メナダってどんな魚?
メナダはボラ目ボラ科の魚種で漢字では『目奈陀』。最大100センチにもなる大型の魚種です。ボラ同様大きさや年齢で呼び名を変える出世魚で、姿形や生息域などはボラと似ておりボラとの判別の難しい魚ですが、味はボラよりも臭味が少なく美味しい魚だといわれています。
九州以北の日本各地に生息し、有明海や瀬戸内海を中心とした西日本では美味な高級魚として取り扱われます。メナダになじみの薄い東日本ではボラと混同して取り扱われ流通に乗る事が無く馴染みの薄い魚です。
メナダの分布・生息域
メナダは九州以北の日本、中国、朝鮮半島、沿海州、アムール地方の内海、河川、汽水息に生息しています。日本では九州以北の近海に広く生息していますが、ボラに比べると冷水を好むため北海道ではボラよりも数多く生息しおり、九州地方では有明海にしか生息していないとされています。
メナダの生態
メナダは比較的水質汚染に強く、海底に蓄積した機物粒子であるデトリタスやプランクトン、藻類、甲殻類、多毛類などを捕食します。ボラ同様汽水域に生息すいる魚ですがボラほど淡水に強い訳ではなくボラほど上流に遡上しないと言われています。
体長は100センチほどまで大きくなり、東日本での産卵期は10月頃ですが西日本では3月下旬から5月上旬が産卵期です。
メナダの特徴
メナダはボラとよく似た見た目で、横から見た時は頭部が小さく見えますが、縦扁しており上から見た時は頭部が大きくエラの張った様に見えます。背面は青色で腹面は白銀色をしておりウロコは大きく、目は赤みを帯びています。
上唇は下方に曲がっており口を閉じると外部に飛び出して見え赤い色をしている事から緋口(ヒクチ)、朱口(シュクチ)と呼ばれる事もあります。
メナダの地方ごとの呼び名
メナダは地方ごとに多くの地方名を持っており、岡山県備前市ではアカメ、石川県七尾市ではアカメボラ、広島県・熊本県シクチ、岡山県シュクチ、三重県などではナヨシ、九州有明地方ではヤスミなどと呼ばれています。瀬戸内海地方でシクチ・シュクチと呼ばれるのは緋口、朱口が訛った物といわれています。
メナダとボラの見分け方
メナダとボラの外見は非常によく似ており両種の鑑別はメナダの目の黒点の周りは赤味を帯びた黄色であるのに対しボラは目の黒点の周りは白色になっています。メナダの唇付近も目の回り同様、淡い黄色~朱色をしています。
ボラの胸ビレの付け根には青い斑があるに対しメナダの胸ビレには青い斑はありません。また、ボラの目には脂瞼と呼ばれるコンタクトレンズ状の器官がありますが、メナダには脂瞼が無いのも判別のポイントとなります。