犀川での釣りについて
犀川は日本一長いと言われる信濃川の支流の1つで、長野県松本盆地を南から北へと流れる一級河川です。
北アルプス南部の槍ヶ岳を水源とし、松本盆地で塩尻方面から流れてくる奈良井川と合流します。奈良井川と合流するまでは梓川と呼ばれ、奈良井川と合流した後、長野県長野市で千曲川と合流し千曲川となり最終的に信濃川に合流します。
梓川と犀川は1本の同一河川ですが上流は梓川、下流を犀川と呼び名が変わります。川に沿って国道19号線が走り道の駅などもある事から河川・渓流釣りを楽しむ絶好の河川となっています。
本流トラウトの聖地
犀川は一年を通じて水量が豊富で川幅も広く水深もあり、長野県の山間部を流れているため河の水も年間を通じて低く、犀川に流れ込む渓流も多いため本流トラウトに適した条件を全て満たしています。
また犀川漁業協同組合や犀川殖産漁業協同組合などが管理し、オールシーズン釣りが可能なため本流トラウトの聖地となっています。
犀川で釣れる魚
犀川に生息する魚は国土交通省千曲川河川事務所の調べによると13科49種とのことですが、その中でも釣りの対象となるのはイワナ、ヤマメ、ブラウントラウト、レインボートラウト等の本流トラウト。
特にレインボートラウトやブラウントラウトは漁協による養殖が行われ、定期的な放流の他に自然繁殖したトラウトも生息しているため、60センチを超える大物も珍しくなく、トラウトマン憧れのフィールドになっているのです。
レインボートラウト
ニジマスと言った方が馴染み深いかもしれません。レインボートラウトは養殖による人工繁殖は容易ですが自然繁殖は難しく、生態系への影響が少ない事から犀川では大正時代頃から放流が始まっています。
犀川は環境が良く放流後も生き残り、犀川殖産漁業協会の努力もあり大型のレインボートラウトが多数生息しています。
ブラウントラウト
ブラウントラウトはヨーロッパ・インドの河川に住むユーラシア大陸原産の魚ですが、明治時代カワマス・レインボートラウトの輸入をした時にブラウントラウトの卵が混入したため日本の河川に多く住み着くようになった移入種です。
犀川では漁業権魚種ではないのですがC&Rされる事が多く、水温の関係からレインボートラウトより繁殖しやすいため犀川には多く生息しています。
ヤマメ
渓流の女王と呼ばれるヤマメもまたサケ科の魚種で渓流釣りの花形魚種です。
ヤマメは海に下るとサクラマスとなりますが、本流である犀川に流れ込む渓流から犀川やダムに下り、5月頃に再び渓流に帰っていくので戻りヤマメといわれますがそのまま犀川に居つく固体もおり犀川本流釣りでも人気魚種になっています。
イワナ
イワナは美しい森と水を象徴される川魚で水温が0度になっても死なず、20度を超えると障害がれると言われるほど、冷たい水にしか住めません。
その食性は極めて獰猛で木々からの落下昆虫はもちろん、サンショウウオや蛙、ネズミ、果ては共食いまでしてしまいます。長野の自然豊かな森を流れる犀川にも多くのイワナが生息しています。
犀川の釣りルールとポイント紹介
梓川に奈良井川が合流して犀川となり千曲川に合流するまでの153キロの間には、犀川は犀川漁業組合と犀川殖産漁業組合の2つの漁協存在します。
犀川殖産漁協組合では、ニジマス、ヤマメ、イワナ、アユなどを放流しており通年で釣りを楽しむ事が出来ますが、犀川漁協、犀川殖産漁協のいずれも遊漁料が必要で細かいルールが設定されています。
ここでは犀川漁協及び犀川殖産漁協管轄内でのルールや遊漁料と代表的な釣りポイントを御紹介いたします。
犀川のフィッシングルール
犀川にはエリアごとにルールと遊漁料が設定されています。釣行エリアやポイントを選ぶ際に必ず確認しておきましょう。
犀川漁協管轄エリア:東筑摩郡生坂村・長野市大岡松本市の区域の本流
釣り解禁期間:2月16日から9月30日
遊漁料 | |
日釣券 | 1,000円 |
年釣券 | 6,300円 |
現地売日釣券 | 1,700円 |
犀川殖産漁協管轄エリア:長野市の区域から大町市哉八坂・東筑摩郡生坂村の本流
釣り解禁期間:2月16日から9月30日(ヤマメ、イワナ)
殖産漁協管轄エリアでは、コイ、フナ、ウグイ、オイカワ、ウナギ、レインボートラウトに禁漁期間は無く通年で釣りを楽しむ事ができます。
但し殖産漁業では釣った魚をそのまま川に戻すキャッチ&リリースが定められており違反すると漁業権の侵害となり罰則が適応されます。またトリプルフックのルアーの使用や返しのある針の使用も禁止されています。
遊漁料 | |
日釣券 | 1,000円 |
年釣券 | 5,000円 |
現地売日釣券 | 1,700円 |
犀川のポイント1:平ダム放水口下
平ダムにはJR篠ノ井線「明科駅」より生坂村営バスで約40分バス停「平発電所前」で下車。ダム左岸に国道19号線が走り、右岸には平発電所があります。
犀川のポイント2:野平
川の駅「さざなみ」の上流にありラフティングボートをする人たちも少なく安全に釣る事ができます。国道19号線野平洞門の近くです。
犀川のポイント3:さざなみ下流
国道19号線沿いにある川の駅「さざなみ」の下流が釣りのポイントとなります。川の駅「さざなみ」では入浴や食事の他に、犀川でのラフティングボートやカヌーなども楽しむことが出来ます。
また川の駅「さざなみ」の前は、犀川殖産漁協による魚の放流ポイントでもあります。
犀川のポイント4:竹やぶ
児玉橋から少し上流に上ったところで通称「竹やぶ」と呼ばれるポイントで流れは穏やかで水深のあるポイントになります
犀川のポイント5:さぎり荘裏周辺
さぎり荘は信州観光の拠点となる大型温泉旅館です。もちろん本流トラウト釣りの拠点ともなりその裏を流れる犀川も釣りの名所となっています。
また川の駅さざなみ同様犀川殖産漁協によるレインボートラウトの放流ポイントになっています。
犀川の釣りで使うタックル
犀川本流でのフライフィッシングは対象魚が大型で川幅も広いためダブルハンドロッドで遠投される方が多いようです。
また、流れに乗った大型トラウトの強烈な引きとやり取りできるよう、ルアー、フライ共に使用するロッドにはバットパワーが求められます。それぞれのタックルについてご紹介します。
ルアータックル
犀川本流トラウトをルアーで狙う時には、7~9センチの物が主流です。
川の流れの流れの速さや水深、釣行のシーズンや、背を狙うのか淵を狙うのかによってルアーのチョイスが代ってくると思いますので、リアルタイムでどんなルアーにあたってるのかは地元の釣具店での情報収集が決め手となってきます。
またC&Rエリアでのトレブルフックの使用は禁止されています。
ダイワ ワイズストリーム 86MH-3
自重:169g
継数: 3本
仕舞寸法 :91cm
ルア−重量: 7〜30g
ナイロン適合ライン 8〜25lb
フライのタックル
犀川でのフライフィッシングは対象魚が大型で、川幅も広いためダブルハンドでバットパワーのある本流のフライフィッシングに対応したタックルで遠投される方が多いようです。
シマノ 2016 アスキス #7・8
自重:235g
最大ドラグ力:3.0kg
巻取り長さ:28cm
適合ライン:WF6F+200m、WF7F+180m、WF8F+150mcm
本流トラウトの聖地で美しい魚に出会おう!
犀川には地元漁協の努力もあって通年で本流トラウトフィッシングを楽しめるようになっています。
信州の自然に育まれ、半野生化した美しいトラウト達は警戒心も強いため、いきなりの大物ゲットとは行かないかもしれませんがその分ヒットした時の喜びもひとしおです。
餌・ルアー・フライ問わず多くの釣り人の集まる川ですのでキチンとルールを守ってトラウトの棲む川を守りつつ、釣りを楽しんでみましょう!