シマアジは狙って釣れる
シマアジは温かい海域を好むアジ科の魚で、高級魚としても知られています。
釣りの対象魚としてはメジャーな存在ではありませんが、上手くタイミングが合えば狙って釣れる魚種です。
本記事では、シマアジの釣り方を解説し、実際にシマアジを狙って釣った様子もお届けします!
シマアジ釣りのシーズン
シマアジは年中釣れる魚です。
地域によっても差はありますが、水温が高くなる6〜11月頃にかけてがよく釣れます。
回遊性が非常に強い魚なので、回遊してきたタイミングがシーズンとも言えます。
シマアジ釣りのタックル
シマアジ釣りのタックルを紹介します。
船釣りでシマアジを狙う場合、コマセカゴを使った天秤フカセ釣りがポピュラーです。
竿
シマアジ釣りには長さ2〜3m程度の船竿が適しています。
調子は、口切れによるバラシを防ぎやすい6:4調子、もしくは操作性に優れる7:3調子がおすすめ。
号数(硬さ)は、使用するオモリに対応したものを選んでください。
リール
小〜中型の電動リールを選びましょう。
大きなシマアジの引きは強烈なので、大型を狙う場合はハイパワーな中型電動リールがおすすめ。
水深20mほどの浅場で小型のシマアジを狙う場合は、カウンター付きのベイトリールでも十分です。
ライン
道糸はPEラインの3〜5号を200m以上巻いておきましょう。
遊漁船によっては号数の指定があることも多いので、釣行前に確認しておいてください。
リーダーの結束に関しても遊漁船によって異なります。
リーダーの結束を推奨する船やクッションゴムを推奨する船、直結を推奨する船など、さまざまです。
シマアジはとても口切れしやすい多い魚なので、一般的には、PEラインと天秤を直結して仕掛け側にクッションゴムを接続するセッティングが多いです。
シマアジの仕掛け
天秤フカセの仕掛けは、地域によって異なる場合も多いです。
一例として、一般的なセッティングを紹介します。
天秤
道糸と仕掛けが絡まないようにするためのアイテムです。
長さは40〜50cmのものがおすすめ。
コマセカゴ
第一精工 ラークカゴ 大
コマセカゴは、オキアミ用やアミエビ用など、コマセの種類によって適したものが異なるので注意してください。
オモリを取り付けるタイプは便利ですが、遊漁船によってはオモリと一体になっているビシカゴを推奨していることもあります。
クッションゴム
クッションゴムは、太さが1.5〜2mm、長さが30〜50cm前後のものが適しています。
口切れが多い魚なので、クッションゴムを使うことでキャッチできる確率が上がります。
オモリ
オモリは、水深や流れに応じて使い分けます。
遊漁船が号数の指定をしていることが多いので、釣行前に必ず確認しておきましょう。
仕掛け
海域によって水深や流れ、船の流し方が異なるので、さまざまな仕掛けがあります。
その中でも一般的なのは、全長2〜6m程度、針数2〜3本の天秤フカセ仕掛けです。
シマアジはコマセに突っ込む性質があるため、マダイ用の天秤フカセ仕掛けよりも短い仕掛けを使う傾向にあります。
ハリスの太さは小型狙いなら2号、大型狙いなら6号程度がおすすめ。
浅場で小型のシマアジを狙う場合は、堤防用のカゴ釣り仕掛けなども代用できます。
エサ
オキアミやアミエビをコマセにすることが多いです。
地域によってはイワシミンチを使うことも。
基本的に刺しエサはオキアミです。
シマアジを釣りに行ってみた!
シマアジを食べたい!
ということで、筆者もシマアジを狙って釣行してみました。
噂によると、「三重方面で小型ながらまとまった数が釣れている」とのこと。
シマアジは回遊性が強く、群れがすぐに抜けてしまうことも多いため、急行しました!
絶対に釣りたい!笑
釣行の舞台は、10月後半の三重県紀伊長島エリアです。
レンタルボートや磯の渡船でシマアジが連日釣れている様子。
釣果情報のあった石倉渡船さんにお世話になり、レンタルボートで出船しました。
天候は晴れ、大潮周り、海水温は24℃前後です。
受付で最近釣れているポイントを教えていただき、迷わず直行しました!
「シマアジは時合いでたくさん釣るのが大事ですよー」とのこと。
時合いを逃すとかなり厳しいらしいです。
小型のシマアジ狙いなので、ポイントはかなり浅場です。
水深は10m前後、深いところで20m程度。
一般的な強めのシマアジタックルではなく、ライトタックルを用意しました。
手巻きリールでもOKなポイントでしたが、操船もしつつだったので、小型電動リールに7:3調子の竿をセッティングして挑みます。
エサはオキアミとアミエビを用意。
良い時は、サビキでアジのように釣れることもあるそうです。
群れが来たらサビキでバンバン釣っていこうかな! なんて。
浅場ということもあり、全長が短めの堤防用カゴ釣り仕掛けをセットしてスタート!
シマアジの回遊を期待してたくさんコマセを撒いていきます。
そして! 時合いは突然に!
噂通り、小ぶりではありますが、シマアジが釣れちゃいましたね(汗)
コマセを撒き続けてもほとんど反応が無く、同行者が「移動したい」と言い始めた矢先でした!笑
根気よく撒き続けるのが大事なのか!?
シマアジは口がとても柔らかく、そのクセ引きはやたらと強いので、針穴がみるみる広がります。
ドラグ設定やクッションゴムによる対策は必須ですね。
群れで回遊するシマアジは1匹釣れ始めると連発を期待できます。
時合いなのか、どんどん釣って一気に6枚!
このままコマセを撒き続けて群れを足止めしたいが……。
突然始まった時合いは、終わるのも突然でした(泣)
ほんの5分ほどは入れ喰い状態でしたが、ピタッとアタリが無くなり……。
その後、シマアジの姿を見た者は誰もいませんでした(笑)
結局、この日は5分間で釣れた6枚が最終釣果に。
回遊していた群れが小さかったようで、数を伸ばせませんでした。
コレばっかりは運としか言いようがないですね。
持って帰って早速食べたいと思いまーす♪
捌いてみたところ、小型なので脂の乗りは“そこまで”でした。
アジと同じような身ですね。
小型なら、アジと同じように皮を剥がせました。
まずはお造りで。
アジに近い味わいといえばそれまでなのですが、アジよりクセがなくて旨味が強いですね。
脂ノリノリのこってりしたアジも好きですが、上品な味わいのシマアジは格別。
アジといえば、なめろう。
シマアジのなめろうも最高です。
味噌、生姜、ネギ、シソ、醤油を混ぜて包丁でたたくだけで完成!
マリネにしてみました。
あっさり系も合う〜。
レモンドレッシングとのハーモニーが絶妙ですね。
マリネと似た系統ですが、カルパッチョもおすすめです。
岩塩とオリーブオイル、ブラックペッパーだけで高級レストランのような味わい。
残ったアラで、アラ汁も。
そのまま塩だけで味付けても深い味わいがありますし、少し味噌を溶いても美味しかったですよ。
また釣りたいです!
シマアジの釣り方
基本となる誘い方は、一般的な天秤フカセ釣りと同様です。
着底したら素早く底を切って、コマセを振り出してアタリを待ちましょう。
竿を下げながらハンドルを巻き、竿を水平まで上げて止めることでカゴからコマセが出ます。
アタリがあれば、そのまま竿を引くようにして大きな幅でゆっくりとアワせればOK。
シマアジは口切れが多いので、やりとりの時はドラグをかなり緩めにしておくのがおすすめです。
シマアジもアジと同じく、海底付近を回遊していることが多い魚です。
着底したら素早く底を切って、仕掛けが馴染んでからコマセを振り出してください。
底から10m程度まで誘い上げてアタリが無ければ、仕掛けを上げて再投入しましょう。
船長から指示ダナがある場合は、コマセで群れを留めるために必ず指示に従ってください。
底付近で釣れることが多いシマアジですが、稀に中層を回遊してくることもあります。
絶品シマアジを狙ってみよう!
なんと言ってもシマアジ釣りの醍醐味は、バラシのリスクと隣り合わせのスリリングなやりとり。
ヒラマサやカンパチ並みに引きが強い一方、口はアジ並みに柔らかいので、とくに大型をキャッチするのは至難の業です。
しかも、味わいも絶品なので、取り込むまでのハラハラ感は尋常ではありません。
回遊して来てもすぐに群れが抜けることも多いので、釣果情報があれば早めに狙いに行ってみてくださいね。