バショウカジキについて
バショウカジキはスズキ目マカジキ科の魚の一種で、体長は成体で3.3メートル体重100キロにもなる大型魚です。長大な背びれを持つ事から英語でSailfishと呼ばれ、日本ではその背びれを芭蕉の葉に見立てた事からバショウカジキと呼ばれています。
バショウカジキは、高速で泳ぐ事のできるカジキの中でも最も早く泳ぐ事ができるため、ギネスブックに「最も早く泳ぐことの出来る魚類として掲載されています。これは針に掛かったバショウカジキがリールから糸を出した速さから計算されておりその速度は時速100キロを超えると言われています。
バショウカジキの分布・生息域
バショウカジキはインド洋太平洋の熱帯・亜熱帯地域の海に広く分布します。日本には夏から秋に掛けて南から暖流に乗って接近してくるため、主に南日本の近海で見る事ができます。
マカジキ科の魚は外洋を回遊している魚種ですが、マカジキ科の中でもバショウカジキは最も沿岸に接近してきます。
人気のフィッシングターゲット
バショウカジキはカジキらしい長い上唇と、その名に相応しい大きな背びれを持つ特徴的な姿をしている大型魚で釣りの対象魚として人気の魚種です。
ボートで沖に出てるトローリングなどルアーフィッシングが広く行われており、世界中で国際大会も開かれています。また沿岸近くまで接近することから磯から狙うこと可能です。
バショウカジキの速さは?
バショウカジキは魚類最速としてギネスブックに登録されており、その速度は110キロに及ぶと言われています。
このデータは針掛かりしたバショウカジキが100ヤードのラインを全部出すのに3秒掛かったと言うデータを元に計算されています。100ヤードはメートル換算にすると91.44メートルになりますから、1秒当たり30メートル以上泳げる計算になります。
一方でバショウカジキの泳ぐ速度は平均時速2キロで、最大でも7キロほどだと唱える人もいるようです。
バショウカジキ料理のレシピ
バショウカジキは淡い色をした赤みの魚で秋口には脂が乗り、鹿児島地方では秋太郎(アッタロ)と呼ばれるほどに食卓に馴染み深い魚となっています。
他のカジキマグロに比べバショウカジキの身は柔らかく脂がやや少な目で味は他のカジキに比べるとやや劣ると言われています。脂が少なめですのでバターソテーやムニエルなど油を使った料理と相性がいいようです。
脂ののった秋のバショウカジキは網目状に脂が入り筋は弱くなり、身の酸味と脂の甘みが絶妙な旨味を演出します。
マグロとは別種の魚種ですが身はマグロと似ているため「カジキマグロ」と呼ばれマグロと混同される事もあります。
バショウカジキの刺身
バショウカジキの刺身はマグロに似た食感で、冬が近くなり水温が下がって脂の乗ったバショウカジキの身はオレンジ色に近いピンク色になります。この時期のバショウカジキの刺身は絶品です。
逆に脂の乗っていないバショウカジキの身は赤味が強く朱色に見えます。身の色がバショウカジキの食べごろの季節の目安になります。
あら煮
バショウカジキは身を食べた後に残ったあらも美味しく頂く事が出来ます。バショウカジキのあら(カマ下、ひれ際など)は湯通しした後冷水に晒し汚れや鱗などを除去して酒、砂糖、醤油、みりん、生姜などで煮上げます。
骨の太い魚ですので良く出汁も出て、残った身も固くならず甘味も出てご飯の進む一品に仕上がります。
塩焼き
バショウカジキは大物になると3メートルを超える巨体になりますので、塩焼きを作る場合は当然切り身を使います。
適当な大きさに切った切り身をキッチンペーパーなどの上において余分な水分を除去し、シンプルに塩焼きにします。脂は背よりも腹が側に多くですが元々脂の少ない魚ですので、塩焼きにするとややパサついた感じになります。
フライ
バショウカジキに限らずカジキは小骨が少なく油なじみも良く、身もしっかりしているのでフライやから揚げにも最適も魚です。一口大にきった身に塩をして余分な水気を取った後パン粉を付けて180度の油で揚げていきます。
こんがりとキツネ色が付いてきたら完成です。小骨がないので小さなお子様にも大人気でビールのお供としても最高です。
バショウカジキの釣り方
バショウカジキは外洋回遊魚なので、バショウカジキを釣る時は他のカジキ同様ボートでのトローリングが代表的な釣法になりますが、他のカジキに比べ比較的沿岸まで接岸してくるため磯からのルアーでも狙う事が出来ます。バショウカジキに喰い気が立っていると、海面にイワシやキビナゴなどのベイトフィッシュのボイルが沸き立ち 海上には海鳥が群がっています。バショウカジキは獲物を襲う時その背びれ広げ海面に突き出していることもあるので、海面に背びれが見えたら間違いなくそこにバショウカジキがいます。そこを狙ってキャストしていきましょう。
バショウカジキが接岸する時期がベストシーズン
日本近海の個体は4~8月ごろにフィリピン東方海域で産卵します。孵化したバショウカジキは黒潮に乗って捕食回遊しながら北上し、水温の低下と共に南下していきます。
日本近海・九州地方に接岸するのが8月中旬から11月上旬の頃です。バショウカジキのシーズンになると鹿児島では1日500本~1000本のバショウカジキが市場に水揚げされています。
バショウカジキはオフショアでのルアーキャスティングで狙える
初夏から秋に掛けて接岸してくるバショウカジキの大きさはだいたい30キロ~40キロぐらいの大きさで、イワシ等の小魚を餌としています。
イワシや小魚を模したルアーで表層を攻め、ナブラの中心やバショウカジキの側面視界に入る位置にキャストする事で逃げ惑う小魚を演出すればバショウカジキの興味を引く事ができます。
ルアーキャスティングのタックル
バショウカジキは捕食する時に分と呼ばれる長いくちばしで獲物を叩いて弱らせてから捕食するため、リーダーの先に擦れ防止のファイティングリーダーを付ける必要があります。
ファイティングリーダーの長さは1メートル程でよくフィッシングワイヤーでもかまいません。タックルは表層を逃げる小魚をイメージできるペンシルやホッパーがお勧めです。
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バショウカジキは釣り人憧れのターゲット!
ヘミングウェイの小説「老人と海」にも題材にさえるカジキが日本近海でも釣る事が出来ます。小説では釣ったカジキを岸に持ち帰る事が出来ませんでしたが、持ち帰ったバショウカジキは身はもちろんあらまで美味しく頂く事が出来ます。
アングラーの最終目標とも言えるオフショアからのバショウカジキ釣り、あなたもチャレンジしてみませんか?