ネコザメってどんな魚?
ネコザメはネコザメ目ネコザメ科に属するサメの一種です。かたい殻をもつサザエなどを捕食する事から、別名「サザエワリ」とも呼ばれています。サメと言っても人に危害を加える事はなく、その愛嬌のある顔から水族館でも人気の魚種です。
今回は、そんなネコザメの知られざる生態や特徴について解説していきます。
生息域・分布とは
ネコザメは日本海沿岸に広く分布し、朝鮮半島や東シナ海でもみられます。比較的浅い海の海底に生息しており、岩場など身を潜められる場所で見られるケースが多い魚です。夜間にエサを求めて動き回る習性があるため、夜釣りで釣れたという事がしばしば聞かれます。
生態・性質
ネコザメは、泳ぎがあまり得意な魚ではなく、胸ビレを使って海底を歩くように移動する事もあります。日本近海では、3月から4月にかけて産卵期を迎えます。岩場などに海付けられた卵の中で約1年間かけて成長し、約20センチ程度で孵化すると言われる珍しい生態を持っています。
ネコザメの卵ってまるでドリル?!
その独特の形状より話題を集めるのが、ネコザメの卵。まるで穴をあけるドリルのような不思議な形をしていますね。とても気になるこの形……。 ここでは、ネコザメの卵の秘密に迫ります。
なぜそのような形状をしているのか?
ドリル形状の理由は、外敵から守る・潮流に流されないよう岩や海藻に引っかかるようにする為と言われています。産みたての卵はまだ柔らかく、時間を追って硬くなっていくようで、産んだ卵を親のネコザメが岩の間に押し込んで固定する姿も見られています。
ネコザメの口の形状が独特すぎる!
ネコザメの飼育方法について解説
可愛らしい見た目と不思議な生態より、観賞魚として人気の高いネコザメ。サメの中では小さめで、飼育下では成長しにくく成魚でも1メートルに満たないと言われています。性格も温厚なため比較的飼育しやすいといえるでしょう。
ネコザメの飼育方法
ネコザメは水槽のスペースが狭いとストレスを感じてしまう為、120センチ以上の水槽を用意してあげましょう。(大型水槽のため、床の補強が必要な場合もあります)
高水温に弱い傾向があるため、水温は22-23度程を保つよう心がけましょう。小さいうちはさほど心配ありませんが、大きいサイズになると水質が悪くなるのも早いため、こまめな水質管理が重要です。
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ネコザメの好む餌とは
サザエやウニなどを好んで食べますが、慣れてくるとアジやサバなどの魚の切り身やイカ、人工エサも食べてくれます。柔らかいエサばかり与えてしまうと、本来の硬い殻をかみ砕く食べ方を忘れてしまうので注意しましょう。底付近でエサをついばむ姿はとても愛くるしいです。
ネコザメを食べる地域もある?
紀州地方では、ネコザメを湯引きし、酢みそで食べたり、唐揚げで食べる文化があるようです。クセのない淡白な身で、新鮮であればサメ特有のアンモニア臭は気にならないようです。不思議な卵の形状で人気のネコザメ、飼育環境があれば面白い生態を観察してみたいですね。