ホテイウオについて
分類 | |
界 | 動物界 Animalia |
門 | 脊索動物門 Chordata |
亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
綱 | 条鰭綱 Actinopterygii |
上目 | 棘鰭上目 Acanthopterygii |
目 | カサゴ目 Scorpaeniformes |
亜目 | カジカ亜目 Cottoidei |
科 | ダンゴウオ科 Cyclopteridae |
属 | ホテイウオ属 Aptocyclus |
種(学名) | Aptocyclus ventricosus |
種(英名) | Smooth lumpsucker |
種(和名) | ホテイウオ |
ホテイウオはダンゴウオ科ホテイウオ属で、カジカなどと近縁の魚。体形が七福神の布袋様に似ていることから「ホテイウオ」と名付けられたと言われています。東北や北海道ではゴッコと呼ばれることが一般的。
フグやアンコウと似た丸い体型が特徴で体長は20センチから40センチほど、長卵形で柔らかくウロコや突起物も無い為、体表は滑らかでぶよぶよとしています。
基本的には海の底に生息をしており、腹部に付いている吸盤で岩などに体を固定し餌などを待ち構えています。
分布、生息
ホテイウオは朝鮮半島釜山から、日本海、オホーツク海、ベーリング海、カナダ、ブリティッシュコロンビアまでの北太平洋、太平洋側では神奈川の三崎、日本海側では、若狭湾以北に分布しています。
水深はなんと1700メメートルほどの深海から、表層近くの浅場まで広く生息しています。エサは幼魚期に浅場でヨコエビなどを捕食し成魚になると沖合でクラゲなどを主に食べているようです。
旬の時期
ホテイウオの旬はズバリ12月から4月にかけて。通常は水深100メートルほどのところに生息していることが多いのですが産卵期になると浅瀬へ来て産卵をします。
その時期がホテイウオの旬の時期となり、雌の腹の中には巨大な卵がぎっしり詰まっており、身には脂がたっぷりとのっています。
ホテイウオの捌き方
ホテイウオは固い骨がないのでとても捌きやすい魚ですが、ぬめりが非常に多い為、包丁などを滑らせてケガをする危険があります。
捌き方の手順はアナゴを捌くのと似ており、アナゴを捌くのと同様にぬめりをいかにとるかがホテイウオをおいしく食べるポイントにもなります。
用意する道具は包丁、調理用ハサミと熱湯です
【ホテイウオの捌き方】
(1)ホテイウオを裏返しにし、肛門から吸盤の手前まで裂く(その時包丁は刃を外側へ向けるとお腹の中の卵を傷つけずに簡単に裂くことが可能になります)
(2)お腹の中に詰まった卵や白子などを取り出し冷水でサッと洗う
(3)吸盤を調理用ハサミか包丁で切り取り、中骨のあたりについている血合いなどを水で洗い流す
(4)用意しておいたたっぷりの熱湯へホテイウオを入れ表面のぬめりと薄皮を冷水で洗い落とす
(5)頭を落とし、身の方は縦半分に切る
(6)身に付いている少量の骨を取り除く
(7)頭についているエラを取る
(8)最後に一口大に切ったら下ごしらえは完了。
ホテイウオの美味しい食べ方
ホテイウオは淡泊な白身で味が染みやすい肉質です。また、皮はゼラチン質やコラーゲンが豊富で癖もなく、強い旨味があり汁物にすると絶品。
白子はあん肝やフォアグラに引けを取らないおいしさで、胃や腸なども食べられるのでわずかな内臓と骨を捨てるのみです。そんなホテイウオの料理を2種類紹介していきます。
ゴッコ汁
ゴッコ汁のゴッコとは東北、北海道でのホテイウオの呼び名で、ゴッコ汁は北海道の郷土料理として知っている人もいるのではないでしょうか。基本的には醤油仕立ての汁物でゴッコ以外の具は大根やジャガイモなどの根菜類が中心となります。
昆布だしに醤油、根菜、豆腐、長ネギ、エノキ、そして一口大に切ったゴッコを加え炊き上げます。そのほかにも石狩風に仕立てた味噌味にしても美味しいようです。
卵の醤油漬け
ホテイウオは卵も絶品。ホテイウオの雌のお腹から取り出した巨大な卵の塊を50度くらいのお湯の中でほぐし、その卵を醤油とみりんを合わせたタレに漬け込みます。
すぐに食べることができますが、数日漬け込むとプチプチとした食感が更に増し、とても強い旨味があります。ホテイウオの仲間にはランプフィッシュキャビアと言う名で売られている卵があるほど卵が慎重されているようです。
見た目は変わっているけど味は絶品のホテイウオ
ホテイウオは、見た目のイメージからは想像もつかないほど美味しい魚です。かつては北海道内の産地だけで楽しまれていた魚ですが、現在は首都圏のスーパーや、オンラインショップでも販売されています。
これから旬の時期を迎えるホテイウオの上品なコクと旨味を是非、堪能してみてはいかがでしょうか。