オオクチバスとコクチバスの見分け方
オオクチバス属サンフィッシュ科に分類される淡水魚の中でオオクチバスの他に日本に移入された魚がいます。それがコクチバスです。コクチバスはアメリカ北部を原産としており、釣りの対象魚として親しまれています。コクチバスはアメリカで“スモールマウスバス”と呼ばれており、この呼名は日本においても使用されています。
国内では桧原湖や野尻湖が生息地として有名で、釣りの人気対象魚です。オオクチバスと比較し、低い水温を好みます。また流水域にも対応するため、オオクチバスが侵入していない川の上流部においても姿を見ることがあります。
見分けるポイントは?
コクチバスはオオクチバスと比較して口のサイズが小さいです。また体色や模様も大きく異なっています。体色は茶色または褐色であり、状態によっては黒い虎柄模様が出ることが特徴です。ただしこれらは個体差があるため正確な同定方法とは言えません。正確に見分けるためには側線上部鱗数の数を比較する必要があり、はオオクチバスが8枚、コクチバスは11-13枚となっています。
オオクチバスは食べられる?
原産国である北アメリカにおいてオオクチバスは食用にされる事が一般的で、いわゆるキャッチ&イートで楽しまれている魚です。ルアーフィッシングや餌釣りで釣り上げられたオオクチバスを釣り人が持ち帰って食すのはもちろんのこと、水産資源として一般的に認知されています。
もちろん日本に生息しているオオクチバスも本国アメリカと同様食べることが出来ますが、日本においては食用魚として一般的には受け入れられていないのが現状です。なお、日本で釣ったオオクチバスを食す場合は現場で締めて持ち帰る必要があります。これは外来生物法で生きたままの運搬を禁じているためですので注意しましょう。
オオクチバス、淡水魚としては非常に美味!
気になるオオクチバスの食味ですが、水産資源として扱われている他の淡水魚、海水魚にも劣らない美味である魚です。癖がない淡白な白身はまるで海水魚のスズキのようで、洋風の味付けに合うと評価されています。
琵琶湖や芦ノ湖周辺のレストランではオオクチバスの料理を提供しているところもあります。
おすすめの食べ方は?
ムニエルやフライなどが一般的な調理法と言われてますが、洋風の味付けであれば大方の料理法で美味しく頂けます。皮に臭みがあるため、皮は排除することと可能な限り澄んだ水域で獲れたオオクチバスを選ぶ事が美味しく食べるコツです。
また、水質が良くない場所で捕獲されたオオクチバスは泥臭さが残ることもあります。そういった個体は牛乳に半日ほど浸けておくと臭み抜きになります。寄生虫のリスクが有るため生食は避けてください。
オオクチバスは様々な側面を持った魚
オオクチバスは日本の生態系に悪影響を与えている生物として拡散の防止や駆除が全国で行われています。しかしその一方でプロの大会が行われているほど人気のある釣り対象魚という側面もあります。
オオクチバスは生態系への悪影響というマイナスの面だけでなく、経済効果をもたらすプラスの面を持っており、オオクチバスに関する法律、メディア報道のあり方は外来種問題が浮かび上がった頃より今に至るまで議論され続けています。
釣り人はもちろんのこと、そうでない人もこの魚を取り巻く環境の知識を正しく身に着け、オオクチバスに対する様々な物事のあり方を、それぞれの立場から考えることが重要なのではないでしょうか。