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オオクチバス|恐らく日本一有名であろう外来生物に迫ってみた(2ページ目)

オオクチバスにおける外来種問題

オオクチバス釣り

提供:ChillTrip

元々日本にいなかったはずの生き物は“外来種”と呼ばれます。外来種の中で日本の環境に適応できる生き物は元来日本に生息していた生き物たちの生活を脅かし、バランスを保っていた生態系を崩してしまうという危険性をもっています。近年メディアにも取り上げられる事の多い外来種ですが、その外来種の中で最も有名なのがオオクチバスでしょう。

肉食性のため在来魚を捕食するところが目に見える点、北米産であるため多くの外来熱帯魚とは異なり低水温にも耐性がある点などから、日本はもちろんのこと、韓国や台湾においても侵略的外来種としてその影響を危惧されています。

日本に移入された経緯

芦ノ湖

出典:PIXTA 

オオクチバスは1925年に実業家である赤星鉄馬氏により、食用とゲームフィッシングの対象魚として、箱根の芦ノ湖に放流されたのが日本における最初の移入とされています。これは政府認可のもと行われた放流でした。その後、在日米軍、会社や個人などによるゲームフィッシング対象魚としての放流により各地にオオクチバスは拡散されました。
オオクチバスの食害が問題として浮かび上がった頃には無許可の放流が禁じられる流れとなっています。

オオクチバス移入後の影響

在来魚

出典:PIXTA 

オオクチバスの移入後、特定水域の在来種のサンプリング等を用いた調査によって、オオクチバスの食害を指摘する論文が数多く発表されています。

多くの場合、オオクチバスが侵入した止水域と侵入していない止水域での比較調査が行われ、コイ科の小型種やハゼ科の個体数を比較すると、オオクチバスが侵入した止水域のほうがコイ科の小型種やハゼ科の魚類が少ない傾向にあるという結果が調査水域によって出ています。

侵入影響は魚種や環境により異なる

環境情報科学論文集22(角田ら,2008)には、オオクチバスの侵入影響は池ごとにも魚種ごとにも異なるとの見解が示されています。例えばドジョウ等の魚類は比較的影響を受けにくいという調査結果が出ています。

護岸工事によって在来種の隠れ場所が失われているなど、環境要因も大きく影響に関わっているため、オオクチバスの被害を一概に明確に示すことは現段階では難しいと言えるでしょう。

駆除などの対策も

オオクチバスは環境省の定める“外来生物法”における“特定外来生物”に指定されています。これは無許可の販売や放流、運搬などの行為を禁止するもので、現在生きたオオクチバスを公道を越えて運ぶことは法律で禁止されています。再放流が禁止される都道府県もあり、滋賀県や埼玉県が有名です。

駆除も全国行われており、網による直接的駆除をはじめ、所により電気ショックによる捕獲も行われています。この方法は在来種への影響も危惧されており、賛否両論があるのも事実です。

漁業権が指定されている場所も

外来生物法により放流が禁止されているオオクチバスですが、特例により漁業権を設定することでオオクチバスを正式に放流している湖が存在します。山梨県の河口湖、山中湖、西湖がそれにあたります。

また管理釣り場においても特例が存在し、生業としてオオクチバスを扱っている場所は、定められた条件を満たした上で運搬・放流が認められています。

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