大潮とは?潮汐のメカニズムを解説
海の釣りでは、潮が動いている時が釣れると言われています。しかし、潮の動きが激しい「大潮」の日であっても魚がまったく釣れないということがしばしば起こります。
潮の変動は「潮汐(ちょうせき)」と呼ばれ、潮の影響がある場所で釣りをする上では、潮汐のメカニズムを理解しておくことが釣果を伸ばすことにつながります。
潮汐のメカニズム
潮汐は、月と太陽の引力に地球上の海水が引き寄せられることによる海面の昇降現象です。月と太陽はそれぞれの周期で位置が変わります。その相違関係によって大潮・中潮・小潮・長潮・若潮といった潮の状態のサイクルが産み出され、この潮のサイクルを「潮回り」と呼びます。
各潮では、月の位置によって海水面が最も高い満潮と最も低い干潮があり、満潮・干潮は一日に1~2回訪れます。
大潮とは?
大潮では、干潮・満潮の水面の高さの差(干満差)が、潮回りの中で最も大きくなります。海面の高さ変動によって起きる潮流も、他の潮にくらべ強く、水中の生物に与える影響も大きくなり、活動も高くなると言われています。また潮流の強さは子孫の拡散に有利であることから、大潮の日に産卵を行う生物も多くいます。
大潮がよい状況、よくない状況
大潮の日は潮の動きが大きいため、良く釣れると思われがちです。これはあながち間違いではないのですが、大潮によって起きる様々な環境変化は、釣りにとってマイナスになるものもあり、環境や釣法などによっては「大潮=釣れる」とはならないことも少なくありません。
大潮がよい状況
大潮の日に生まれる様々な潮流は、多くの潮目を産み出します。潮目にはエサとなるプランクトンやそれらを狙う魚が多く集まるため、釣りにおいては狙うエリアを絞りやすくなります。沿岸部などにおいては、バチ抜けなどに代表される、水棲生物の産卵活動が盛んになることも多く、その活動を絶好の捕食タイミングとして、シーバスなどは活性が非常に高くなります。
大潮が悪い状況
大潮の日の干潮は海水面を大きく下げるため、沿岸部においては干潟となり釣りをすることすらできなくなる場合があります。さらに、早い潮流は回遊性の魚の移動を促進し、一つの場所では時合が短くなることも。コマセエサなどの集魚エサは速い潮流により分散してしまうため、釣法によっては非常に釣りがしにくくなることもあります。
大潮はいつ?潮汐情報が見られる便利なアプリとアイテム
大潮や潮汐のメカニズムを理解したところで、実際の潮汐が気になるのは、釣行予定を立てる際や、釣りの現場ではないでしょうか?日本全国の潮回りを確認する方法はいくつもありますが、その中でも秀逸なアプリやアイテムをご紹介します。
潮汐なび FREE
日本全国の潮汐情報(タイドグラフ)を確認することができるスマートフォンアプリです。iOS版・Android版があり、日本各地のタイドグラフを無料でみることが可能。釣行予定に合わせた先日付の潮も確認できる釣り人におススメのアプリです。
「潮汐なび FREE」については、過去の記事でも取り上げていますので参考にしてみてください。
▼アプリのダウンロードはコチラ
潮汐なび FREE iOS版
潮汐なび Android版
▼「潮汐なび FREE」の詳しい使いかたはこちら。
潮汐が確認できるアイテム
釣り場でのスマートフォンの頻繁な出し入れは、落水の危険もあり気が引けるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方には、タイドグラフ付きの腕時計がおすすめです。毎回操作をしなくても手首を見るだけで潮回りを確認することができるため、釣りや潮干狩りはもちろん、サーフィンや海水浴など様々な海辺のレジャーにピッタリです。
アウトドアギアの本命PRO TREKのタイドグラフ搭載モデル。
サーフィンでもフィッシングでもスタイリッシュに潮の動きを確認。
▼「上げ3分・下げ7分」については、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
大潮が必ず釣れるとは限らない!?
結論からすると大潮だから釣れるというわけではありません。
風や前日の雨の影響で、「大潮なのに潮が流れない…。」「今日は小潮なのに思いの外、潮が速い!」など、その日の状況は変わります。またいつもよい潮回りで釣りに行けるとも限りませんよね……。アプリなどで潮汐などは参考にしつつ、その日、その場所に状況にあわせて釣りを楽しむことが大切です。さらに釣果もついてくれば最高ですね!