氷下魚と書いてなんと読む?
コマイ(氷下魚)はタラの仲間
氷下魚と書いて「コマイ」と呼ぶこの魚には、背ビレが3つ、臀ビレが2つ、そして下あごにはヒゲが1本あります。
この3つの特徴を持つ魚と言えば……そう、タラですね。
コマイはタラ目タラ科に分類されるタラの仲間で、50cm前後まで成長します。
カンカイ(寒海)とも呼ばれる由来について
コマイは、冷水性の魚で海面が氷に覆われても悠々と泳いでいることから漢字で「氷下魚」と書きます。
また北海道では「カンカイ」という呼び名も一般的で、カンカイは漢字で「寒海」。
ちょっとした豆知識ですが、コマイは血液中に凍結を防ぐ物質を有しているため、海水温0℃以下でも生きていくことができます。
食材としても釣り物としても人気なコマイをご紹介
白身で淡白な味わいのコマイは、古くから食料資源として利用されてきた魚です。
また、岸から簡単に釣ることのできる魚として、北海道では釣りの対象魚としても人気があります。
今回はそんなコマイを北海道で釣り狙い、美味しいコマイ料理を楽しんでみましたのでご紹介いたします。
コマイは北海道でポピュラーな食用魚
北海道のスーパーでコマイを発見
僕は子供のころに買ってもらった魚図鑑でコマイという魚を知って以来、冷水魚と無縁なシンガポールに住んでいたこともあり、ちょっとした憧れをコマイに抱いていました。
それから20年以上経ち、初夏にイトウやオオカミウオを狙うために北海道を訪れた際に、スーパーの総菜コーナーでコマイの塩焼きを見つけたんです。
コマイ旨いぞッ
早速、コマイの塩焼きを食べてみたところ、サッパリとした白身魚で淡白な味わいです。
脂がのった魚って感じはまったくしないけど、素朴な美味しさがたまりまらず、あっという間に4尾完食。
サイズが小さかったので骨ごと食べれちゃいました。
コマイの釣れる時期と場所
コマイ釣りが楽しめる地域
コマイは山口県以北の日本海と宮城県以北の太平洋、そしてオホーツク海に生息しています。
冷たい水を好む魚ということもあり、通常は水深100mより深い場所で暮らしています。
岸から釣れる場所に来遊してくる地域と言えば、やはり北海道となるでしょう。
7月にコマイを狙ってみるも……
僕が初めてコマイ釣りに挑戦したのは、釣具屋さんで『この時期あんまり釣れないよ』と言われた夏でした。
イトウやオオカミウオを釣り狙ったついでに太平洋側で試してみたのですが、ものの見事に坊主……。
夏にコマイを釣ってみようと思う方は、周辺の釣果情報を参考にしてから釣行すると良いでしょう。
▼オオカミウオやイトウ釣りの記事はコチラ
コマイが釣れるシーズン
北海道では周年釣れる魚として親しまれているコマイですが、夏場は所により釣果が出にくくなります。
一般的にコマイ釣りの好シーズンは春(4~5月)と秋(9~12月)とされています。
ちなみにコマイは氷下魚と書くように、厳冬期でも餌を食べる魚ですので、問題なく釣れるようですよ!
コマイを釣りたくて再び北海道へ
9月の北海道はもう秋ですね
さて、出会えなかった魚をそのままにしておけない性格の僕は、コマイ釣りのシーズンとされる9月に渓流釣りを兼ねて北海道を再訪しました。
自宅がある神奈川県では最期のセミが鳴いているというのに、北海道の夜はダウンが欲しくなるくらい寒かったです。
コマイの釣り方について
コマイの釣り方はとってもシンプルで簡単。いわゆるちょい投げで釣れる魚です。
釣場としては漁港の内側やサーフなどが狙い目。
コマイは昼にも釣れる魚ですが夜行性の魚のため、夜釣りの方が釣れやすい魚ですよ。
夜釣りでコマイ連発!
渓流釣りを終えた後、釧路近くの漁港へやってきました。
すると一投目からアタリがあり、30cm程のコマイをゲット! 初めて釣れる魚はいつだって嬉しいですね!
その後も、仕掛けを入れればすぐに何かが釣れてくるような状態で、1時間あまりで8匹のコマイを釣ることができました。
コマイが釣れた仕掛けと餌をご紹介
餌と仕掛けはホーマックで購入
北海道の釣具店やホーマック(ホームセンター)には、カレイ・アイナメ・コマイを狙うための半遊動仕掛けや胴突き仕掛けが売られています。
ハリの大きさは丸せいごの11~15号、オモリは釣り場や竿の強度に合わせて選びましょう。
広い北海道では近くに釣具店が無いなんてことも珍しくありません。そんな時はホーマックを探すとアオイソメやサバの切り身、コマセなど釣り餌も購入できるのでとっても便利です。
マルフジ カレイ・コマイ胴突 14号
餌はアオイソメとカツオの塩漬けどちらでも釣れました
今回はアオイソメと塩漬けされたカツオの切り身を使ってみたのですが、どちらでもコマイが掛かってきました。
コマイは何でも食べる肉食魚ですので、餌はとくにこだわる必要はないようですが、僕が釣行した際は小型のカレイが多く、アオイソメはカレイの餌食になりがちでした。
鮮度抜群なコマイを持ち帰ってきました
コマイは鮮度が落ちるのが早い魚
鮮度が落ちやすいコマイは、おもに干物にされた状態でスーパーに出回るため、生のコマイを食べられるのは釣り人ならではの楽しみ方と言えます。
今回は夜釣りでコマイを釣り上げた翌日の飛行機で帰宅して、すぐに調理したので釣り上げてから14時間程度で実食することができました!
まずはウロコと頭を落とす
コマイには細かなウロコがあるので落とします。
次に、頭と内臓を取っていきます。
肝が綺麗なのでキープ
コマイは卵巣や精巣も美味しく食べられる魚のようですが、今回釣ったコマイ達はまだまだ生殖腺が小さかったです。
代わりに、肝がとても綺麗だったので優しく取り出しました。
ちなみに、コマイの産卵期は1~3月とされています。
コマイはどんな料理にもあう万能食材でした
頭は出汁を取って味噌汁に
コマイの頭を使って出汁を取り、お味噌汁を作ってみました。
タラの仲間ということで、出汁の香りもよく美味しい味噌汁でした。
コマイの揚げ物4種盛り
小さなコマイは骨や頭ごと唐揚げに、3枚におろしたコマイはフライと天ぷら、そして背骨は骨せんべいにしてみました。
淡白な身質なので油との相性が良いですね。小さなコマイは頭も骨も丸ごと食べられましたよ。
コマイの煮つけ
ガヤ(エゾメバル)も釣れたのでコマイも一緒に煮付けてみました。
コマイの煮つけは、骨からの身離れもよくホクホクしていて美味。
コマイと肝のソテー
コマイのフィレと肝に塩を振り、オリーブオイルでソテーにしてみました。
身は淡白な味わいで、よく言えばクセが無く、悪く言えば特徴が劣るかなといった印象です。
肝のソテーは濃厚で大変美味! これは茹でて肝ポン酢もアリかもしれませんね。
コマイのチーズ焼き
シンプルなソテーが少々物足りなかったので、チーズをのせて焼いてみました。
これは正解! チーズも良いですが、マヨネーズやバターとの相性も良さそうですよ。
コマイの一夜干し
北海道で定番のコマイの食べ方である一夜干しも作ってみました。
10%の食塩水に30分漬け込み、冷蔵庫で丸一日乾燥させて作りました。
捌いて感じたコマイの水っぽさが抜けたことにより身が締まり、とても美味しい干物でした。
ちょっと塩加減が足りないなって感じる場合は、醤油よりも一味唐辛子とマヨネーズがオススメです!
コマイのルイベ
おろしたコマイの身を冷凍庫で3日間冷凍し、ルイベにしてみました。
凍ったまま削るように切り出し、口に入れるとスゥーっと溶けるように旨味が広がります。
捌いてアニサキスが複数確認できたので、ちょっと抵抗がありましたが確かにコマイのルイベは美味しかったです。
北海道に住んでいたら頻繁に釣りに行きたくなる
今回は北海道の大衆魚ともいえる『コマイ』をご紹介いたしました。
実際にコマイという魚を狙って釣って食べてみると、時季さえ外さなければたくさん釣れて美味しい魚ということが実感できました。
魚釣り初心者の方でも手軽に釣れる魚ですので、道民の方はコマイを釣りにでかけてみてはいかがでしょうか。