クエはどんな魚?
- クエは、スズキ目ハタ科に分類される魚。西日本ではモロコ、九州ではアラなど様々な呼び名で知られた魚です。なお、同じハタの仲間にアラ属のアラという魚がいますが、この魚とは別の魚。大きな口と頭が特徴の根魚で、魚屋さんでも中々見かけることがない高級魚です。
生息域
クエの生息域は外洋に面した潮通しの良い磯、岩礁など。水深50メートルまでの比較的浅い海域で、群れを作らず単独で行動。肉食性で夜間にエサを求めて活動しますが、活動範囲はそれほど広くなく、大きな口で小魚や甲殻類、イカなどを捕食します。日中はほとんど活動せず、磯や岩礁の割れ目、隙間などに潜んで外敵から身を守っています。
特徴
クエは一般的に60センチ程度まで成長。中には1メートルを超え、重量は30キロを超える個体もいます。体色は成魚では緑褐色に黒っぽい縞模様ですが、この縞模様は幼魚ほどはっきりと、成長に伴い消失していく特徴があります。
釣りの対象魚としても人気?
クエは磯釣師をはじめ、多くの釣り人の憧れの魚。個体数が少なく、天然の大型魚は「幻の魚」として珍重されています。また大型個体が釣り上げられた際は、新聞紙面や雑誌などで取り上げられることもあります。
▼クエ釣りについて紹介している記事です。
クエの旬や時期は?
大型クエを釣るのは難しいものの、60センチまでの個体はほぼ一年を通じて捕獲されています。最も美味しい時期やどの日本のどの地域がよく獲れるのかをご紹介します。
クエは夏から秋が旨い!?
鍋料理の具材として使われているため、クエの旬は冬と思われがちですが、産卵を終えて活発にエサを追い、身質に脂をたっぷりと貯える時期が夏から秋です。また料理店や鮮魚店からも、同時期の味が高く評価されています。
クエの名産地は!?
クエが生息しやすい条件が整っている九州の対馬や長崎、四国の高知、そして本州の和歌山などが名産地。いずれも黒潮や対馬海流といった暖流が流れる水域に面した都道府県であるのが特徴。また複雑な海岸線を有していることも適しているのでしょう。
クエの価格
天然物のクエ。市場への入荷が少なく高値がつく魚。一説には1キロあたり1万円の値段がつくことも!? 一般に流通している養殖物でも1キロあたり5千円程度。高値が付く理由は、食味が抜群で需要が非常に高い一方、個体数そのものが少ないこと、成長が非常に遅いことで供給が追いつかないことがあるのかもしれません。
高級魚クエは慶事の際の食材として人気!
クエ料理おすすめ3選!
クエと耳にすると思い浮かぶのは、「鍋」のイメージでしょう! 鍋以外にも様々な調理法で味わうことができます。ここでは定番の鍋と、おすすめの料理をご紹介します。
クエ鍋
クエ鍋はクエの出汁が堪能できる美味しい食べ方として人気。昆布出汁で煮ながら酒と塩で味付けします。クエのコラーゲン豊富なプルプルの身質は甘くて食感抜群。関西では冬場の鍋の代表格「てっちり」に負けず劣らずの人気を誇る定番となっています。
クエの刺身
クエの背の部分、腹の部分は刺身で絶品。血合いが少なく透明感が高い身質は見た目が美しいだけでなく、口に入れば程よい甘みと旨味が拡がります。背の部分に比べて腹の部分は脂が多く、コクがあるのが特徴です。
クエのから揚げ
30センチまでの個体であれば、テトラ帯の穴釣りや岩場の落とし込み釣りで外道で釣れることも! 脂の乗りが今一つでもから揚げにすれば、クエの上品な白身の味わいを堪能できます。大型の物が手に入れば皮のある頭、カマの部分を二度揚げしてみるといいでしょう。
クエは根魚界のスーパースター!
クエは迫力有る風貌に似合わず、食味は最上グレードにランクされる高級魚。条件がよく、運がよければメーター級と出会えるチャンスがあるかもしれません。漁獲量の激減で稀少な魚となりつつあるクロマグロが青物の王様なら、クエは根魚界のスーパースターといえる魚ではないでしょうか。