スナヤツメは魚じゃない?!超希少な水生生物の生態や飼育方法とは

スナヤツメは、カワヤツメ属に分類される淡水生物。環境省のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されている貴重な生物です。スナヤツメの特徴や生息域、飼育方法等をまとめて紹介します。


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スナヤツメってどんな魚?

スナヤツメ
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スナヤツメは無顎上綱頭甲綱ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科カワヤツメ属に分類される淡水生物です。体は暗い褐色をしており、腹面は黄色を帯びています。口は円形の吸盤状で顎はなく、胸びれや腹びれも持っておらず、約20センチ程度まで成長します。

環境省のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されている貴重な生物で、近似種のカワヤツメが尾部に顕著な黒色素が見られることに対して、スナヤツメは黒色素が顕著に見られない点で見分けることが出来ます。

生息域・分布

スナヤツメは北海道、三浦半島・伊豆半島を除いた本州、四国全域、鹿児島県、宮崎県を除いた九州に分布。海外では沿海州、中国北部、朝鮮半島に分布しています。河川中流から下流域の細流や水路などに生息しており、冷水性のため、25度以下の低い水温環境を好みます。

生態・生活史

幼生期はミミズのような、透明感のあるピンクやオレンジの体色で、アンモシーテスと呼ばれています。この時期は泥の中で生活をし、デトリタス(微細な有機物粒子。微生物の死骸等)や藻類などを捕食しています。約四年ほどかけ、全長14~18cm 程に成長すると、成体へと変態。変態すると消化系がなくなり、産卵まで何も食べません。産卵後スナヤツメは一生を終えます。

ウナギと付いているけどウナギじゃない?

スナヤツメが属するヤツメウナギ科はウナギのような細長い円筒体形をしています。その見てくれから名前もヤツメ“ウナギ”と名付けられていますが、分類的にはウナギの仲間ではありません。それどころか狭義の魚類からも外れています。一般的な魚類である顎口類とは大きく異なる円口類頭甲綱に属しており、脊椎動物としても原始的で、学術的にも非常に重要な生物とされています。

スナヤツメの飼育の仕方

スナヤツメ
出典:写真AC
スナヤツメはユニークな生態や形態から、観賞魚マニアにも人気があります。ただし、飼育は初心者にとって優しいものではありません。また、砂に潜る生態から、水槽下でなかなか姿を確認できないこともあります。玄人向けの飼育魚と言えるでしょう。観賞魚の飼育全てに当てはまることではありますが、生息地に近い飼育環境を整えてあげることが重要となります。

必要な水槽のサイズと立ち上げに必要なもの

水槽は45センチから60センチサイズが適切です。砂に潜る習性があるので底には砂か細かい砂利を敷きましょう。エアレーションとフィルターも必要となります。スナヤツメは水質に敏感なため、必ずカルキ抜き処理を施し、立ち上げ時にはパイロットフィッシュ(金魚やアカヒレ)を1週間ほど飼育水に泳がせ、きっちりバクテリアを繁殖させてからスナヤツメを水槽に入れましょう。
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スナヤツメのエサは何がいい?

成魚は餌を一切捕食しませんが、幼魚は藻類や有機物を食べます。そのためスナヤツメの給餌は他の魚の食べ残し程度で十分です。他の魚と混泳させ、食べ残しが出るように給餌を多めにすればよいでしょう。また飼育下で光を当てると自然発生する藻類もスナヤツメの餌になります。

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水温の上昇に注意が必要

スナヤツメを飼育する上で最も難しいのは水温の管理の徹底です。冷水性の魚のため低水温を保つ必要があります。水温が急上昇する夏場は水温を常にチェックし、飼育用のクーラーやファンで温度を下げましょう。 水温は夏場でも25度以下に保つことが必須で、理想は20度前後です。

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スナヤツメの目が開くのは僅かな期間だけ

スナヤツメ
出典:PIXTA
幼生期のスナヤツメの目は皮膚下に埋没していますが、成魚になると目が皮膚上に露出してきます。成魚である時期は、生後4年目の秋から翌年初夏の産卵を終え寿命を迎えるまでの約半年間。スナヤツメは一生のうちの殆どを目を閉じた状態で過ごすと言えます。目が開いたスナヤツメを見ることは、大変貴重な経験なのです。

スナヤツメは超希少な淡水魚

スナヤツメ
出典:ChillTrip
近年、スナヤツメは減少の一途をたどっており、その希少さは環境省のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されているほどです。それに加えて飼育難易度は決して初心者向けとは言えない魚です。それでも、日本の淡水魚飼育愛好家から根強く愛される存在でもあります。スナヤツメという不思議な淡水魚に興味が沸いたなら、是非とも飼育や採取にチャレンジしてみてください。日本の淡水魚に対する造詣が深まることでしょう。

スナヤツメ
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高田 雄介
高田 雄介

高田雄介(ビックリマン高田) 全国47都道府県を全て釣り歩き、現在のホームグラウンドは海外。 淡水海水、大物小物問わず魚が大好きです。 皆様に魚の魅力や、釣りの楽しさを全力でお伝えします。

 

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