グルクン(タカサゴ)とは
スズキ目タカサゴ科に属するグルクン。正式名称は「タカサゴ」ですが、一般的にはグルクンの別名で呼ばれることが多い魚です。沖縄県の県魚ともなっており、釣りはもちろんのこと、安くて美味しい魚として食卓でも親しまれています。
生息域・分布と釣れる時期
グルクンは九州南部からオーストラリア、インド洋といった暖かい海の沿岸海域に生息しています。サンゴ礁や岩礁帯を好み、群れを作る習性がある魚です。
沖縄では船釣りが最もポピュラーで、特に夏から秋にかけてはグルクン釣りツアーも組まれており、初心者にも比較的簡単に狙える魚として知られています。
グルクンの特徴
グルクンは、背中と体側に黄色の縦線が2本あるのが最大の特徴です。また、尾鰭が大きく分かれており、上下の先端がそれぞれ黒くなっています。
通常生きているときは全体的に青緑色をしていますが、水揚げされて死んだ時や、休息時や釣り上げられて興奮している時には赤みがかった体色に変わる特徴も持っています。
生態・性質
グルクンは雑食性で、小動物やプランクトンなどをエラで濾(こ)して捕食します。5月から7月に迎える産卵期には、群れをなして海中を上下しながら産卵活動を行います。また、グルクンは成魚になるにつれて沿岸の浅いところに定着して生活する性質があります。
グルクン(タカサゴ)に似ている魚
グルクンには良く似たニセタカサゴという魚がいます。見分け方としては特徴である黄色の縦線がグルクンの場合は側線よりも下にあり、ニセタカサゴの場合は側線に黄色の縦縞が重なるようになっていることから見分けることが出来ます。
グルクンってどんな味?おすすめレシピ
沖縄県では定食にもなっているグルクン。他の地域ではあまり見かけることはありませんが、沖縄県では県魚として親しまれている一般的な魚です。味が良いので、釣れた時にはぜひ食べてみましょう。ここではグルクンのおすすめレシピをご紹介します。
唐揚げ
沖縄でグルクンの調理法として定番の唐揚げ。定食屋などにも定番メニューとして用意している店も多い料理です。身に水分が多いので、調理の際にはゆっくりと揚げていくのがポイント。皮には独特の風味があり、余すところなく食べてしまえるおすすめの調理法です。
塩焼き
グルクンに脂が乗っている冬の時期におすすめの塩焼き。ゆっくりと焼き上げることによって中から脂が染み出して香ばしく食べることが出来ます。切れ目を入れて、塩を振り少し寝かせてから焼き上げていくのが調理のポイントです。
刺身
新鮮であれば試してみたいのが刺身。皮目に風味があるので、しっかりと鱗を落として皮目を活かしたまま刺身にするのがよいでしょう。皮目を少し焼いた「焼霜造り」も余分な水分を飛ばせて身が締まり、香ばしい味わいが楽しめます。
グルクンの釣り方
グルクンは集まるポイントが決まっており、船釣りで狙うのが基本です。沖縄では専門の釣船があるほどで、主に4~10月が釣りシーズンとされていて数釣りが楽しめます。ここではグルクンの釣り方やタックルをご紹介します。
タックル
グルクンはオキアミを使ったカゴ釣りで狙うのが一般的です。仕掛けは底取りをしながら釣りをするため一番下に重りをセットするのが基本となっています。釣り船によってはタックルをレンタルしているところもありますので、確認してみましょう。
ダイワ シーパワー73 30-210
自重:160g
継数:2本
仕舞寸法:110cm
錘負荷:20-80号
ダイワ 12 プリード 150SH-L
自重:230g
最大ドラグ力:4kg
巻取り長さ:76cm
ナイロン糸巻量(号-m):3-125/4-90
PE糸巻量(号-m):2-150/3-100
エサ
グルクン釣りで使うカゴに詰める撒き餌はオキアミ。サビキ仕掛けを使うため、よほど食いが悪くない限り、針にエサを付けることはありません。グルクン専用のサビキ仕掛けが販売されていますので、それを使うと良いでしょう。
グルクンの釣り方
グルクンは底付近に群れていることが多いので底取りをしながら釣りをしていきます。誘い方は一旦底に重りを付けたら竿を上下させてオキアミを撒き、しばらく止めることを繰り返しましょう。グルクンが針に喰い付いたら竿先に明確なアタリが出るので、ラインを弛ませないようにリールを一定に巻きながら取り込むようにしましょう。
グルクンを釣って味わってみよう!
沖縄県では釣りにおいても食卓でも一般的に親しまれているグルクン。釣り方やポイントが決まっているので、初心者の方も釣りやすい魚です。全国的に流通することは少ないので、釣り上げたときはぜひおすすめレシピの調理法で味わってみてください。