タイワンドジョウってどんな魚?
タイワンドジョウはスズキ目タイワンドジョウ科の淡水魚。ライヒーやタイワン等の別名で呼ばれることもあり、一般的にはよく似た形態を持つカムルチーと共に“雷魚”と総称されます。飼育魚としても釣りの対象魚としても人気がある魚です。日本には元来生息していない魚で、1906年に台湾から大阪府に移入された外来種です。
生息域・分布
タイワンドジョウの元々の分布は中国、台湾、ベトナム、フィリピン。日本で生息が確認されているのは沖縄県、香川県、兵庫県、和歌山県と言われています。しかし、他府県においても釣り人による捕獲の噂があり、4県以外にも生息している可能性は高いと言えます。強い流れを好まないため、池や河川の流れの緩い場所が生息域です。
特徴・形態
タイワンドジョウは最大で約60センチほどまで成長します。同じ“雷魚”と呼称されるカムルチーは100センチを超えますが、タイワンドジョウはそれよりも小型で、細長い円筒形をしており、体色は茶褐色に黒い模様が入ります。
所謂、スネークヘッドの仲間で、名の通り蛇のような大きな頭が特徴で、口の中には鋭い歯が並ぶため、扱いには注意が必要です。
生態・性質
タイワンドジョウは蓮や菱などが生い茂った環境を好みます。基本的に魚や捕食していますが、カエルや甲殻類や昆虫もエサにします。動くものを襲う習性があるため、時には鳥のヒナやネズミなども捕食することがあります。
釣りにおいての性質はカムルチーと比較するとアグレッシブで、速い動きをするルアーにも反応し、フロッグで狙うのが一般的です。産卵期は夏。浮性卵を産み、生まれた稚魚は親魚が守ります。これは多数のスネークヘッド類にも同様に見られる性質でもあります。
タイワンドジョウとカムルチーの見分け方
カムルチーとタイワンドジョウは姿形が酷似しているため、区別が難しいです。正確な見分け方としては背鰭と臀鰭の軟条数を数える方法。タイワンドジョウの背鰭軟条数が40から44本であることに対し、カムルチーは45から54本です。臀鰭軟条数はタイワンドジョウが26から29本であるのに対して、カムルチーは31~35本であることで見分ける事ができます。
外観のおおよその見分け方としては、多くの場合タイワンドジョウの斑紋は3列で、カムルチーに比べて斑紋が小さく、数が多いという点があります。
タイワンドジョウの飼育に必要なもの
タイワンドジョウは飼育魚として人気の高いスネークヘッドの仲間です。タイワンドジョウも当然、飼育魚としての魅力があり、愛玩魚として育てているアクアリストが沢山います。体が丈夫なため、飼育難易度としては高くありませんが、60センチ程度まで成長する大型魚ということを頭に入れておく必要があります。
適している水槽のサイズ
タイワンドジョウの飼育にあたっては最低60cmワイド以上の水槽が好ましいです。終生飼育を目指すのであれば90cm以上の水槽サイズを用意できればなお良いでしょう。スネークヘッドは性質上あまり泳ぎ回る魚ではないので、体長と比較すると小さいと思われる水槽サイズでも飼育可能です。
ただしあまりに狭いとストレスを与える原因にもなるため、可能な限り余裕を持った水槽を用意することをお勧めします。
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適水温と水質は?
タイワンドジョウの適水温は20度から28度です。水温が著しく低下する日本の冬や、水温が急上昇する真夏の止水域でも生息することが出来る丈夫さを持っているため、水温変化には比較的強いといえます。
無加温飼育も可能です。また空気呼吸ができるため溶存酸素量の低下や水の汚れにも強いです。ただし健康的に飼育するためには他の魚同様、必要最低限の換水は必要です。
タイワンドジョウのエサは何がいい?
タイワンドジョウは魚食性のため、小赤やメダカなどの生き餌を好んで食べますが、人工飼料への餌付けも可能です。スネークヘッド類は人馴れし易いので、魚が水槽に馴染んできたらクリルやカーニバルに餌付けをするとよいでしょう。
クリルやカーニバルをなかなか食べてくれない場合は魚の切り身から慣らしていくことをお勧めします。
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タイワンドジョウを飼育する時の注意点
タイワンドジョウだけでなく、スネークヘッド類全般に言えることですが、最も注意しなければいけないのは水槽からの飛び出し事故です。特に幼魚期はほんの数センチの間から飛び出すことも多いため、水槽の上部は蓋をして隙間がないようにしてください。フィルター関連のパイプ付近は隙間ができやすいので要注意です。
時に水が悪くなった時には頻繁に飛び出そうとしますので、タイワンドジョウがこのような状態になったら換水を行うことをお勧めします。
希少な雷魚、タイワンドジョウ
タイワンドジョウは同じ雷魚と呼ばれるカムルチーと比べて生息地域が狭いため、その希少性から一部の釣り人は熱心に狙っている魚です。飼育魚としても流通量が少ないため一部の愛好家に人気があります。
玄人好みの魚とも言えるタイワンドジョウ。釣りやアクアリウムで触れ合ってみてはいかがでしょうか?