができます。鮮度が落ちるのが早いシナノユキマスなので、刺身は釣った人だけが味わえる絶品でしょう。
カルパッチョ
淡白で上品な味わいのシナノユキマスは、野菜と一緒にカルパッチョで食べるのもおすすめです。香草やニンニクを添えて、オリーブオイルをかけて食べると、刺身とは一味違った美味しさを楽しむことができます。
塩焼き
川魚の代表的な料理といえば塩焼きでしょう。サケ科の魚としては珍しい白身をしているシナノユキマスですが、身は臭みがなく上品な味と言われています。特に脂ののっている腹側を塩焼きにすると、最高のお酒の肴になります。
シナノユキマスは通販でも購入できる?
シナノユキマスが釣れるフィールドが近くに無いけれども、一度味わってみたいという方は通販を利用してみるのもおすすめです。シナノユキマスの通販に関しては下記のボタンリンクから購入できますので、参考にしてみてください。
シナノユキマスを味わってみよう!
あまり知名度が高くないシナノユキマスですが、上品な味わいは一度食べてみると忘れられないものとなるでしょう。釣れる場所が限られていて、数も決して多くありませんので、釣ったら自慢できること間違いなしです。ぜひ珍しいシナノユキマスを狙って釣行計画を立ててみてはいかがでしょうか。