トビハゼってどんな魚?
トビハゼはスズキ目ハゼ科に属する魚。干潟に生息しており、潮が満ちてくるとそれから逃げるように水面を飛び跳ねる様子が名前の由来となっています。全国的に生息数が減少しており、環境省のレッドリストに準絶滅危惧種として指定されてます。
▼トビハゼの仲間ハゼを紹介している記事です。
生息域・分布と釣れる時期
汽水域の干潟に生息しているトビハゼ。日本では東京から沖縄までの干潟に分布しています。釣りの対象魚とはされてはいませんが、その愛くるしい仕草から観賞用としてとても人気がある魚です。
生態・性質
トビハゼは小さなカニなどの甲殻類、ゴカイなどの多毛類をエサとしています。産卵シーズンは6~8月で、雄が泥に穴を掘って縄張りを作って、雄が雌を呼び込むために飛び跳ねて求愛行動を起こすのが特徴。孵化した稚魚はしばらく浮遊生活をした後、15ミリほどの大きさになると干潟を目指すようになります。
地方による呼び名
標準和名である「トビハゼ」は東京都および和歌山県での呼び名ですが、地方では様々な呼び名で呼ばれています。ここではその地方名をご紹介します。
高知県=ピョンピョンハゼ
佐賀県=カッチャン、カッチャムツ
熊本県=カタハゼ、ムツゴロ
ムツゴロウとの見分け方
同じように干潟に生息している魚に「ムツゴロウ」という魚が居ます。トビハゼとの見分け方は、ムツゴロウのほうがヒレが大きく最大で20センチほどまで大きくなること、また九州の有明海・八代海だけに分布していることから、生息域でも見分けることが出来ます。
なんで陸上で生存できるの?
トビハゼはエラ呼吸だけでなく、皮膚呼吸ができるため陸上で生活することが出来ています。また、他の魚だと体に悪影響を及ぼすため代謝によって排出するアンモニアを、体内でアミノ酸に変えることができることもトビハゼが陸上で生活できる理由とされています。
皮膚の乾燥が天敵!
皮膚呼吸ができるトビハゼですが、皮膚が乾燥してしまうと呼吸ができなくなり死んでしまいます。そのため泥の上では転がって皮膚が乾燥しないように行動している姿を見ることが出来ます。
トビハゼの飼育の仕方とは
高速ハイハイやエサを捕食する時など、愛らしい姿で観賞魚として人気が高いトビハゼ。観賞魚として流通するときは「マッドスキッパー」と呼ばれることも多いです。ここでトビハゼの飼育の仕方をご紹介します。
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水作 水心 SSPP-3S
テトラ マリンソルトプロ 100L用
ジェックス ヒートナビ SH160
水槽サイズの目安
トビハゼを飼育するときは30~45センチサイズの水槽に対して2匹までが目安です。飼育するときに他に必要なものとしては下記のようなものとなります。
・エアーポンプ
・ろ過装置
・水温計
・カルキ抜き薬
・人工海水の素
・サンゴ砂もしくは海砂
・流木や石
配置決めが楽しいトビハゼ育成
トビハゼを飼育するときの水深は10センチ程度を目安としましょう。砂利や流木を使ってトビハゼが上がれる陸地を作ってあげてください。一つの水槽で2匹飼育するときは喧嘩してしまうこともあるので、陸地は広めに作っておくのがおすすめです。
絶滅危惧種にも指定されるトビハゼ
近年では干潟の埋め立てなどの環境悪化が原因となり、特に都市部近郊において生息数が減少しているトビハゼ。環境省のレッドリストに準絶滅危惧種として指定されており、地域によっては絶滅危惧種にも指定されて保護が行われています。かつては食用にもされていたトビハゼですが、現在では貴重な魚となっていることを知っておきましょう。
トビハゼを守ろう!
可愛らしい仕草から観賞魚としても人気のトビハゼ。しかしながら、環境の悪化によって生息数が減少している魚でもあります。本記事をきっかけにして、日頃から環境を守るために出来ることを意識する人が増える事を祈っています。