メダイについて
メダイ(目鯛)は、スズキ目イボダイ科に属しその名前の通りクリクリとしたどんぐりまなこが特徴的な魚。成魚になると最大で1メートル前後の大きさになり、体表からヌルを大量に分泌します。同じ科には高級干物有名なイボダイがいます。
食品スーパーなどで鮮魚として流通する量はそれほど多くありませんが、食味は優れており切り身での味噌漬け、粕漬けなどは良く目にすることができます。また、一部の地方では郷土料理の材料の一つとして用いており、広く食文化を支えている魚でもあります。
メダイの分布・生息域
メダイは、北海道以南の日本近海や東シナ海に広く分布しています。成魚は水深100メートル以深の岩礁帯に棲息していますが、潮の濁りと活性によっては50メートル前後の水深に上がってくることもあります。また、3~400メートルでの深海釣りで金目鯛に混じり釣れることがあるため、遊泳層が非常に広い魚であると考えられています。
メダイの性質
メダイは、孵化してからしばらくは流れ藻などと一緒に表層付近を漂流しながらプランクトンなどを食べ成長します。比較的成長が速く3年ほどで50センチ以上にまで育ち、成長していくに従い深い場所に落ちていきます。成魚になると、主な餌は浮遊する小動物や甲殻類、小魚、イカなどになります。メダイの釣りにおいてはこの食性に合わせた餌を使用します。
メダイの地方名
メダイは、その特徴的な目と丸みを帯びた顔の形から「ダルマ」、「ダルマ鯛」と呼ばれることが多いようです。その他にもアカメダイ(関東・大型)、アオメダイ(関東・若魚)、タルメ(熊本)、セイジュウロウ/メイチダイ(和歌山)、アゴナシ(福島)など、地域によって独特の呼称が数多くあります。
メダイの美味しい料理レシピ
メダイは、クセのない白身の魚です。新鮮なものは艶のある白身であり、刺身や寿司、カルパッチョなどで非常に美味しく食べれます。また加熱の際にも身が固くならないため、しゃぶしゃぶやから揚げ、ムニエル、煮付けなど、様々な料理に使うことができます。
身体の大きさに対して可食部は多く、骨も柔らかいこともあり、骨を嫌がる方でも食べやすい料理を作ることができるでしょう。アラからは上品でコクのあるダシがとれるため鍋や鍋、みそ汁などがおすすめ。味噌やみりん、醤油などで漬けダレを作り西京漬などを作るのもおすすめです。
幽庵焼き
幽庵焼き(ゆうあんやき)は、酒・醤油・みりんを[1:1:1]の比率で混ぜ、ゆずやカボスなどの柑橘類の輪切りを浮かべた「幽庵地」と呼ばれる漬けダレに漬け焼いたものです。冷蔵庫などで1~2時間ほど漬けてから焼きます。ジップロックなどで漬けこむと効率的。漬けダレは焦げやすいので火加減には注意してください。
鍋
メダイの身は過熱による収縮、変形がタラなどの白身魚に比べ少ないため、鍋の具にしても非常に食べやすくおすすめです。クセのないメダイは、昆布だしの水炊きから、カツオダシ醤油の鍋、キムチ鍋など、どのような味付けの鍋にもマッチします。アラなども少し鍋に入れておくとシメの雑炊やうどんなどが一層美味しくできます。
刺身
旬の新鮮なメダイは刺身がおすすめです。脂のノリも非常によく絶品です。また昆布などと一緒に冷蔵庫で寝かした昆布締めもおすすめ。クセのない白身には、昆布のうまみの入りも良く、まろやかな味わいを楽しめます。醤油や醤油ベースの甘辛ダレに漬けたヅケも非常に美味。ワサビの代わりに練りカラシを使った握り寿司にすれば、八丈島名物の「島ずし」の出来上がりです。
唐揚げ
メダイはから揚げにしても非常においしい魚です。骨の無い部分を一口大に切り、醤油などで下味をつけ片栗粉で衣をつけて揚げます。衣にカレー粉を混ぜたり、甘辛ダレなどをかけて食べるのも非常におすすめ。タレなどをつけて食べる場合は下味はなくてもOKです。南蛮漬けにすれば野菜と食べれるのでヘルシーです。
煮付け
鍋にする場合と同様、熱変性による収縮変形が少ないこともあり、煮付けも作り易く、きれいにおいしくできます。酒、醤油、みりん、砂糖、水を混ぜ煮立てた煮汁にメダイの切り身を入れます。カマの部分で作るものおすすめ。しっとりとした身でご飯やお酒によく合うでしょう。タケノコやゴボウ、絹さやなどを入れても良いかも知れません。