オニヒラアジという魚について
オニヒラアジは、全長で80センチ、重量で6キロを超えることもある大型のアジ。日本では南の海に生息しており、主に沖縄地方でトップウォーターでねらうルアーフィッシングのターゲットとして人気のある魚です。
あまり食用として流通する魚ではありませんが、基本的にはアジ類ですので食べればおいしい魚です。ここではそんなオニヒラアジについて少しご紹介させていただきます。
オニヒラアジの分布・生息域
オニヒラアジは、日本では和歌山県を北限として、琉球諸島や小笠原諸島などの南の海で見ることができます。世界の海に目を向けてみると、インド洋、西太平洋、南アフリカ、東南アジアなどの熱帯から亜熱帯の海にかけて広く分布しています。南限はオーストラリアのシドニーです。
オニヒラアジの生態や食性
オニヒラアジは肉食の魚で、イワシなどの小魚類や、イカタコなどの軟体動物、エビカニなどの甲殻類を捕食しています。メッキと呼ばれる幼魚のうちは群れで捕食することも多いですが、大型になるにつれて単独行動で捕食活動を行うようになります。
オニヒラアジの形態
アジ類特有の特有の特徴であるゼンゴは、体の後ろがわのみにあります。また、大型になると幼魚であるメッキクラスの大きさの時には見られない黒っぽい斑点状の模様が体の上側に出てきます。体型は他の大型アジ類と同じく体高がある形態をしていますが、比較的ほっそりした形をしています。
人気のフィッシングターゲット
オニヒラアジは、ジャイアントトレバリーと呼ばれるロウニンアジとカスミアジに並んで人気のフィッシングターゲットとして知られています。トップウォーターに派手にバイトする大型アジ特有のバイトが釣り人の心をつかんで離しません。
オニヒラアジとロウニンアジ、カスミアジの違いは?
オニヒラアジが生息する海には、同族の大型のアジが3種生息しています。ジャイアントトレバリーと呼ばれるロウニンアジとカスミアジ、ギンガメアジの3種です。いずれも人気のフィッシングターゲットで、同じ釣り方で同じように釣れることの多い魚です。
ここでは、そんな同族で非常に似ているロウニンアジ、カスミアジ、ギンガメアジ、オニヒラアジの見分け方を簡単にご紹介させていただきます。
オニヒラアジを見分けるポイント
オニヒラアジは、ロウニンアジ、カスミアジ、ギンガメアジと非常に似ていて見分けがつきにくい魚です。メッキと呼ばれる大きさのうちに判断するには、尾びれの下半分が黄色いメッキは、オニヒラアジかロウニンアジです。あとは体の形がほっそりしている方がオニヒラアジで、体高のある方がロウニンアジです。
オニヒラアジの料理レシピ
オニヒラアジは、釣りの対象魚としては人気のターゲットですが、一般的な市場などには出回ることの少ない非常に珍しい魚です。関東などではもちろんですが、沖縄や鹿児島の市場でも見かけることの少ない魚です。
しかし、食べてまずいからという訳ではなく、実は数が少なく狙って漁獲することが難しい為一般に出回らないという事情があります。ここでは、そんなオニヒラアジの料理を少し紹介させていただきます。
刺身
オニヒラアジの刺身は絶品です。特に大型の物は程よく脂がのっていて、癖もない身なので一キロを超えるような大型の物は新鮮なうちは刺身で必ず一度味わうようにしましょう。切り身にして2日、3日寝かしてから食べてもまた違った味わいが楽しめます。
フライ
オニヒラアジのフライは、白身魚特有の味わいがあり非常におすすめの食べ方です。皮は引いてもついていても大丈夫ですが、背中側の身を使用するときは少し皮が固いので背中側については皮を引いて使用した方がいいかもしれません。
カルパッチョ
オニヒラアジのカルパッチョはまず、背部のをできるだけ薄く切ります。ニンニクやオリーブオイルなどで、香りと味をつけて、たっぷり目の野菜を盛り付けて、さらに上からオイルなどをかければ完成です。おいしさとおしゃれさの両立した料理です。
竜田揚げ
オニヒラアジを竜田揚げにするには、まず味付けと臭みを取るためにショウガ醤油に漬け込みます。臭みを取るといっても、オニヒラアジは臭みの少ない魚なので、しょうがは少なめで漬け込む時間も5分程度で大丈夫です。片栗粉をまぶして揚げれば完成の簡単料理です。
大型個体はシガテラ毒に注意!
シガテラ毒とは、下痢、嘔吐、腹痛が1か月ほど続く食中毒症状です。オニヒラアジはシガテラ毒に侵されている魚の可能性がありますので、あまり大型の物は食さないようにしましょう。また、頭部と内臓に多く蓄積していますので、鮮度の高いうちに身だけを食すようにしましょう。
オニヒラアジの釣り方
オニヒラアジは、大型の個体と小型のメッキ釣りで大きく釣り方が違ってきます。とはいえルアーのキャスティングという大きなカテゴリーは同じです。
ただ使うルアーとタックルが全く違いますので、同じ魚を狙う場合でも、大きさが違う場合はそれぞれのタックルの準備が必要です。ここでは、オニヒラアジ釣りの釣り方について触れてみたいと思います。
ベストシーズンはいつ?
オニヒラアジは通年釣ることができますが、ベストシーズンは春の4月から7月くらいまでとされています。暑すぎる時期や寒すぎる時期には釣りずらいですが、漁港などでナブラになっているということもありますので、通年気が抜けない魚です。
ショアジギング
オニヒラアジは、ショアジギングと呼ばれる釣り方で釣ることができます。ショアジギングとは、メタルジグをオカッパリで使用してキャスティングで釣る釣法です。魚に見切られないように、メタルジグを高速で動かすことでオニヒラアジに捕食スイッチを入れることができます。
ショアジギングのタックル
ショアジギングでオニヒラアジを狙うには、10フィートほどのショアジギングロッドが必要になります。オニヒラアジは大型のアジで引きが非常に強烈です。加えて浅場で釣ることの多い釣りなので2号クラスのPEラインが最低でも200メートルほど巻けるリールが必要になってきます。
小型個体(メッキアジ)はショアでのライトゲーム
メッキとは、ロウニンアジや、カスミアジ、ギンガメアジ、オニヒラアジの幼魚の総称として使われる呼び方です。オニヒラアジのメッキはライトゲームで釣ることができます。ポイントによってはトップウォーターや、ミノーゲームでも楽しむことができますし、ナイトのワームゲームも楽しい釣りです。
ライトゲームのタックル
ライトゲームタックルは非常に使うルアーの幅が広い釣りですので、使うルアーによって全くタックルが変わってきます。その中でも7フィートほどのライトアクションのロッドが一番使い勝手がいいです。ワームでもルアーでも一通りこなすことができますのでまずは一本という方にお勧めです。
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オニヒラアジはショアからでもビッグゲームが楽しめる!
オニヒラアジはオフショアでも狙うことのできるターゲットですが、ショアからも狙える大型のヒラアジです。ショアジギングなどで気軽に狙うことができ、表層を意識しているときはトップウォーターゲームを楽しむことができます。南の海でオニヒラアジゲームを楽しんでみましょう。